ドラゴンクエストシリーズ8作目。完全3Dとなった事で発表当初は多少の批判もあったようだが?
怪物(?)の姿をした自称「王様」であるトロデと、そのトロデが姫と呼ぶ馬。そして、トロデの部下として一緒にいるのが主人公である。ここに道中知り合った主人公を「アニキ」と慕う元盗賊のヤンガスを加えた一行が、トラペッタの町へと寄るあたりからゲームスタート。一行が「ドルマゲス」という人物を追っている事もここで明かされる。
「ドラクエの世界が3Dになった」
この言葉がピッタリ合うのは今作。町もフィールドもダンジョンも全部3Dとなっているが、○ボタンでメニューウィンドウを開く点や、各コマンドを選んだ際の開く速さからSEまでいつものドラクエ。
PS2というハード性能の制約から、フィールドがぶつ切りにされているRPGが多かったが、今作では見渡せる場所へは全て行けるように作られており世界が広く感じられる。フィールド上には一定の場所にモンスターがおり、彼らを倒すと仲間に加える事が可能となっている。このモンスター達は戦闘時やモンスター同士を戦わせるバトルロードで戦わせる事ができる。ただし、同種のモンスターよりも強いので倒すにはそれなりのレベルが必要。なお、通常戦闘は前作までと同じくランダムエンカウント式である。
戦闘画面ではこれまで敵しか表示されなかったものから、主人公達とモンスター両方が対面するファイナルファンタジーシリーズのような戦闘画面へと変化。行動する際にも前作までのメッセージのみから、きちんとキャラクター達がアクションしてくれるようになった。ただし、戦闘でのアニメーションはON/OFF切り替えができず、またスキップもできないため、テンポは前作よりも大幅に損なわれてしまっている。
キャラクターのレベルアップはこれまで通り戦闘終了時に得られる経験値を一定値貯める事で行われる。これとは別に今作からはレベルアップ時に「スキルポイント」と呼ばれるポイントを取得する。このポイントをキャラごとに設定された「剣」「斧」「杖」「ムチ」「ゆうき」などの項目に振り分ける事で、それぞれの種類に応じた特技や魔法の取得、ステータスアップが行われるようになった。このスキル項目はキャラクターごとに固定のため、6作目以降で見られた転職によって個性が失われるといった事はない。
音楽は相変わらずいい曲が揃っている。私のお気に入りはフィールド曲と塔の曲。特に塔で流れる曲はなんとも言えない雰囲気があるね。ゲーム後半ライドンの塔で久々に聴いた時には、「もうすぐこの冒険も終わりかなぁ」なんて感慨に耽ってしまった。もっともこの後まだまだ物語は続いたわけだが……。
『フル3Dになったのにボイス演出がない』
『主人公が一切喋らないのは不自然』
『主人公のリアクションや表情の変化のせいで感情移入できない』
『戦闘画面がドラクエらしくない。FFみたい』
確かに3Dになった事で不自然な部分も出たし、テンポが悪くなった部分も当然ある。けど、じゃあこのソフトは何だ? と聞かれればやはり「ドラクエ」だと言える。3Dになってもドラクエはドラクエ。これを知らしめた今作の成果は非常に大きいものだったのではないだろうか。
最後の一つだけ。
今作でも5作目同様にクリア後の隠しダンジョンが登場するのだが、主人公についての重要な話がここで初めて明かされるようになっている。う~ん……。こういうのって本編で語るべきじゃないのかな?
[amazonjs asin=”B000FO2AC2″ locale=”JP” title=”アルティメット ヒッツ ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君”][amazonjs asin=”B00XKH27ZG” locale=”JP” title=”ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君 – 3DS”]