第118話「作戦なんて出来るわけないの巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!


浪国戦。
9回裏4対0から墨谷が2点を返して4対2となり、2アウトランナー2塁。
ここまで縞馬に抑えられていた墨谷打線の反撃に、
「いやあ~墨谷は喰らいついて行ってます」
「縞馬クンは通常より明らかにタマ数が多い。やや球威が落ちてきているのも事実でしょう」
「でもだからといって天下の縞馬クンのボールをポンポン前に飛ばせるものではない」

と、解説者が語る。

ホームで松川をアウトにできなかった事を縞馬に謝るカドバン。
「ええわ」
「外野に飛ばされたおれも悪い」

と返す縞馬。
ベンチの浪国監督も、
「都立高校粘る…。でもツーアウトや。よくやった。君達はがんばった」
「縞馬にも少しは苦難を与えんとな…」

と、まだ2点差あると考えてるのか動揺しながらも強気な姿勢は崩さない。
悔し気に舌打ちする縞馬を見るカドバンも、
(まあツーアウトになったし大丈夫やろ)
と考えていた。

打席には8番島田。
(もしおれがヒットを打てばランナー還って1点差。バッターランナーのおれは2塁に残る…)
(そうなったら縞馬にはかなりのプレッシャーがかかるハズ)
(ここはもうあきらめられない。高校最後の大勝負)

覚悟を決める島田。
(何気合い入れたような顔してんだよ! おめえなんかが打てるわけねーだろ!)
そんな島田に苛立つ縞馬。
そこへ墨谷ベンチから谷口が叫ぶ。
「島田! 絶対打てるぞ!」
「ここまで投げさせてきたんだ!」
「作戦は成功したんんだ! 縞馬の球威は絶対落ちてきてる!」

それを聞いた縞馬は、
「は…はあ?」
「さ、作戦?」
「今まで作戦やっとったちゅーんか??!」

と愕然。
「あと2点絶対取れる!」
と、なおも言い続ける谷口に、
「あ、あ、あの青年監督……。何を言い出すかと思えば、オマエらがおれに対して作戦――?」
「そんなアホな事でけるわけないやろ」

と、ただただ驚きの声をあげる縞馬。
カドバンも谷口を見ながら、
(作戦なんて絶対ありえない)
(あの青年監督の強がり…。だが…)

と考えつつも、
「おい虚言に惑わされるなシマ! あとは流して投げれば自然に試合は終わるんやから!」
と、マウンドの縞馬に声をかける。

島田への初球ははずれてボール。
2球目もボール。
3球目もボール。
まさかの3連続ボールに、
「お、おい」
と、カドバンが声をあげるが、
「騒ぐな。心配あらへん」
と、返す縞馬。
しかしカドバンは
(これはちょっとアレだな……)
(ストレートより変化球の方が入るかもしれん)

と、フォークのサインを出す。
「島田! スリーボールだからといって見ていく必要ない! ストライクのコースが来たら打っていいぞ!」
という谷口の声に縞馬は、
(また青年監督……)
「じゃあ振れや」

と、4球目を投げる。
(ストライクのコース!)
(あ! フォーク!)

フォークボールもなんとか当ててファールにする。
当てられた事に縞馬とカドバンは驚く。
(なにもスリーボールから難しいフォークを振ることないのに…)
と考えるカドバン。
5球目。
カーブに喰らいついてファウルチップとなり2ストライク3ボール。
またも変化球を当てられた事に驚くカドバン。
縞馬は
(その前になぜ振る? おれの変化球を打てると思ってんのか?)
と苛立ちの表情。
だが、あと1球で終わる。
ここでカドバンはフォークのサイン。
スタンドからあと1球コールが響く。
(ラストや)
6球目。
(ん! 高い。ちょっと抜けてるか?)
カドバンが驚く。
(フォークだけど……!)
(落ち方が甘い!)

島田のバットがそのフォークをはじき返す。
打球はショート右への強烈なゴロ。
「ショートの守備範囲! 万事休す!」
実況が叫ぶ。
ショート本山ががっちり捕球しファーストへ送球……かと思われたその時、本山の前には飛び出した2塁ランナー加藤の姿。
(ランナーが目の前! タッチした方が安全や!)
そう判断した本山が加藤へタッチしようとするが当然加藤はそれを避ける。
「バカ。余計な事考えなくてええ!」
「ファーストへ投げりゃええんや!」

そんな本山に縞馬とカドバンから声が飛ぶ。
そこでようやくファーストへ送球した本山だったが、送球が高く逸れてしまいファースト端川がジャンプして捕球。
島田と端川の足がほぼ同時のタイミングで1塁を踏むが判定はセーフ。
「2塁ランナー加藤クン……。わざとショートの視界に入るように動いた」
解説者がそう説明するとおり、
「せっかくおれの近くに飛んできたんだ。オトリにならない手はない」
と、加藤が呟く。
「気にせずファーストに投げていれば完全に終わっていました」
という実況者。

ついに同点のランナーが出た事で浪国監督がいよいよ焦り始める。
ブルペンで投げている坂下にピッチを上げさせろとの指示を出す。
それを見たマウンド上の縞馬。
「ふん。アホらし」
「ここからどーかなると本気で思っとんのか?」

と、信じられないといった表情で口にし、
「本山も気にせんでええで。次で終わりにするんやから」
と、ミスした本山にも声をかける。

次は9番近藤。
ここで谷口は近藤に
「簡単に打つな」
「ツーストライクまでは見て行け」

との指示を出す。
「谷口さん。ここに来て初めてランナーを溜める指示に切り替えた」
と半田が口にする。
一方浪国監督は
「シマ! 近藤は1年や! 都大会で1本ヒットを打ってるだけや!」
と声を出すが、
(……)
「ああそうですか」

という縞馬の反応。
初球。
際どいコースながら判定はボール。
「今の……抜けたぞ」
今の1球をそう見た谷口。
受けるカドバンも
(シマの握力が落ちてきている?)
(8番に対するフォークも抜けぎみだった)

も感じていた。
ここで谷口が
「よし! 今のボールで確信したぞ! ひとり5球作戦は完全に効いたんだ!」
と近藤……というよりは相手に聴かせるように大声で叫ぶ。
「何!?」
それを聞いた縞馬とカドバン二人が同時に声をあげる。
「そしてこの回も17球も投げてる! 170球を越えさせた!」
なおも続ける谷口にカドバンがタイムを要求。
「ひとり5球作戦」に動揺するマウンド上の縞馬に、
「ひとり最低5球投げさせたから積み重なってタマ数が増えたと言っとるんやろ」

と説明。
「なにい――?」
と、カ~~っと頭に血がのぼる縞馬。
「気にせんよな? 虚言なんだから」
と、縞馬の気持ちを静めようとするカドバン。
「あ、ああ虚言や……虚言癖や……」
「そうや。ヘキや」

と、交わす浪国バッテリー。
「だいたい浪人生監督ってなんや?」
それでも納得いかない様子の縞馬。
「ふざけているんや。おれ達みたいにマジメに野球をやっとるわけやないんや」
「こんな奴には死んでも惑わされるな…」
と、カドバンが必死に言い聞かせる。
だが……近藤に対して縞馬は、
2球目は大きく外角へ外れるボール。
3球目は高めに抜けたフォークでボール。
4球目はフォークがワンバウンドになってボールとなり、ストレートのフォアボールとなった。
これで2アウトながら満塁。
「惑わされとる」
と呟くカドバン。

そしてついに浪国監督が縞馬に交代を告げる。
「こ、交代……?」
信じられないといった様子の縞馬。

ここで第118話が終わります。

感想

終始動揺しっぱなしの縞馬とカドバン。
この回だけ見ればすでに気持ちで墨谷の方が押してました。
特に谷口の声は縞馬のプライドを相当刺激したのではないでしょうか。
カドバンの目がずっとまん丸だったのも印象的です。

次回は、
丸井が高校最後の打席に臨む!
『今度こその集大成』の巻

一番の見せ場で丸井に回ってきたので丸井ファンとしてはとても楽しみです!
相手は浪国2番手の坂下でしょうか。
どんなピッチャーかはわかりませんが打って欲しいです。

関連リンク

・第114話「甲子園は終わったの巻」
・第115話「ズドーンの巻」
・第116話「センバツで帰ってこいの巻」
・第117話「どんどん前に飛ぶの巻」
・第118話「作戦なんて出来るわけないの巻」
・「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ
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