発売日に手に入れたこのハード。
岩田社長の「スーパーなWii」という自信満々な発言。
(いまどきなんてセンスのなさなんだ)
憧れの眼差しで社長とWiiU本体を見つめて発売を待ったあの日々。
だが現実は……。
●ひたすら待ったこの1年
昨年1月のニンテンドーダイレクトで、サードメーカーのWiiUソフトが全然発表されなかった。
でも、「サードメーカーのソフトは後日」という言葉を信じてひらすら待った。
何もなかった。
いや、一応あった。
国内サードソフトなら、セガのソニック最新作と、どこかですでに発売済のヤクザHDである。
しかし、それ以外のニンテンドーダイレクトでは毎回WiiUユーザーの期待を裏切り続けた。
イメージとしては「のらりくらり」である。
それでも「任天堂ソフトさえ遊べればいいさ」という人もいる。
私もどのみちPS4かXboxOneは購入予定だったし、WiiUは任天堂ソフト専用機でもいいくらいに考えていた。
ところが肝心の任天堂ソフトすらも発売までの間隔が長い上に、
「これってWiiUで遊びたかったものか?」
と、疑問に思えるラインナップ。
そんなWiiUユーザーにとっての希望の星は「大乱闘スマッシュブラザーズ」最新作と「マリオカート8」。
そして「ゼノブレイド」経験者にとってはモノリスソフト新作。
だが、たまに入る「スマブラ」の続報は「~~参戦!」くらい。
毎回1人ずつ参戦決定の発表されても地味なだけ。
モノリスソフトの新作も本格的な情報は全然出せずにたまにちょっと映像見せるだけ。
その間に発売されるのはミニゲーム集的なソフトか横スクロールアクション。
いいんだよ。
マリオもドンキーも好きだからさ。
でも、「WiiUでやりたかったマリオやドンキーではない」んだよ!
こういうのを望んでいたんじゃないんだ。
まったく新しいマリオやドンキーが遊びたいんだよ。
やっと発売日が決まった「マリカ8」。だがそのちょっと前にはセガの「ソニック&オールスターレーシング TRANSFORMED」が発売される。
こういった同ジャンルの発売日が近いあたりも、任天堂だけでどうにかなるわけではないがうまく調整できないものなのか?
●いまだ見えぬゲームパッドの活用方法
そして、今年1月の経営方針説明会の以下の回答で何かがキレた。
それはWiiUGamePadがあるからこそ実現できるソフトタイトルを提案するという件についての説明。
「テレビの前に一人でいるとき、GamePadがあるからこそ実現できたソフトタイトルとしては、まだ、決定打をお示しできていないと私達も自覚しておりますので、本件は、宮本の指揮する当社の内作開発部門の今年の最優先課題のひとつとして取り組んでいきます」
そう、「今年の最優先課題」なのである。
これが百歩譲って「提案できるものは準備できているけど遅れている」のならまだ話はわかる。
この文章だと「まだそれが明確には見えていない」ようにしか思えない。
●みんなは任天堂の何が好きだったか?
人のことなんて知らない。
けど、私が任天堂を好きだった理由の一つには、
「どんなユーザーにもわかりやすく扱いやすいハード」
を提供してきた点がある。
ところが今回のWiiUは最初から扱いにくい。
まず発売日に買った人なら覚えているだろういきなりの長いアップデート。
WiiからWiiUへのデータ移行のわかりにくさ。
WiiUGamePadの重さ。
ベーシックモデルとプレミアムモデルの2種類を発売。
「これを本当にあの任天堂が考えたのか?」
と思う。
そもそも任天堂というメーカーは、これまで最初に「このソフトタイトルを提案したい!」からそれを実現するためのハードを作るという会社ではなかったか。
これではいつもの任天堂とは真逆である。
現在私のWiiUは「ドラクエ専用機」の役目を終えて眠りについている。
次に目覚めるのはマリカ8か。
単発で終わらせないことは任天堂も掲げているので、継続的な何かがあるのだと思いたい。
たまにしか遊ばないハードのために3万円も払ったわけじゃない。
WiiUを買って良かったと思えた貴重な1本。「レゴシティアンダーカバー」。