コミック版「婚約破棄から始まる悪役令嬢の監獄スローライフ」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!

婚約破棄された令嬢の復讐コメディー

王子エリオットから婚約破棄を告げられた挙句、投獄される事になった主人公レイチェルがあの手この手で王子と取り巻きに復讐するコメディー。
復讐モノといえばドロドロしたイメージだけど本作はお笑いマンガです。

エリオットやその周囲の男たちが愛するマーガレットに嫌がらせをした罪によって、パーティーという多くの人々の前で謝罪の要求と婚約破棄を言い渡されたレイチェル。
だが、彼女は身に覚えのない罪に対して謝罪するわけもなく、怒ったエリオットの投獄命令にもすんなり従います。
実は事前に婚約破棄情報を得ていたレイチェルは、あらかじめ必要物資を牢屋内へと持ち込んでおり、悠々自適な牢屋生活を送り始めたのです。

反省するどころかとても快適な様子のレイチェルにエリオットが激怒し、なんとかやめさせようとするがことごとく返り討ちに遭うという流れ。

元々エリオットとの婚約も乗り気じゃなかったらしいレイチェルは、今回の婚約破棄情報を得た際にも、
「あのバカとの婚約が向こうの責任で破談になった上に、しばらく何もしないでバカンスできるのね? 素敵じゃない!」
と喜んだとか。
そう。
レイチェルはエリオットごときが太刀打ちできる相手ではなかったのです。
婚約破棄を自宅で聞いた彼女の父親は
「あの中身がからっぽの見てくれ男が! よりによって”鬼子”を起こしやがった……っ!!」
と叫び、母親は
「レイチェルは完全に殺る気よ!? このままでは我が家の未来と殿下の命は吹き飛ぶ寸前よ!」
と涙がらに夫にすがりつく。
そんな妻を励ます公爵の台詞がまた、
「娘を信じなさいイセリア。あの子は頭が良くて教養もある」
「きっと法に触れない手段でボコボコにやり返すはずだ!」

と、とんでもない言いよう。
ここでの会話だけでもレイチェルの恐ろしさをうかがい知る事ができます。
そして周囲のエリオットに対する評価もw

標的となる3人の男たち

レイチェルの標的となる人物は男3人。
元婚約者だった王子エリオット。
エリオットの取り巻きである騎士サイクス。
そしてレイチェルの弟ジョージ。

そしてすべての原因であるマーガレットについては眼中にないようだけど、牢屋にやって来たマーガレットに無言でいきなり膝蹴りを食らわせるなど容赦なし。
「ついつい一発入れたくなる良いおなか」
をしていたからだそうだがその真意はわかりません。
ただ、マーガレットに関しては読者視点で見るとよくいる
主人公を罠に陥れたずる賢い性悪女
という印象はなく、むしろ天真爛漫でちょっとアホの子って感じでした。
案外エリオットとお似合いかもしれません。
もちろんこの2人に国を託したら即滅びると思いますが……。

周囲も巻き込んでの復讐劇の結末は実際に読んでからのお楽しみです。
個人的にきついだろうなと思ったのはジョージでした。
家族には絶対バレたくない秘密の数々を姉から次々に告げられる様子は、見ているこちらまで叫びそうになる辱めでしたねw

感想

とにかく最初から最後まで笑いの連続。
頭が良くて美人なレイチェルがアホ王子とその一味に最高の嫌がらせ(復讐)をしていくという点で、読んでいてスカっとする作品となっています。

また、読んでいて本当に腹が立つような嫌味キャラがいませんね。
エリオットもサイクスもジョージも、そしてマーガレットも、みんなどこか憎めないキャラなので、純粋にコメディーとして笑って読む事ができました。
まぁそこはレイチェルが彼らを圧倒しているからこそそう感じるのかもしれません。

ただ、断罪に関わった人物それぞれがそれなりに酷い目に遭って終わりなので、とことん仕返しして相手の破滅エンドを望むような人だと物足りなさを感じるかもしれません。
ノベル版だと続きもあるようなので、そちらもぜひ読んでみたいですね。

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