Switch版『じんるいのみなさまへ』の感想です。

ゲーム内容


ホテルのカプセルで目覚めた5人(+1人)の女の子たち、
榛東京椛(しんとう きょうか)
少弐勇魚(しょうに いさな)
菓子永里那(かし えりな)
小松和海(こまつ かずみ)
邑楽幽々子(おうら ゆゆこ)
朱香CyxaЯ(しゅか すはーやDLCキャラ
が、何もない秋葉原でサバイバル生活をしていくというゲームです。
3人1組となって行動することになりますが、主人公である京椛は固定で、残り2人を自由に選択できます。

女の子たちの名前は難しい漢字や読み方が多め。
小松和海の素直さに泣けてきます。

ゲームは全10章の章仕立てで進行。
1つの章クリアにかかる時間は長くても1時間ちょっとくらいですかね。

荒廃しきった秋葉原の町並みを前に、プレイヤー視点だと
「この街で一体何があったというのか?」
と気になるところですが、のどかな音楽が流れる中、京椛たちはじつにゆる~いトークをかましながら探索を行います。
風景とは不釣り合いなこの雰囲気に最初こそ違和感しかないですが、途中からある種の狂気じみたものを感じるようになりました。

これらの謎についてはゲームが進むにつれて明らかとなるわけですが、かなり終盤で一気にって感じでしたね。

舞台となる秋葉原
写真は主人公たちが探索することになる秋葉原の地図。
移動中はミニマップ表示などなく、またこの地図でも現在地などは一切不明。
次の目的に関してはいつでもどこでも【L】ボタンを押すことで確認できます。
ちゃんとキャラ同士の会話を聞いていなかったり、いきなり町に放り出された場合は、まずは【L】ボタン押下で目的確認をし、地図で現在地と向かう先の確認を……って感じでしょうか。

そんなに広いマップではないので少し遊んでいたら覚えられるんですが、自分の現在地が表示されないのは今どきのゲームでは不親切ですね。

拠点となるホテル
主人公たちが目覚めたホテルには、もう1人眠っているという女の子(DLC)以外には誰もいません。

ここを拠点に集めてきた食料で食事を摂ったり、集めた素材で新たな道具を作ったりしていきます。なお、セーブは食事をすることで可能。
というか、その方法でしかセーブできません。

会話
ゲームの大半がキャラ同士の会話シーンに費やされます。
むしろ探索よりも会話シーンこそが今作のメインだと思った方がいいかもしれません。

探索
各アイコンがある場所では探索して様々な道具や素材を発見。
何をするかによって経過する時間も変化。
日が暮れると女の子たちはホテルへと戻るので、限られた時間内で探索しないといけません。
もっともストーリーを追うだけならまず時間を気にする必要はありませんけどね。
ちなみに移動中の時間経過はありません。

一応今作でメインとなるのがこの探索パートのはずなんですが、移動速度の遅さや何もないマップの移動など、私は純粋にこの探索パートはだるさしか感じませんでした。

イベント
一部イベントでは専用CGが用意されています。
登場人物は女の子しかいないので百合展開メインですが、そんな感じになるのはゲーム後半から。
それまでは普通にワイワイガヤガヤって感じでした。

DLCを購入しないと真ENDは見られない


DLCを購入した状態で2周目を開始すると、1周目では眠ったままだった朱香CyxaЯを第二章から起こす事ができるようになります。
冷静で落ち着いた口調の女の子ですが冷たいという感じはなく、周囲への気配りもしっかりできるしっかりした性格の持ち主。
当然連れて行けるパートナーとして選択できるようになり、食事も作れるようになります。

朱香が加わる事で彼女を含めた会話が追加されるだけでなく、特にゲーム終盤からエンディングまでのストーリーが1周目とは大きく変化します。
途中の章でも1周目とは違う行動をとったりもするので、今作をとことん楽しみたいのであればDLCを購入した上で2周目プレイが必須ってことですね。

また、DLCによるものか、2周目限定なのかはわかりませんが、2周目クリアの時点で1周目では見なかったイベントCGも何枚か確認できました。

タイトル画面にも朱香CyxaЯの姿が追加されます。
これが本来あるべき彼女たちの姿って感じでしょうか。
読み込み中のシルエットもちゃんと6人に増えるのがいいです。

気になった点

探索がつまらない
本来であれば今作のメイン要素であろう探索が絶望的につまらないし面倒でした。
理由は色々ありますが、
・視覚面での変化に乏しい秋葉原の街
・探索できる場所が限定している
・キャラの移動速度が遅い
・地図で現在地表示がない
・操作キャラは榛東京椛のみ
・メインストーリー以外での探索を行わなくてもクリア可能
など、探索を楽しませようという要素がないんですよね。
設定上はあるべきものが描かれていない
背景グラフィックの粗さは個人的には気にしませんが、フィールドでは視認できない様々な建造物が存在するようなのですが、そういうものを一切描いていない点は残念。
例えば水車なんかがそうですね。
本来そこにあるはずなのに移動画面では
『イベントがありますよ』
という黄色い光が見えるだけ。
味気ないですよね。
こういう部分もきっちり描いた方が独自の世界観をプレイヤーが感じられたのにと思います。
ストーリー進行の印が一定していない
メインストーリーが進行するイベント場所は黄色い光で知らせてくれる場合が多いのですが、そうじゃない場合もあったりとどうにも一定していません。
普通の探索場所で進行する事もあれば、何の目印もない場所で急に進行する場合もあります。
ハッキリ言ってこの光を頼りに進めるしかないので一定化して欲しかったです。
DLCを購入しないと全ての謎は解明されない
DLCキャラを購入しないと主人公関連のエピソードが最後までわからなく作られているようです。
実際、何やら意味ありげな台詞を主人公が言うのですが、その件については最後まで明かされる事はありませんでした。
完全なエンディングを迎えたいならゲームソフト価格に+500円のDLC。
真ENDに絡む要素はきっちりゲーム本編に入れて、DLCはあくまでも追加のオマケって感じにして欲しいところです。

感想

女の子たちが荒廃した秋葉原を舞台に生活をするわけですが、ゲームとして命を懸けたギリギリのバランスなんてものは求められません。
材料や素材を見つけてレシピから何かを作り、その道具によって探索の幅が拡がっていく……。
そんなサバイバル生活を期待して買うとガッカリします。
もっとも公式サイトなどで出ている情報から、そんなガチなサバイバルを期待して購入する人もいないとは思いますが。
探索やサバイバル部分よりも女の子どうしの掛け合いと、ちょっとずつ明らかになっていく現状や謎の解明を楽しむためのゲームって感じです。

気になる点であれこれゴチャゴチャ書きましたが、今作一番の問題は
探索がつまらない
これに尽きると思います。
もっと自由に色んな建物内を探索できたり、そこで発見した素材から衣装を作って着せ替え要素があったりすれば楽しめたかもしれませんが、キャラメインのゲームなのにそういうお遊び要素も一切ない。
そしてやはりDLCを購入しないと真のエンディングが見られないのは残念すぎます。
「すごくキャラが気に入った」
というなら止めはしませんが、ゲームとして遊ぶにはオススメしにくいですね。

関連リンク

・「ガンマンストーリーHDコレクション」
・「ARTIFACT ADVENTURE 外伝 DX」
・「イースVIII -Lacrimosa of DANA-」(Switch版)
・「DESTINY CONNECT(ディスティニーコネクト)」
・「ロロナのアトリエ 〜アーランドの錬金術士〜 DX」
・ゲーム感想ページ

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