「キャプテン2」第108話感想

第108話「ツッパリがやってきたの巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!

浪国戦。
1回表、浪国打線に対して圧巻のピッチングを見せる墨谷の先発イガラシ。
二者連続三振にとったあとの3番カドバンとの初対決は、三者連続三振を避けようとしたカドバンのバッティングによってセンター前へのポテンヒットとなったものの、イガラシとカドバンの中での勝敗は結果とは真逆の思いだった。
あと一歩届かなかったセカンド丸井が
「ちくしょ。捕れたのに…。悪いなイガラシ」
と、謝るがイガラシの中では、
（いや「勝ち」だ…。完全に勝った）
（今のはどう考えてもおれの勝ちだ）
と、勝利を確信。
井口も今のは完全に空振りのはずだったが、イガラシのボールがカドバンのバットの上を行っていたところを、カドバンが直前でグリップを上げたとし、
（あんなことができるんだ……）
と、驚きの様子。

カドバンとの勝負。
イガラシは完全に”力の勝負”に行ったと分析する谷口。
イガラシは宿舎でカドバンの映像を見て、イメージトレーニングに徹していた。
その中で攻略法を色々考えていたかもしれないが、1打席目はあえて力勝負に行ったと語る半田。
そこにイガラシのものすごい意地を感じるという。

2アウト1塁。
打席には4番本山。
今大会8の2という成績の本山。
（イマイチ打率は上がってないが……このバッターも”プロ注目”なんだ。デカイのはある）
（しかし幸いカドバンは足が遅いから盗塁の心配はしなくていい）
（ここはこのバッターで終わりにする）
そう考えながらの初球は外角へのボール球。
（ヒットを打たれたんでここはさすがにボールから入ってきたな）
（そして直に見ると確かに速い。体が小さいから妙な迫力も感じる）
イガラシの球を見た本山の感想。
2球目。
（よし！　これは振る！）
と、決めて振った本山のバットが空を切る。
（うへ。ボールの下を振っちまった）
1ストライク1ボールとなり、井口はカーブを要求するが、イガラシは追い込んでから変化球を使いたいと拒否。
ストレート勝負でコースを考える井口。
その時、イガラシの目にネクストバッターズサークルでニヤついた顔の縞馬が目に入った。
（次打者エースの縞馬。何かニヤついているような……）
一旦プレートから足を外して縞馬を見る。
途端に縞馬の表情がキリっと締まる。
（気のせいか？）
若干気にしながらの3球目は内角に抜けてボール。
（いけね。縞馬に気を取られた）
そして再び縞馬をチラっと見るイガラシ。
ニタっと笑う縞馬。
（笑ってる！　やっぱ笑ってるよ！）
そんなイガラシの様子に井口が気付き、視線の先にいる縞馬を見る。
（うすら笑いしている…）
と、思ったら途端にキリッと引き締まる縞馬の表情。
（いや笑ってない？）
（顔芸してるのかよ？）
動揺する井口とイガラシだが、
（気にするな。じゃあ外角のストレート）
と、井口がサインを出す。
4球目。
投げる瞬間に縞馬のニタ～という表情が目に飛び込んだイガラシ。
ボールが中へ入ってしまい、
「甘い！」
本山がそれを打ち返す。
打球はショート頭上を超えるレフト前ヒット。
（ちょっとだけ甘いとこに来たからショートの頭を越えて行った。しかししびれたぞ…）
1塁ベース上で両手の痺れを感じる本山。
カドバン、本山と完全に打ち取っているのに2連打となったイガラシ。
（信州学園戦もそうだった！）
イヤな記憶が蘇る。

そして5番縞馬が打席に向かう。
半田の調べだと浪国は3番の角、4番の本山、5番の縞馬が超高校級で、この縞馬も今大会ホームランを1本打っているという。
打席に向かう最中もその表情は笑っており、妙に遅い。
その様子に
（なんか…チャランポランとしてねぇか？）
と感じるイガラシ。
「ウイッス」
ようやく打席に入って片手でバットを振り回す縞馬。
思わず井口に当たりそうになっても、
「おっとワリイ」
「気ィつけてや」
と、ギンとした視線を向けてくる。
その目に井口も
（ウッ！　ツッパリの目ーー！）
と硬直。
井口は試合開始の挨拶で帽子を取った時に、縞馬にソリが入っているのを見ていた。
彼の仕草や動きがどことなく不良っぽいのだという。

マウンド上のイガラシは縞馬が今大会で打った1本のホームランについて考えていた。
1回戦。
2点負けていた9回表。
2アウトランナー1塁という負ける直前の場面で縞馬は同点2ランを放った。
その後、延長にもつれ込んだ末、浪国が勝利している。
（バッターとしてもただ者じゃないんだ）
（どっちにしても運動神経のバケモノ。何をやらせてもうまい人種）
（おれ達一般人相手には余裕なんだ。そういう顔をしている）
イガラシに信州学園戦での恐怖が蘇る。
（信州学園戦のことを考えると正直怖い…）
（でもこの恐怖に打ち勝たなくては）
すると審判からハリーアップの声。
（しまった！）
（早く投げなくちゃ！）
焦ったイガラシの初球。
「あら甘い！」
縞馬が思わず声を出すようなスピードもない球。
「ほれ」
と、縞馬が打ち返す。
打球はライト方向へ大きく伸び、フェンス直撃となったが50センチ外れてファール。

戻って来た縞馬にバットを渡す井口。
だが、
「他人にバット渡す時はグリップエンドの方から渡してくれや」
と、忠告してきた縞馬に思わず謝ってしまう。
が、
（ん…）
（よく考えりゃそんなのどっちでもいいだろ）
（―てかフツーは「ありがとう」だろー）
（妙に威圧しやがって）
と、動揺する井口。
2球目もいい振りでファールにされる。
そのスイングの迫力はカドバンに劣らない。
審判がボールボーイにボールを要求している間、縞馬が井口に話しかけてくる。
「おい。オマエんとこのピッチャー大丈夫か？」
「まだまだ1回なのにハァハァ言っとるで」
確かにマウンド上のイガラシは汗びっしょりで息を切らせていた。
「汗びっしょりや…体力ないの？」
「モクのやりすぎじゃないの？　やり過ぎはイカンよ～♨　体力を奪う」
馬鹿にしたような縞馬の発言に思わず
「なんだと？」
と、声をあげる井口。
「「なんだと？」」
「おれに向かって？」
「オマエ2年だよな」
縞馬の迫力に井口は声を詰まらせてしまう。
そして試合再開。
（コイツ頭キタッ！）
（次はストレートで外す！　それも内角だ！）
（当てる位のヤツ来い！）
（のけぞらせるんだ！）
縞馬の挑発かつ威圧的な態度に怒り心頭の井口。
内角高めを要求。
（む。追い込んだからな）
サイン通りにイガラシが3球目を投げる。
しかし、
（え！　外れてはいるが若干甘い！）
と、井口が慌てるそのストレート。
「あ！　打てそ」
と、縞馬が見事に打ち返す。
「しまった！」
「やられた！」
イガラシと井口が声をあげる。
打球は左中間へ大きく伸びていく。
センター島田とレフト片瀬が懸命に追いかけるが打球はどんどん伸びる。

ここで第108話が終了となります。

序盤はイガラシが圧倒するのかなぁと思っていたのですが、カドバンだけではなく本山も縞馬も相当厄介な相手ですね。
特に縞馬は色んな意味で怖いなと感じましたｗ
イガラシは信州学園戦思い出して若干圧されているし、井口も挑発に乗って頭に血が上っているので心配です。

次回は、
いよいよ縞馬がマウンドへ！
『見たことがないボール』の巻

今のところ縞馬に呑み込まれてしまっている感がありますが、やはりピッチングでも墨谷を振り回してくるんでしょうか。
イヤなタイプの相手ですねぇ……。

・第104話「サヨナラ投手の巻」
・第105話「自信をなくした男の巻」
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