第5話「手の巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!


何気ない練習風景からスタート。
隣のコートから懐かしい顔(サッカー部の名前はたぶん小山)たちが眺める中、フリーバッティングでピッチャーをする谷口と打席には加藤。
この場面と守備練習の場面で、左投げ左打ちだったはずの加藤が右投げ右打ちになっていました。
(「プレイボール2」では変更になったのでしょうか?)
キャプテン自らバッティングピッチャーをする様子や、イガラシと松川の投げ込み200球+10キロロードを見て、その練習量に思わず唾を飲み込むサッカー部員たち。

ロードに出たイガラシは途中でついに両膝に手をついて立ち止まる。
200球投げ込み後の10キロロードはともかく1時間という制限時間に息を切らせながらぼやくイガラシに、松川は折り返し地点の5分休憩をなくして代わりにペースを落とそうと提案。
しかしそれでは意味がないと言って再び走り出す姿に上級生の松川も驚きを隠せない。

一方、前回から部活後に丸井との練習を始めた井口は、この日も部活が終わると慌てて練習場所の神社へと向かう。
神社に到着する頃には午後9時を回っており、すでに到着していた丸井から今日は200球投げろと言われる。
この時間から200球だと11時までかかるし、音が近所迷惑だと答える井口に丸井は
「じゃあ間をとって150だ」
と、どこかで聞いたようなセリフ。
しかも1時間で投げろという。
その様子を倉橋が陰から見つめていたが2人は気付いていない。

翌朝。
谷口と一緒に登校した倉橋が、谷口の手の平の上で踊らされてるような気がするとポツリ。
あれだけピッチャーとして推していた井口を谷口があまりにあっさり切った事で、逆に不安になっていた倉橋は、昨夜の井口と丸井の練習を目撃した事でホッとしていた。
だが、もしかするとこうなる事まで計算して、谷口がわざと井口を突き放すような芝居を打ったのかと考える。
そこへ同じく登校してきた丸井の手の平を見る倉橋。
練習で豆の潰れた痕や真っ赤に腫れた様子にそれ以上は何も言わず立ち去る。

その後も倉橋は今回の谷口がとった言動を頭の中で考え続ける。
そもそもイガラシの毎日200球という数もちょっとやりすぎの数字だった。
最初に谷口が
「300球」
なんていうものだから、間をとって200球という事になったが、もし最初から
「200球」
と言われていたら、自分は反対していたという。
だが、今のところイガラシはその練習について来ているから自分も認めざるをえない。
倉橋は飄々とした顔をしながらも、みんなを巻き込んでやる気にさせていく谷口を、
「本当に恐ろしい奴だ」
と考える。

倉橋に神社での練習を見られたのか心配する丸井は廊下で井口とバッタリ。
井口の利き手を見るととってもキレーな手。
「あい変わらず“軟式の手”をしてやがんな」
さらに爪はヤスリで削るよう指示して立ち去ろうとするが、井口がどうしても自分に一所懸命になってくれるのか尋ねる。
丸井の答えは
「谷口さんの気持ちを汲んでるだけ」
その言葉に自分ももうちょっと真剣にならないとマズイかもと感じた井口は放課後、井口は谷口に手を見せてくれと頼む。
バッティングピッチャーとブルペンでの投げ込みで、毎日400球以上投げている谷口の手の迫力に井口は驚愕。
そんな井口に谷口は今日からバッティングピッチャーを半分やってくれないかと言い出す。

ここで第5話が終了します。

感想

まずは加藤の利き手が変わっていたのはミスなのか、今回は右利きでいくのか、ちょっと気になるところです。さて、前回あまりにあっさり「ピッチャー井口」を諦めた谷口に、実は不安を覚えていた倉橋。
ところが自分の不安とは裏腹に周囲はむしろ谷口が希望した通りの方向へ励んでいるように見えます。
イガラシは1日200球なんて厳しい練習について来ているし、見捨てられたはずの井口は丸井によって毎日こちらも投げ込みをしている。
倉橋はけっして甘い男ではないし、むしろ野球に打ち込む姿勢や厳しさは谷口と同等。
そんな倉橋すらも恐れる谷口の才能というんでしょうか。
元々谷口はナインの反発があっても自ら率先して頑張る姿を見せる事で、みんなのやる気を起こさせて引っ張っていくタイプでしたが、いつもの背中で引っ張る姿が直球ならば、今回は変化球投げたのかなって感じもします。
経緯はどうあれ結果としてそれぞれのやる気に火をつけた谷口の才能を認めつつも、どこか素直に認めきれないのは倉橋の性格なのかもしれませんねw

そしてピッチャー失格にされながらもどこか呑気だった井口にも変化が。
丸井との練習も井口自身にやる気があるわけではなく、丸井に言われてしょうがなく付き合わされている感じでしたが、ようやく本人の中でこのままではダメかもという自覚が芽生えた感じです。
そこへ再び谷口からチャンスのお言葉。
次回から気持ちを入れ替えた(はずの)井口が何を考えてどんなピッチングを見せるのかも非常に楽しみです。

また、今回はちばあきお先生のお兄さんであり、これまた超有名な漫画家ちばてつや先生のインタビューも掲載されています。
あきお先生とのエピソードや今の想いなど、ファンとしても様々な思いを抱かずにはいられない内容でした。

関連リンク

・第1話「第3の投手の巻」
・第2話「意見の違いの巻」
・第3話「丸井対井口の巻」
・第4話「ピッチャー、クビの巻」
・第5話「手の巻」
「プレイボール2」「キャプテン2」感想ページ

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