オリジナルファンからは色々批判も多いファミコン版「イース」の感想です。
冒険家アドル・クリスティンを操作し、呪われた地エステリアを舞台に「イースの本」を集める物語。
当ブログでは今さら説明不要な日本ファルコムがPC88などで発売した人気アクションRPGのファミコン移植版となります。
イースは当時発売されていたゲーム機やPCほとんどに移植されていますが、
ファルコム自ら移植を手掛けているPC88版以外のPC移植とは違い、
CS版は他社が移植を手掛けており、また当時はハード性能の差もあった事から、それぞれにアレンジも加えられていたりしました。
今回紹介するFC版はPC88版と比べると
・全マップがほぼFC版オリジナルに変更
・オリジナルにはなかった謎解きや新キャラも登場
・一部BGM<の差し替えや新BGMを追加
・ダームの塔関連での様々な変更(町へ戻れる・一部ボス変更・ラスボス絡みの変更など)
など、かなり独自色が濃い移植となりました。
特に人気の高かったBGM関連の差し替えについては原作ファンからの批判は多いものの、
それらの曲自体は良曲が多く、曲としての評価は高かったりします。
ここでは原作PC88版と異なる部分をもう少し詳しく紹介してみます。
マップが違う
ミネアの町から草原、神殿、廃坑、塔など、FC版ではマップが完全に一新されています。
とくに草原はオリジナルに比べてややこしくなっており、ワープポイントがあったり、イベントをこなさないと進めない場所があったりしました。
デカキャラが違う
一部デカキャラが変更されているほか、オリジナルと同じデカキャラでも攻撃方法が変わっていたりします。
そのくせヴァジュリオンのようなイヤなボスはそのままだったり、移動速度が遅いせいでピクティモスが鬼のような強さになっていたりと、オリジナル以上に苦戦するボスも。
特にピクティモスは心折れかけました。
FC版やると他機種版が弱すぎてあっけなく思えるくらいです。
オリジナルキャラの登場
原作にはいなかったフレアという妖精が登場します。
それ自体は別に何の問題もないのですが、イース2でフレアというキャラが登場するのでちょっと紛らわしいですね。
BGMが違う
神殿地下の曲やショップなど一部の曲がオリジナル曲に変更され、さらにゼピック村や山道には新曲が追加されています。
どの曲も曲自体はすごく良いです。
ゼピック村の曲なんてすごく綺麗な音だし、山道の曲も印象に残ります。
ただ、追加曲はいいにしても、音楽でも人気の高いイースだけに差し替えはやめて欲しかったです。
ラスボスが色々違う
ラスボスとの戦いは原作と同じダームの塔最上階なわけですが、ここで戦うのはなんとラスボスの幻影。
あるアイテムを持ってある場所へ行くと、塔の外側からハシゴを登って真のラスボスがいる場所へたどり着くという設定です。
まぁまぁラスボスですしね。
そりゃ幻影の一つや二つ用意する注意深さはあってもおかしくはありません。
エンディングが一部違う
他機種版ではラスボス撃破後にイースの本を読んで、その場でエンディングへと突入しますが、FC版ではアドルがイースの本を読むためのアイテムが存在しないため、ラスボス撃破後に一度ゼピック村へと戻ってしまいます(FC版ダームの塔はいつでも出入り自由なんです)。
そしてジェバに本を読んでもらうと、原作でもお馴染みのエンディングが始まるのですが、ファンならご承知のとおりエンディングの文章はダームの塔にいるアドルの視点で語られています。
そのため矛盾が生じてしまった上に、イース2OPへの繋ぎもおかしなことになってしまいました。
原作ファンにすれば
「余計なアレンジするな」
となるものの、FC版が初めてのイースだったらまた印象は変わるようで、そういったユーザーからの評判はそこまで悪くありません。
実際FCソフトの中だとグラフィックは綺麗な方だし、追加された曲もゼピック村や山道など良い曲揃っています。
個人的にはアドルの移動速度が遅すぎる点や、ミネアの街のよくわからない謎解き、
ラスボスの余計な追加要素(追加曲は好きです)、エンディングでの矛盾など、
どうしても原作と比べての不満はありますが、このFC版はまた違ったイースとして思い出に残るゲームでした。