ファミコン版「イース3」の感想です。

ゲーム内容


前2作から変わって横スクロールアクションRPGとなった本作。
主人公アドル・クリスティンが「イース1」で出会ったドギの故郷であるフェルガナ地方へとやって来たものの、領主マクガイアの陰謀と魔王ガルバラン復活という企みに巻き込まれていく。

基本アクションは
「移動」
「ジャンプ」
「攻撃」
「しゃがむ」

だが、攻撃については十字キーとの組み合わせによって「上突き」「下突き」「ジャンプ斬り」「しゃがみ斬り」などもアリ。

レドモントの街を拠点とし、全体マップから行き先を選択して各ステージへと移動。
選べるステージはストーリーが進むことで増えて行く。
PC版でウリだった多重スクロールはさすがに再現されなかったものの遊びやすい仕上がりとなっている。

冒険のステージ


ティグレー採石場
最初に挑むステージのティグレー採石場。
前作までの感覚に慣れた人が甘く見ているとあっという間に連続ダメージ喰らって死ぬのが「イース3」だったりする。

イルバーンズ遺跡
遺跡から溶岩地帯まで長めのステージ。
ステージからボスまでよく再現されているかと。

エルダーム山脈
こちらもマップこそ多少違えどPC版から大きな変更点は見当たらず。

バレスタイン城
像や床から突き出す槍などPC版と同じ仕掛けが用意されている。
像なんかはPC88版よりもX68k版寄りで迫力ある。

ガルバラン島
今作のラストダンジョン。
他機種版では「鬼火の宝珠」を装備する事でスポットライト処理がなされ、アドルの周囲だけは見えるという演出で迷宮内を迷いやすくしていたが、FC版ではその処理は行われず、かわりにいくつも仕掛けられたワープを駆使して正解ルートを進まなければいけなくなっている。

気になった点

気にしちゃいけないキャラの大きさ
アドルが他機種版より小さく見えるのはまぁしょうがないとしても、そのアドルと比較した場合に巨人すぎるNPCなど、キャラのドット絵が結構適当だったりする。
特に最初レドモントの街で助けを求めている坑夫なんて、周囲のキャラと比較すれば怪物のような大きさである。

デカキャラ曲が1曲のみ
他機種版ではデカキャラ曲2種類+ラスボス曲の計3種類のボスBGMが用意されている。
ステージの中ボスで流れる「漆黒の魔獣」とステージ大ボスで流れる「死神の電撃」、そしてラスボスで流れる「最強の敵」の3種類。
だが、このFC版ではどのボスでも「死神の電撃」1曲しか用意されていない。

まさかのラスボス戦すら「死神の電撃」である。
バトル直前のラスボス演説シーンでちゃんと「最強の敵」が流れているのに、バトルが始まるといつもの中ボスBGM。
あれは萎える……。
よりにもよって最後の最後で盛り下げるなんて……。

感想

オリジナルや他機種版と比べて残念な点もあるが、ゲーム部分だけ見れば十分良い移植作に仕上がっている。
結局ファミコン版「イース」3作って、1作目以外はほんと無難な移植ができているんだよなぁと実感。
1作目もオリジナルとはかなり違う部分こそあれど、あれはあれで好きだったし。

ただ前作同様に、このFC版が発売される頃にはすでにPCE版とSFC版が発売されていたので、わざわざFC版を好んで選ぶ人なんてそれこそファンくらいしかいなかったんじゃないかなぁ?
そういう点ではFC版イースって本当に発売のタイミングに見放されていますw

あとはやっぱりラスボス曲がラスボス戦で流れない点がただただ残念。
そこさえちゃんとしていればほぼ文句のない移植だった。

でも、この時代は同じゲームの移植でもハードごとに差があって面白かった。
とくに音楽はそのハードの音源でかなり印象変わるから、聞き比べたりっていう楽しみもありましたね。

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関連リンク

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