第3話「丁寧か?雑か?の巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!
新聞社内。
新聞記者の三原は上司から墨谷二中の合宿の取材をしたのか問われるが、
「今年の墨二はイマイチ」
「キャプテンにムラッ気があって…」
と、取材の価値なしと否定的。
春の選抜ベスト8のチームではあるが、墨二に成長は望めないという。
それでも取材へ行くよう指示されて、カメラマンと一緒に車を走らせる。
その道中、墨二は春の選抜で富戸中にひどい負け方をしたと話し、
「近藤クンは「野球の才能」はあっても「キャプテンの才能」は怪しいんだよね」
とぼやくのだった。
墨二のグラウンドへやって来た三原達を近藤が出迎え、今日が合宿最終日だという。
春に比べてずいぶん部員が減った様子に、
「やっぱ厳しい練習について行けなくて…?」
と問われた近藤は、元々全員が残るのは不可能だったと答え、それでもたとえ3年間ベンチに入れなかったとしても、1人でも多くの部員に残ってもらいたかったと話す。
何事も続けることに価値があるのではないかと。
そんな近藤の姿に三原達は以前と比べて言う事が変わったと感じる。
そして、墨二の練習風景をチェック。
守備練習は4人のノッカーで行われ、内野2人に外野2人。
これが全部連動していると話す近藤。
ノッカーがサードへ打ち、捕球したサードがファーストへ送球。
次の瞬間サードはセカンドに向かってダッシュ。
すると今度は反対側のノッカーがセカンドに向かって打つ。
それをダッシュしたサードが滑り込んで捕球。
次にまた逆側のもう1人のノッカーがショートへと打つ。
処理したショートはファーストへとダッシュ。
反対側のノッカーがファーストへと打つので、先ほどと同じ要領でダッシュしたショートがそれを捕球する。
セカンドはサードへ。
ファーストはショートへ。
この方式で全員が受けては走るという流れを繰り返す。
外野も同様の流れである。
今までの列に並んでの順番なノックではボ~っと突っ立ってるだけの時間があったわけだが、今の練習はその時間が短くなり、その分練習自体はキツくなった。
常にグラウンド中を打球と送球と人間が交差し、ボールが人間に当たらないのかと問われた近藤は、
「コンセントレーション」
と答える。
全員が集中力を上げて練習しているからボールに当たらないのだという。
そして集中力が上がっている分、全員のグラブさばきもすごく丁寧になっていると思わないかと三原たちに逆に問いかける。
三原たちは確かにこれだけボールと人間が飛び交っているのにひとつひとつが雑ではないと実感。
「どうだす? 春に比べたらウチも少しは成長したでしょ」
得意気に話す近藤の頭には今野の教えが浮かんでいた。
今野が通っているコクガクイン大は”上の”硬式野球部は腐っても東都大学リーグに属しており、そのおこぼれというわけではないが軟式同好会にも名門野球部出身が混ざっていて甲子園経験者もいるらしい。
野球がうまい奴になればなるほど軟球のイージーゴロでもさばき方がおそろしく丁寧になり、
「『うまい』か『下手』かじゃないんだ。『丁寧』か『雑』なんだよね」
なのだとその選手は話したのだとか。
1球に集中して丁寧に行けばイレギュラーにも対応でき、体にボールを当てることが少なくなる。
結果、ケガも少なくなるのだと。
1週間の合宿でケガ人はなんと0だったという。
続けて全体ノックを開始。
こちらも2人のノッカーで回る忙しい練習風景だが、練習自体はあっさり終了。
「もう終わり?」
と驚く三原達に近藤は全体はこんなもんでいいのだと話す。
朝練もやってるが放課後練習は4時~6時までの2時間らしい。
さらに合宿最終日ということで特別に最後のベースランニングは免除だとも。
全体ノックの短さに加えてベースランニングもしない事にただただ驚く三原達。
近藤に言わせればその分ノックを多くやったらしく、個別のノックを効率的にやることによって全員に少しでも多くボールをさばく訓練をさせる。
バッティング練習も同様で、全員が1球でも多くボールを触る練習にシフトしたとのこと。
「我々は”野球部”ですさかい。そっちの方が楽しいやないでっか」
と話す近藤。
実技の中にダッシュを組み込んで複数ポジションの打球処理をする。
密度の濃い練習だから練習時間が短くても問題なく、これ以上ダラダラ長くやっても集中力が続かないという。
「さああとはウチに帰って勉強! 勉強っとッ!」
合宿を終えて自宅へと帰って行く墨二野球部を見送る三原は、
「このやり方で全国大会を勝ち抜けるか知らんが…」
「近藤キャプテンは…人間的に成長したようだ…」
と、今回の取材で近藤の成長を感じた。
そして誰もいなくなった墨二グラウンドの前で足を止める相木と今野。
「”文武両道”--かな?」
「ふふ……茂一クンやってるな……」
2人がじっとグラウンドを見つめる場面で第3話が終了となります。
これまた最初から懐かしい記者とカメラマンの登場。
読者である我々にとって『キャプテン』から非常に長い年月が過ぎたけど、『キャプテン2』の世界はあくまで前作の直後なのだと不思議な気分にさせられました。
相木や今野のアドバイスに従い、練習内容を大きく変えた近藤。
根が素直な性格なのか、目上の人間からのアドバイスを受け入れる事に抵抗はないようで、むしろあのアドバイスからよく色々考えたなと思わされます。
三原達に人間的な成長を認めさせたあたり、近藤にとって相木や今野との出会いは大きかったようですね。
さて打撃と守備の強化を進めた墨二が次回ではいよいよ投手力の整備にとりかかるようです。
『墨二のエースは誰だ? の巻』
とありますが、現在墨二で投手って近藤以外だとJOYと田中になるんですかね。
どうなるのか気になるところです。
・第1話「レガシーを作れ!の巻」
・第2話「コンセントレーションの巻」
・第3話「丁寧か?雑か?の巻」
・第4話「親父と息子の巻」
・第5話「強打者・近藤!の巻」
「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ
近藤君はまわりに恵まれてますよね。丸井とイガラシの2人のキャプテンに鍛えられ、後輩にイガラシの弟の慎二がいて、お父さんは元ノンプロ。そして相木と今野という2人のアドバイザー。元々才能に恵まれた近藤が素直に他人の意見に耳を傾けるようになるとこれは凄いことになりますよね^_^夏の大会は大いに期待できますね!個人的な願望としては富戸中にリベンジはもちろんですが、名門青葉に復活して欲しいです。やはり墨谷の最大のライバルは青葉。もう一度墨谷対青葉の死闘が見たいなぁ。
近藤は出会いに恵まれていますよねぇ。
ここまでは周囲のアドバイスから影響を受け、この先は近藤自身が考えて試練を乗り越えていくのかなぁと感じます。
青葉との試合もぜひとも見てみたいところです。
今の青葉がどのようなチームになっているのかもとても気になります!
相木や今野ももちろんですが何より才能に頼っていたところで丸井やイガラシと出会ってメンタルやチームワークを鍛えられたからこその素直さだと言えますね
まあ丸井の場合は体罰がおもでしたけど
そういえば入部した頃の近藤は新入生離れした能力に自惚れていましたねぇ。
ここまでしっかりした練習スケジュールを立てられるようになったあたり、丸井やイガラシキャプテン時代の経験が活きているのだと思うとこっちまで嬉しくなってしまいますw