第51話「最後のぶつかり合いの巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!
グラウンドでバント・エンド・ランの練習を行う東実。
その横では佐野がひとり走り込みを行っていた。
他の選手たちは続けてスクイズ、ツーランスクイズの練習を行う。
今年の東実は今までとガラリとイメージを変えたと佐野は感じていた。
大きいのに頼らない、小技や機動力を使った1点をもぎり取る野球を目指す。
(墨谷高校丸井! 中学時代からおめぇとは死闘を繰り広げてきた!)
青葉学院の墨谷二中との死闘を思い出しながら走り込みを続ける佐野。
今年は自分も丸井もキャプテンとなった。
キャプテン同士、最後の決着をつける。
そしてその先の甲子園のために今日も練習をしているのだと。
(丸井! おまえは今なんの練習をしている? 今年は打たさねぇぞ)
その頃、丸井はバットを持って公園へと向かっていた。
その道中、谷口監督の言葉を思い出す。
大会期間中は授業が終わったらスグ帰宅し、ウチに帰っても何もしなくていい。
素振りもしなくていい。
ただただ体を休めろ。
と言われていたが、じっとしていられなかった丸井は
(素振り……10スイングだけだったら…)
と公園に到着するとバットを構える。
ここから先の過密スケジュールを考えてとにかく休養しろと言われたものの、何もしない不安を抑えられそうにない丸井。
しかし、今大会は球場に着いてからのキャッチボールでボールが軽く感じられることや、肩が強くなった気がすること。
そしてバットが軽く感じられてスイングスピードが上がったように感じることなどを思い出し、それらは錯覚ではなく体を休ませているのがでかいのだと理解。
結局素振りはやめて家に帰って行く。
「なんかで……こんな生活をしてるとね…」
「一刻も早く球場に行ってバットとボールを握りたくなるんだよね」
「はやく野球がしてぇ。もうやりたくてやりたくて仕方がねーんだ」
一方、倉橋は喫茶店で川北監督の田淵と会っていた。
田淵監督が語る野球の試合。
それはチームの持ってる実力が第一だが、その次に大事なものは当日のコンディションだという。
球場に着いた時に絶好調になってることが肝心なのだと。
谷口はそのあたりがうまかったのではないかと倉橋に問いかけるが、倉橋は現場ではないのでわからないと答えつつ、谷口はそういうことも考えてるだろうと話す。
体の次は”心”であり、当日いかに気持ちが盛り上がっているか。
墨谷にはそういうものもあると感じたと話す田淵監督。
それを聞いた倉橋は、監督・谷口は自分なんかの及びもつかない色々な事を考えてるのかなと感じた。
そしていよいよ東実との試合の日。
バスから颯爽と降りてくる佐野率いる東実の選手たち。
一方の墨谷はバスがないので、丸井と松川と島田は駅から走ってここまで来たらしい。
疲れた様子はなく、むしろやっと野球ができると楽しそう。
両チーム先発メンバーは以下のとおり。
墨谷高校
1番セカンド丸井
2番レフト半田
3番キャッチャー井口
4番ショートイガラシ
5番ピッチャー松川
6番ファースト加藤
7番センター島田
8番ライト久保
9番サード鈴木
東都実業高校
1番センター福島
2番レフト塚本
3番セカンド柳沢
4番ピッチャー佐野
5番ファースト大竹
6番キャッチャー青塚
7番ライト石島
8番ショート大山田
9番サード聖沢
先攻は墨谷で試合開始。
「ふふふ。宿命のライバル丸井」
「楽しそうじゃねぇか」
「そりゃよござんしたね」
東実の先発・佐野は自信満々な様子で投球練習を行う。
その球を見た谷口は去年よりさらに速くなっているという。
そしてカーブもさらに磨きがかかっている。
佐野と対戦できるのがうれしくてたまらない丸井が打席に入る。
(なんなんだよ? その楽しそうな顔…子供かよ)
2試合連続コールド勝ちがなんだ。
大きな顔をするのなら自分のタマを打ってたからにしろよ! と佐野が初球を投じる。
丸井は
(キタ~~ッ。このボールだぜッ!)
と思いつつも初球見送ってストライク。
2球目をバックネットへのファールにされた佐野は、丸井の振りがいいとし、試合開始早々から緊迫感のある勝負だと感じる。
そして最後の勝負となるこの試合も自分も楽しもうと考える。
「打てるもんなら打ってみろ!」
その3球目を丸井が打ち返す。
打球はレフト方向へグイグイ伸びていき、レフト塚本がフェンスに到達するが、その先へと飛び込んでいく。
ファールラインぎりぎりの打球に、塚本はファールをアピール。
佐野もファールだと叫ぶが、打った丸井は
「やった。ホームランだ!」
と万歳して走り始める。
審判の判断は?
ここで第51話が終了となります。
ついに始まった東実戦。
試合まで練習を続けた東実と休養をしっかりとった墨谷の差がどう出るか。
今年の東実は小技で攻めてくるとのことで、面子も変わっているので打撃面での戦力は未知数って感じですね。
それにしても佐野がここまで丸井を意識しているとは思いませんでしたが、考えてみれば同学年で中学高校と戦い、さらに昨年も丸井に打たれているから、やっぱり色々思うところがあるんでしょうね。
佐野にしてみれば墨谷ベンチに並ぶ顔は憎たらしいんだろうなぁ(笑)。
いきなり丸井のホームランかファールかという大飛球で始まった試合。
丸井や佐野同様に我々読者も楽しめる試合になるといいですね。
・第47話「マイペースで行け! の巻」
・第48話「パワー対パワーはやめる? の巻」
・第49話「キャッチボールするふたりの巻」
・第50話「言葉遣いのマジックの巻」
・第51話「最後のぶつかり合いの巻」
・「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ
・「キャプテン」連載開始50周年記念特集ページ
こんにちわ、久しぶりの投稿になります。東実はシード校?なんですかね?私は個人的には谷原はノーシードとしても、川北までノーシードになるのかなぁと思います。東実は選抜に出て、第一シードとして決勝であたると思っていたので、3回戦ででてくるのは意外でした。墨谷が休養して、佐野が猛練習シーンは佐野が打たれる前ふりなのかと不安だらけです。 一番怖いのが、東実戦終了後、前年みたいに突然、シーンが飛んで、いつのまにか優勝。甲子園も制覇なんて回想シーンがはじまらない事を祈ります。
こんにちは~お久しぶりです!
私も決勝戦で東実だと思っていたので、ここで対戦するのは予想外でした。
それだけにこの後の対戦相手も予想しにくくなったし、この東実戦が事実上の決勝戦扱いとなって、残りの試合が回想などで語られるというのはやめて欲しいですね……。
丸井は、『どったの、カモン』なんて感じで、打席から佐野に言ったことがあるくらいで、確かその時ツーランだったような。
墨谷二中の谷口キャプテン時代にありましたね~。
墨高時代の佐野との初対戦では逆にやられたけど去年の大会では出鼻叩いたりと、佐野から見ると印象に残る場面での一本を打たれてるってイメージなのかな?
ホント、佐野が宿命のライバルに丸井の名をあげたのが驚きですね。佐野が一番意識してるのは谷口だと思ってました。
待ちに待った佐野との対決。いきなり佐野の速球をホームラン制の当たりとは丸井もやりますね。佐野は超高校級でしょうから、ということは丸井もプロ級なのかな?
恐らくこの試合は勝つんでしょうね。
お花茶屋高校でしたっけ?そことの話がありますからね。
墨谷二中で谷口キャプテン時代から最強のライバル的な位置付けだったのが佐野だったから、どうしても佐野と言えば谷口って印象強かったですよね~。
アニメ版の方だと思いっきり佐野が谷口を意識している発言もありましたし。
でもこれまでの対戦見てると丸井は佐野と相性いいのかなって感じはします。
逆に佐野にとってはそれらのプレーが印象に残っているからこそのライバルなのかなぁ……。
お花茶屋高校あそこまで描かれていてこのまま何もナシはないですよねぇやっぱり(笑)。
大会始まってからまったく情報ないので、この後で対戦となるとかなり不気味な存在になりそう。
いつもありがとうございます。よくよく考えてみれば、墨谷高校にとっては対東実戦は、田所キャプテン時代に予想外の大熱戦の末、惜敗して以降、毎年結果的には辛勝しており、非常に分が良い相手ともいえますね。東実は都内有数の強豪高校という立て付けですが、少なくとも、過去三年は甲子園出場も無く、昨年夏にはシード権も墨谷に奪われ、三回戦墨谷の緒戦で敗退、墨谷は四強進出、今大会でも、昨年夏の準優勝高の谷原、ベストエイトの川北に立て続けにコールド勝ちする地力のある墨谷、もはや、立場は完全に逆転していますね。 昨年の優勝高校明善、選抜にも何処かの強豪高校は出場しているでしょうから、その2校あたりが今後の甲子園出場に向けての直接のライバルでしょうかね。 是非、田所さんか田淵監督にライバル高校の分析をお願いしたいものですね。
こちらこそご覧いただきありがとうございます!
東実とは谷口キャプテン時代以降は接戦をモノにして勝ってはいるんですよね。
今大会は墨谷が大きく成長した点や佐野の投球練習中の自信を見て打たれるフラグかなとも思いましたが、次回予告見る感じだとそういうわけでもなさそうですねぇ。
そういえば今大会は田所さんの敵チーム分析はまだありませんね(笑)。
次の相手次第ではあるかな?
アニメの佐野は谷口をかなり意識して試合に乗り込んだりしてましたが、そういえば原作では谷口と会話すらしてませんでしたね。そうなると同学年でホームランを打たれた丸井の方が佐野にとってはライバルなのでしょうか。ここまで体格による強さを見せつけてきた中で小柄な佐野はどこまで粘れるのでしょうか。この流れだと次は巨体のモウちゃんが相手ですが…
そうなんですよね~。
アニメではキャプテンでもプレイボール2ndでも佐野は谷口を意識していたけど、原作では勝負の場面で特に谷口だけを意識している場面はないんですよね。
谷口が投手やった時はさすがに驚いていたけど。
東実の次がなかなか予想できません……。
どこがくるんでしょうか。
今回、久々に丸井がクローズアップされましたが、よくよく考えてみたら「キャプテン2」の今の主人公って結局誰なんでしょう?
当初は「プレイボール2」との並行連載だった事もあり、キャプテン2のほうは墨谷二中編で近藤が主人公でしたが、谷口と近藤のそれぞれの卒業を機にプレイボール2のほうを終了させてキャプテン2に統合(同時に墨二編から墨高編に移行)
谷口を監督とし、丸井、イガラシ、近藤と、歴代墨二キャプテンを勢揃いさせて甲子園を目指すという形にしたようですが。
話を戻すと、主人公はタイトルからしてやはり丸井なのか?それとも監督の谷口、あるいはイガラシ、近藤まで含めた4人全員なのか?
正直、ちょっと迷うところです。
それから丸井と佐野の対決は、もし間違ってなければ中学時代を含めると今度で6回目になるんですね。
墨二歴代キャプテンの中でも最多で、まさに「因縁の対決」と言えるでしょう。
ちなみに谷口は選手時代4回、監督として1回。
イガラシは5回。
近藤は今回の試合に出て対戦があるなら2回目という事になりますね。
キャプテン2の主人公……。
タイトルとこれまでのキャプテンでの流れならやっぱり丸井という事になるのかなぁとも思いますが、
その時々でスポットライトを変えていく歴代墨二キャプテンの物語なのかなぁという感じがしますね~。
佐野と一番勝負していて、さらに重要な場面での一発を打っているのも丸井なんですよねぇ。
しかも同学年という事もあるし、佐野にとってはやはり絶対負けたくない相手って感じなんでしょうね。
墨谷、3試合目でようやく背番号通りのオーダーですね。
佐野が丸井を「宿命のライバル」とまで意識していたのは、私も意外でした。
もっとも考えてみれば、過去何度か肝心な所でやられているので、不自然ではありません。
それに関してですが、佐野、速いカーブ以外に、スローカーブやチェンジアップなど、タイミングをはずす変化球は持っていないのでしょうか?
というのは――佐野、丸井への3球目、無意識に少し焦ったようにも見えるので。
私が東実のキャッチャーなら、3球目は、外角低めのボール1つ外れたコースに、その種の変化球を投げさせます。
そうして「振ってくれればもうけもの。選ばれたら勝負は4球目」と考えますが。
やっぱり佐野の丸井へのライバル心は意外でしたよね~。
でも確かに佐野にとって丸井に痛い一発食らってる場面多かったし、印象として強く残っているのかなぁと思いました。
佐野の球種ってどうなんでしょうね?
3球目は2-0に追い込んでる場面ですし不用意に勝負いかなくてもいい気はしました。
そこは佐野が少し丸井をナメていたというか、絶対的な自信が勝ったのかなぁ。
一方の丸井は、佐野のことを意識してはいるものの、個人的なライバル意識はほとんど無いように見えますが。
確かに丸井は意識こそすれど特別ライバルという気持ちはないのかなぁ。