発表から発売まで色々騒がれた本作。携帯機で発売された事でどのような変化があっただろうか?

ゲーム内容

主人公は世界を見守る守護天使の一人。
師匠であるイザヤールから担当区域であるウォルロ村を任され、この村の守護天使として人々を見守る事になったのもつかの間。星のオーラを捧げる事によって世界樹が光り出し、天の箱舟を呼び寄せたと思ったその時、悪しきオーラによって箱舟は破壊され、主人公は地上に落とされてしまう。
気がつくと自分の担当であるウォルロ村で宿屋を営むリッカという少女に助けられており、守護天使の証でもある頭の輪っかと背中の翼はなくなっていた……。
ここから物語はスタート。
なんと本作の主人公は人間ではなく天使。本来は人間には姿が見えないものの、輪っかと翼をなくした事で人間となってしまう。ガングロ妖精サンディと共に天の箱舟(汽車)を再び空へ飛ばすべく、人々を助けた際に得られる感謝の印を集めていく事となる。

主人公と仲間キャラ3人はキャラメイキングによって作成。性別・顔・目・髪型・身長といったパーツを組み合わせて自分だけのキャラを作る事が可能。ゲーム中も装備品によって外見が変化するようになっている。

1.シリーズ初の試み
まず、ゲームを起動すると画面には新しくなったオープニング曲と共にアニメが流れる。アニメシーンはゲーム中でも挿入される事がありシリーズでは初の試みではある。7作目でシリーズでは初めてCGムービーが挿入された際には、そのあまりの酷さ…もといインパクトに数日は悪夢にうなされたユーザーもいるだろうが、今回アニメシーンはそんな事はないので安心して欲しい。ただ、やはり「ドラクエらしくない」と思う人はいるかもしれない。

Wi-Fi接続により貴重なアイテムが購入できるロクサーヌの店を利用したり、追加クエストや歴代シリーズのキャラが現れるといった要素もある。そして、今作最大の特徴はすれちがい通信による地図の入手である。
この地図を使えば世界のどこかに現れる、ランダム生成される新しいダンジョンに入る事ができ、最深部にいるボスを倒せばアイテムが入手できるようになる。中には歴代のラスボスが登場する地図もあり、ファンにはたまらない要素となっている。

2.ゲームの流れ
ゲーム展開はいつものドラクエである。行く先々でイベントをクリアしていき、最後のボスまでたどり着く。そこに今作では人々から「クエスト」を受けられるようになった。直接クリアには関係のないものが多いが、中には上級職に転職するためのクエストもある。

経験値取得によるレベルアップ要素もこれまで通り。そこに同じくレベルアップ時に取得できるスキルポイントを使って、各武器やスキルに振り分ける事によりステータスアップや新しい特技などを覚える点は前作と同じだ。ただし、前作で覚えられるスキルはキャラクターごとに固定だったのに対し、今作では職業によって覚えられるスキルが異なる。

戦闘はいつものコマンド方式であるが、これまでのランダムエンカウント方式からシンボルエンカウント方式へと変更。フィールド上にいるモンスターと接触すると戦闘に突入する。前作のようにプレイヤーキャラと敵キャラの動きがみられるが、お互いに一列に並ぶのではなく、各々のキャラが好き好きに動きながらコマンドが実行される。
さらに攻撃時も攻撃対象まできちんと走って行くようにもなった。
ただまぁ、前作同様テンポは悪い。
また、同じ敵キャラに味方キャラが連続して通常攻撃を行う事でコンボが入りダメージがプラスされる。
さらにランダムで必殺チャージが貯まると、より強力な技を1回だけ使用できる。

3.古くからのドラクエファン向け
地図のダンジョン内では歴代ボスも登場すると書いたが、当然彼らとの戦闘では各作品で流れたBGMが演奏される。
また、地図のダンジョン内は3作目の洞窟の曲が、船は4作目の船の曲が流れる。
船は使い回し感がちょっとするが、それ以外で当時の曲が流れるのは何とも嬉しいファンサービス。
歴代大魔王との熱き戦いが今作1本に詰まっているだけでも興奮モノではないだろうか。

これまで多くのシリーズモノを見ても、ナンバリングタイトルが性能の落ちるハードで発売されたという例はない。
ここまで順調にドラクエシリーズをこなしてきた人の中には、今さら携帯ゲーム機のDSでなんて遊べるかと思う人がいても不思議ではない。
しかし、こういったハードの選択もある意味ドラクエらしいのではないだろうか。

おそらくキャラメイキングとやり込みが好きな人ならハマれる。
ドラクエシリーズなら3作目や6作目が好きなユーザーさんなら楽しめるだろう。
反対に4作目や5作目・8作目のように仲間キャラに個性がないと面白くないという人だと苦しいかも?
そういう点ではファミコン世代の人には喜ばれそうな内容とも言える。
プレイヤーキャラの4人は7作目やリメイク版であった会話システムはないので、ある程度ユーザーの想像力も必要となる。
現在は廉価版も出ているので、まだプレイしていない人はお試し感覚でプレイしてみるのもアリです。

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