第9話「差し入れの巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!
田所がパック牛乳の差し入れを持ってグラウンドを訪れる。
丁度練習で喉が渇いていた墨谷ナインは美味しそうに飲むが、
「あとでバテる」
と口をつける程度にしとくよう倉橋が注意。
だが、谷口が渇きすぎも科学的に良くないと諭す。
土・日の練習試合のスコアノートを確認する田所。
2日で5試合なんて無茶なスケジュールは弱い学校じゃないと成立せず、強い学校はわざわざ来てくれないと話す谷口と田所。
谷口はもっと外に出て色々な学校と地方遠征もしたいと話す。
が、ナインからは
「東京の自分達が地方の学校とやる必要があるのか」
「全国大会に出るわけじゃないのに」
との声があがり、谷口は複雑な表情を浮かべる。
その表情から谷口の気持ちを察した田所が、谷口は視野を広げる重要性を言っているのだとフォロー。
続けて谷口が、都内の強豪私立は地方遠征を繰り返す事で揉まれて経験値を上げているがウチは揉まれていないと、都内の中でも不利な状態である事をみんなに話す。
かと言って地方遠征にはお金がかかる。
だったら向こうから来てもらおうにも、貧乏都立のネットも張られていないようなグラウンドにどこが来てくれるというのか。
この状況に危機感を抱く谷口は、
「こうなったら経験値を凌駕するほどの猛練習をするしかない」
という結論を口にし、ナインを震え上がらせるのだった。
そんな中、1人グラウンドを走り続ける井口に田所が牛乳パックを持って行く。
罰で走らされている事や、練習試合(第8話)で竹製バットではなく木製バットを使った事も知っていた田所。
だが、それは井口にピッチャーの練習をさせているって事ではないのかと話す。
井口はピッチャー組に入ってないからピッチャーのカリキュラムもやってない。
それは走り込みであり、時間をかけてやらないとどうにもならないことだという。
谷口や倉橋は井口に投げさせるタイミングを計っているのだと話すが、井口は期待に添えるようにがんばるとは口にしたものの、イガラシのように毎日走らされるのはイヤだなと考える。
その後、田所は谷口を自分の車まで呼ぶと、OBからの寄付だと言って金属バットを1本渡す。
あくまで練習試合は竹バットで通したいと言う谷口に、金属を使っている相手に失礼なことや金属バットでの練習も必要だと説明する田所だが、谷口は頑なに金属バットは公式戦で初めて持てばいいと譲らない。
そんな谷口に
「野球をやる本来的な楽しさを忘れている」
と田所も折れない。
「野球をやる喜び」や「達成感」を感じながらやらないと上手くなるものもならないと。
しかし谷口はそんな小さな喜びはいらない。
達成感は甲子園出場が決まった瞬間に感じばいいと反論。
谷口がそういう男だったと思い出した田所はそれ以上の説得は諦めて帰って行く。
田所にしてみれば、甲子園を目指すような選手や学校と墨高とでは様々な面で違い過ぎるし、行けるわけない甲子園よりも、せめて練習試合を楽しんで欲しいという気持ちがあったようです。
練習中、部長が現れて師岡学園から今週の日曜日に練習試合申込の電話があったと知らされる。
元々は大阪から浪国、そして東実も招待しての3校での試合が組まれていたそうだが、東実がダブルブッキングで名古屋遠征から戻れない事から代わりとして墨高に声がかかったらしい。
師岡も浪国も甲子園へ出る学校という事もあり、谷口はすぐにOKの返事をして欲しいと部長に伝えた。
日曜日。
師岡学園のグラウンドへやって来ると、ちょうど師岡と浪国の練習試合が終わったところ。
スコアは10対3で浪国の勝利。
師岡学園も墨高から見れば相当強い相手なのに、その師岡を大差で下した浪岡の強さに緊張が走る。
そして予定の1時になり練習試合開始。
近くで見る浪国高校ナインの体格の良さに驚く墨高ナイン。
浪国の先発左腕の速球にも驚く中、先頭打者の丸井がバッターボックスへと入る。
浪国の投手は丸井が木製バットを持って入ってきたのかと考えるが、そばで見ている捕手はそれが木ではなく竹ではないのかと考える。
ここで第9話が終了となります。
田所さんが差し入れ持って野球部を訪れるという、過去にも何度か見慣れた場面でスタート。
谷口から「科学」という言葉が漏れた事に驚きました(笑)。
そしてついに「甲子園」という言葉も出ましたね。
2年生の時にも1度だけそれを匂わせる事は言ってますが、「甲子園」とはっきり言ったのは今回が初めてじゃないかな。
ただ、そのためには環境から集まる選手まで強豪校とは違い過ぎる墨高の環境と、それを補う手段も限られている事に対しての谷口のもどかしさが伝わってきます。
そんな谷口の焦りが見てとれたのか、田所は差し入れに持って来た金属バットを渡して谷口を説得。
「練習試合くらいは楽しんで欲しい」
という思いが根本にある田所と、
「勝たないと満足できない」
谷口。
かつて東実戦前に言い合い(というよりは田所が一方的に怒った形だけど)した時を思い出させます。
谷口の頑固さは田所もイヤというほどわかっているでしょうし、結果も当然わかってはいたんでしょうけどね。
そして東実!
プレイボールにおける「キャプテンでの青葉学院」のようなライバル校です。
そのうちどこかでぶつかる事にはなるんでしょうけど、青葉から東実に入った佐野がどれだけ成長しているのか想像するのも楽しみの1つですね。
・第5話「手の巻」
・第6話「バッティングピッチャーの巻」
・第7話「土曜日と日曜日の巻」
・第8話「スイートスポットの違いの巻」
・第9話「差し入れの巻」
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