じごく王の命令によって再び暴れ始めたオニたちを退治すべく桃太郎が仲間と冒険するRPG。
システムとしては俗にいう「ドラクエタイプ」のRPGですが、おとぎ話「桃太郎」を題材に今作でも序盤から全力でプレイヤーを脱力させる仕掛けが襲いかかります。
「初っ端から飛ばしてるなー」
と感じますよ、きっと。
こういう「らしさ」全開のパワーアップは望むところです。
同じ舞台でも変化のあるマップ
冒険の舞台となるのは前作と同じだが、その地形などは大きく変化しており、また前作にはなかった村やダンジョンなども増えています。
同じだけど新鮮さを感じるマップって結構すごいなと思います。
仲間たちと冒険
前作ではイヌ、キジ、サルのお供と共に冒険した桃太郎ですが、今作ではさらに金太郎や浦島たちが仲間となるPT制を導入。
操作キャラではないものの思いがけないキャラまで仲間になったりします。
みんながズラリと並んで歩く様は壮観!
そういえば当時ハドソンが配布していた宣伝用ビデオでも、この行列を率いて歩く様子がアピールされていました。
当時は
「こんなたくさんの仲間の戦闘コマンドどうやって入力するんだろ」
と悩んだものですが、あくまでも確率で行動するNPC扱いなんですね。
仙人から術を教えてもらう
各地にいる仙人から与えられる修行をクリアすると「術」を教えてもらえる点も前作と同じ。
修行内容も前作同様に様々なお題が用意されています。
※術について
今作では使用する事によって効果を発揮する術はもちろん、仙人から教わった時点で効果が永続する術も存在。
「病気にかからない」
「~~」
など、どれも旅を続ける上で大助かりなものばかりなだけに、できるだけ仙人の庵を回り忘れるのは避けたいところです。
まぁ中にはその状況でクリアが面倒な修行なんかもあるので、すぐに必要なさそうな術は飛ばして進みましたけど。
演出の凝ったダンジョン
前作『ターボ』では
「ダンジョンの構造が単純」
だと書きましたが、構造や仕掛けに関しては今作でも単純ですが演出面で色々凝っています。
前作同様のランダムエンカウントのターン制コマンドバトルですが、前作が1対1の戦いだったのに対して今作では複数対複数の戦いへと進化。
それぞれの行動を予測した戦略が必要となります。
また、実際に計算したわけではないですが、お供(イヌ、キジ、サル)が戦闘へ介入してくる確率が前作よりも大幅に上がった気がします。
前作では
「動いてくれれば儲けもの」
程度に考えていた彼らが、今作ではとても頼もしく思えますよ。
※バランス面について
エンカウント率が異様に高いことや、お地蔵さんが教えてくれる段(レベル)でも雑魚戦に苦労するなど、前作よりも難易度は確実に上がっています。
きっちりその時点で手に入る最高の装備品を整え、回復アイテムなども準備しつつ、一気に目的地攻略を目指すのではなく、探索しながら進めるっていうのが今作では重要かもしれません。
エンカウント率が高い
「昔のRPGだから」
ってのを考えても今作のエンカウント率は異様に高いです。
人によってはかなりのストレスになると思います。
覚悟して挑んで下さい。
適正レベル(段)以上じゃないとかったるい戦闘
各地のお地蔵さんが
「この先へ進むには~~段あった方がいい」
と教えてくれますが、その段に達していないとやたら敵からの不意打ちを受けるし、こちらの攻撃はかわされまくります。
そりゃアドバイスくれているのにそれより弱けりゃ当然だろとも思いますが、あの『コズミックファンアジー3』並に攻撃かわされる(あっちは攻撃ミス)ので、とにかくゲーム自体のテンポが悪い上にストレスたまりまくりでした。
一部のいやらしい敵
前作同様にこちらのアイテムやお金を盗む敵が出現。
一部の地域に集中しているのでそこさえ乗り切れば大した被害はないのですが、今作はとにかくエンカウント率が高いので連続して盗まれるとストレス溜まります。
やはり便利すぎる「ふゆうの術」
一定時間空中に浮かぶ事ができる「ふゆうの術」を使えば、ダメージを受ける毒の沼地だけではなく、ダンジョンの落とし穴もあっさり素通りできてしまいます。
演出やボリューム、PT制導入など、基本システムは前作同様にRPG初心者でも親しみやすい作りながら、全てにおいて『ターボ』からパワーアップしてるなっていう印象。
独自の世界観を保ちつつ、今作ならではの意外性もあったりと飽きさせない工夫がそこいらじゅうに施されています。
だけど、戦闘に関しては前作『ターボ』と比べて序盤からきついうえに、エンカウント率の高さや、一定の強さに達していないとふいうちと攻撃かわしの連続など、バランス面でもテンポ面でも前作の方が気持ち良く遊べた気がしました。
特にエンカウント率の高さはきつかったです。
これからプレイされるという方はその点だけは注意した方がいいですね。
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