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MSX2版「ワンダラーズ・フロム・イース」の感想です。

ゲーム内容

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人気アクションRPG「イース」シリーズ3作目のMSX2版です。

サイドビューによってアクション性が増した事と、多重スクロール演出など、
「MSX2では厳しいのでは」
と言われていましたが無事に移植されました。

その代わりに本作発売時には増えていたFM音源には非対応となっており、また画面スクロールもかなりもっさりしてしまったため、高速スクロールを実現して快適だった前作と比較して厳しい評価をつける人も多い移植でした。
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ゲーム内容やバランスはオリジナルであるPC88版そのまま。

上でも書きましたが、売りの多重スクロールもそのまま再現しちゃったせいで全体の動作が非常に重いです。
他のゲームで言えばずっと水中移動しているような操作感覚です。
他機種版をプレイした後だとかなり厳しく感じますね。

気になった点

処理の重さ
PC88版ではクロック周波数によって処理の簡略化などがされていたが、MSX2版ではそういった配慮がないため全体を通して動作が重いです。
多重スクロールはウリでもあるけどテンポを損ねるくらいならいっそFC版みたいになくしてもよかった気がします。
またセーブにかかる時間も前作より長めです。
読み込みの多さ
他機種版では読み込まない場所でも読み込みが入る。
そんな頻繁にエリア移動するわけでもないのでそれ自体は特に問題ないのだが、その度にBGMが一旦途切れてまた最初から再生されるのが気になった。
まぁこれはMSXの仕様上しょうがないようですが。
ディスク入れ替え
レドモントの街へ戻る度にシナリオディスクへのディスク入れ替えが発生。
これも頻度を考えたら気にしすぎかもしれないけど、他機種版では必要なかったという部分で気になった点。
地味なんだけども面倒。

感想

MSX2で多重スクロールを再現したこだわりは大好きなんだけど、そのせいで快適さが失われてしまったのは残念。
前作が快適すぎたからこそ余計に気になります。

MSX2版「イース2」レビューでは全機種の中で一番オススメと書いたけど、本作は快適な他機種版をプレイした方がいいです。
MSX2版ならではと言えば最後の隠しスタッフロールくらいでゲーム自体に何か違いがあるわけでもないし。
当時、この差をリアルで経験したプレイヤーの意見が聞いてみたいところです。
当時は簡単に他機種版をプレイできるような環境揃った人なんて少なかっただろうし、オリジナルをMSX2に完全移植してくれただけでもやっぱり嬉しかったのかな?
「イース最新作が遊べる」
ってだけででかかっただろうしなぁ。

関連リンク

・「イース」(MSX)レビュー
・「イースII」(MSX)レビュー
・「ワンダラーズ・フロム・イース」(MSX)レビュー
ゲーム感想ページ

関連商品

2 Thoughts on “「ワンダラーズ・フロム・イース」(MSX)レビュー

  1. 匿名 on 2016年10月8日 at 3:20 AM said:

    「イース最新作が遊べる」

    まさしくこの一言に尽きます。

    発売当時16歳だった自分にとって、
    10万円以上する本体+数万円の専用ディスプレイが必要な8801シリーズと、
    4・5万円で買えてテレビで使えるMSX2の価格差は大きいものでした。

    確かに当時でも「重い」と言われていました。
    気軽に他機種で遊べる環境ではありませんでしたが、
    店頭でデモを見て比較することは出来ました。
    MSX2版が出たと聞いて喜び勇んで出かけた店頭で見たデモの、
    あの「重さ」は衝撃的で買うのを躊躇ったくらいです。
    でも最新作で遊びたい気持ちの方が勝って購入しましたが。

    いざ遊び始めてみると意外と重さは気にならず、
    それなりにのめり込んでしまいました。
    重くないPC-88版で実際に遊んだ体験が無かったせいかもしれませんが。
    多重スクロールするわけでもないのに重いMSX2版の初代イース、
    快適な速度になったイース2、
    多重スクロールの無いシーンでは更に速くなっている今作。
    「同じハードなのにプログラミング次第でこんなに速くなるものなのか!」
    と感激していたことを思い出します。

    解像度が低い替わりに色数が8801版の8色より多い16色あるので、
    画面の「色合い」、特にバレスタイン城の背景はMSX2版の方が好みでした。

    大抵の8801版からの移植作は、
    「解像度が低い」「重い」「音が貧弱」「ディスクの入れ替えが面倒」等、
    不満が多いMSX2でしたが、
    本体の価格差を考えると当時の中高生にとってMSX2は本当にありがたい存在でした。
    とはいえ、今から遊ぶのならあえてMSX2版を選ぶことは無いでしょうね。
    後年になって8801版で遊んでその快適さはやはり良いものでしたし。

    「移植してくれてありがとう」

    そんな良い思い出の詰まった作品です。

    • コメントありがとうございます。
      当時現役ユーザーだった方のご意見は大変参考になります。

      思えば私も同じような感じでして、イースを遊びたいけどPC88は高いから狙うはMSX2本体!
      でも小学生だった私にはMSX2本体も高すぎる!
      そんな感じで重さとか関係なく、「イース」が遊べるというだけでMSX2が羨ましかったのを覚えています。
      今回MSX2版の3作を全てクリアまでプレイしましたが、レビューでも書いたように特に「イース2」はPC88版よりも遊びやすかったです。
      そんな「イース2」クリア直後から「イース3」を始めたものだから、余計に重さが気になってしまった部分もあるかも?

      今でこそ複数の機種版をプレイしやすい環境があるので比較もできますが、一家に一台PCがあるかどうかという当時は、
      「遊べる」
      という事が何よりも大きかったような気がしますねー。

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