第53話「狙われた扇の要の巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!
東実戦は0対0の1回裏。
東実は先頭打者の福島がセーフティバントで出塁。
次打者塚本への初球からスチールを決めてノーアウト2塁となった。
初回ノーアウトから足で仕掛けてきた東実の足への自信に丸井とイガラシは驚く。
マウンドに集まる内野陣。
この場面で東実がどう来るか話し合う。
普通に考えれば今度こそ送りバント?
それともヒッティング?
まさかまさかの三盗?
この中で三盗はいくらなんでもないとし、ここは送りバントだと考えた墨谷はバント隊形を敷くことに。
打席には2番塚本。
2塁走者福島のリードがでかいと見た松川が牽制を1つ挟む。
（何かやってきそうな気配はする）
用心しての2球目。
松川が投球モーションに入ると同時に塚本はバントの構え。
しかしバットを引いて判定はボール。
すぐさま井口が2塁へ送球。
リードが大きかった福島だがすぐに戻ってセーフ。
3球目。
今度はこれを大振りする塚本。
そのスイングを見たファースト加藤とサード鈴木は、あまり前に出るのはヤバイと考える。
そして松川の中にバントなのかヒッティングなのかどっちなのかという迷い。
東実監督は
（よし……。次…ストライクが来たら行ってみようか）
と、打者と走者にサインを出す。
4球目。
再びバントの構えを見せた塚本。
今度はそのままバントし、打球は慌てて前進してきた鈴木の前へ。
「3塁ムリ! ボールファースト!」
イガラシの指示を聞いて一度3塁を見た鈴木は1塁へ送球。
同時にサードコーチャーのゴーという声を共に福島がホームへスタートを切る!
1塁カバーに入っていた丸井は鈴木からのボールを前進して捕球するとバックホームする。
福島のすごい足の速さにクロスプレーになると構える井口。
「井口! まわり込んでくるぞ! 気をつけろ!」
松川からの声。
（このランナーのことだ! まっすぐは来ない!）
ボールを待つ井口も警戒するが、
「まっすぐだ! まっすぐ滑れー!」
次打者柳沢の声に
（え? まっすぐ!?）
と一瞬迷うが、まっすぐまっすぐと指示を出す柳沢の声を信じて正面からブロック。
本当に真っすぐ突っ込んで来た福島ときわどいタイミングとなったがここはアウトにする。
ふ～っと息を吐く井口だったが、
「走塁妨害だ!」
「ベースを完全に塞いでいる!」
と柳沢が叫ぶと、走者福島も塞いでたと指摘。
これに合わせるように東実監督も走塁妨害だといって佐野を主審の元へ行かせて、今のプレーは完全にベースを塞いでいたので走塁妨害ではないかと訴える。
すると責任審判の1塁塁審が集合をかけて審判団が話し合いを始めた。
その様子を見守る井口も必死だったこともあってか、自分がベースの一角を空けていたかどうか自信が持てない。
「これか! このためにまわり込まなかった?」
ベンチで見守る谷口監督が気付く。
井口が急造捕手なのは知れ渡っており、難しいクロスプレーにおいて真っすぐ滑り込めば走塁妨害を誘える。
さらに佐野の抗議までセットで東実の狙いだったのではないかと。
やがて審判団がばらけるが、判定は覆らずアウトとなった。
抗議叶わずも佐野と東実監督は不敵な笑みを崩さない。
一方の井口は
（しかし……今のはビビッた）
とし、次は何を仕掛けてくるか考える。
そこで谷口監督がタイムをとって井口を呼ぶ。
「今のクロスプレー。ビビッたか?」
と尋ねると、公式戦であんなプレーや抗議は初めてだからなと井口の気持ちを察しつつも、東実はそれを狙って扇の要を揺さぶってきたんだと話し、
「負けるな! 気持ちを強く持つんだ! こーゆーのは”精神力”しかないぞ!」
と伝え、ここは送りバントもあれば、またスチールもあるかもしれないと井口を送り出す。
打席には3番柳沢。
（ビビるな。強い心で前を向くんだ）
（何が来てもひるまない）
自分に言い聞かせる井口。
初球。
今度は普通にバントを決めてきた。
しかしボールがほとんど転がらない。
井口が
（これは難しいとこだが…ボールファーストだ!）
と捕球するが、そこに
「井口! セカンだ!」
と、2塁ベースカバーに走るイガラシからの声が飛ぶ。
「行ける! 勝負してみろ!」
「そうだ! 男だったら行け!」
イガラシと丸井からの声に、スチールの時の単なるスローイングとは違う、ここからのスローイングの体勢が難しいと思いつつも、
（強い気持ちで行く!）
と井口が送球。
ここで第53話が終了となります。
初回から仕掛けてくる東実。
走塁妨害も判定が覆れば儲けものくらいで、元々井口を動揺させるための作戦だったようですね。
それにしても東実は昨年から井口を崩そうとしてきますね。
特に今年は捕手をしていることもあって、ここを崩すことが墨谷攻略に有効だという判断でしょうか。
その目論見通りに動揺していた井口ですが、谷口監督の言葉で気持ちを持ち直すことができたと思います。
今回は東実に圧され気味な雰囲気でしたが、ここを凌いで試合が進めば休みをしっかりとった墨谷が押し始めそうな気がします。
早くに井口を崩したい東実と、そこを耐えたい墨谷って感じですね。
・第49話「キャッチボールするふたりの巻」
・第50話「言葉遣いのマジックの巻」
・第51話「最後のぶつかり合いの巻」
・第52話「体が軽いの巻」
・第53話「狙われた扇の要の巻」
・「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ
・「キャプテン」連載開始50周年記念特集ページ
連載の回を追うごとに、あぁ～終わりが近いのかな？と若干の寂しさも込み上げてくる感じになって来ましたね。キャプテン2。どんなシチュエーションを最終話と考えているのかは読めませんが、甲子園出場は果たしそうな感じはしてますね。ただ予選の内容がこの辺りから濃くなってくるのでしょうかね？ただ甲子園での試合って、何となくイメージわかないんですよね。。
これまでのライバルを圧倒的な力で倒して、一番のライバルとも言える東実佐野との対決もここできちゃいましたしね～。
去年までの各校のイメージだと甲子園まではもはや敵ナシな感じがしてしまいます。
ここまで谷原や川北をあっさり倒してしまうと、予選はさっくり描いて甲子園での試合を重点的に描くのかなぁとも考えますが、私も甲子園での試合はイメージ湧いてこないです（笑）。
あけましておめでとうございます。今年も楽しみにさせて頂きますー。
左投捕手は三塁送球の際に向き直るタイムロスがありますし、まだまだ井口にとっては気の抜けない展開が続きそうですねえ。
おでんさん。
あけましておめでとうございます～。
こちらこそ今年もお付き合いいただければ嬉しいです！
ただでさえ急造捕手で経験不足な上に、相手が百戦錬磨の東実ですからねぇ……。
プレッシャーも相当だろうなぁと思ってしまいます。
あけましておめでとうございます。
ちば作品では、投手や野手を狙った戦法はありましたが、意外にもキャッチャーを攻めた戦法をとった敵ってあまりいなかったですね。しいていうなら、牧野が足を痛めて捕手が交代したときに盗塁した時ぐらいか？
キャッチャーを攻める目線でどんな話に組み立てるか注目です。
ゅんゅんさん。
あけましておめでとうございます～。
今年もよろしくお願いいたします！
言われてみると確かにキャッチャーを攻めるやり方って記憶にないですね……。
東実は去年も今年も井口を攻めているけど、逆に言えばそれだけ脅威とも感じているのかな？
あけましておめでとうございます。
タカです。
今回の主役は井口覚醒かな？
となると東実(佐野投手含めて)もかませ犬的なと思えますね
タカさん。
あけましておめでとうございます！
1回裏ここまでは東実の思惑通りって感じに流れていますが、それでもなかなか井口を崩すことができず……って感じになりそうな気配ですねぇ。