第23話「リーダーシップの巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!


城東が練習をしている河川敷のグラウンドへやって来た松下。
松下が1年生の時にキャプテンをしていた小倉が今は監督をしており挨拶を交わす。
谷口が墨谷監督になったのは知っているようで、練習試合の申し込みもあっさりOK。
今週の土曜空いているとの事で、松下も谷口に聞いておくと答える。
「去年の冬から驚く程レベルアップしたぜ」
と小倉監督がいう城東の練習を見ると、フリーバッティングでは大きいのを連発。
自慢の投手陣はみんなスピードアップしているらしい。
冬の間例年になく基礎トレーニングに力を入れたという。
小倉監督は谷口が浪人生やりながら監督をやっているなら松下もどうだ? と言い、予備校終わったらノックしに来て欲しいと頼む。
そして考える松下に早速今からやってけと畳みかける。

お花茶屋高校校長室でOBの白樺から一千万円を寄付された杉本先生だが、お花茶屋には部活の対外試合は月1回までというきまりがあるからと戸惑うが、白樺が今校長に聞いたところ、このルールは厳密な校則ではないのだという。
校長も
「いつの間にかそーゆー空気ができてそうなっとったんじゃ」
と話し、今回これだけの寄付とご厚意があったのだからと対外試合を勧める。
こうして強くなる大きなきっかけができた杉本先生は、
「エ~トじゃあどーしよっかな…。まずこのお金で遠征用のバス買おっかな…」
と話すが、白樺がすでに先手を打っていると言い、窓から外を見てくれという。
そこには一台のマイクロバス。
白樺の会社が使っていたものだそうで、これも寄付するという。
夢みたいだと喜ぶ杉本先生に白樺は、
「だからその分のお金でね…バッティングマシン買いなさいよ」
と話す。
それもちゃんとカーブが投げられるヤツで、ストレートも時速150キロまで出るといい、バッティングマシンのカタログを渡す。
「え~! じゃあどーしようかなー! ティーバッティング用のネットも買っていいですか?! あと筋トレ用の鉄アレイももっと欲しいなァ!」
と大興奮の杉本先生に
「そんなものいくらでもお買いなさいよ」
と頼もしい限りの白樺の一言だった。

一方、墨谷のグラウンドでは、井口が地面に挿した棒と金網の柵をゴム線で結んでストライクゾーンを作っていた。
近藤に、
「近藤。おめぇはどこまで行っても中学生のピッチング練習なんだよ」
「高校のピッチング練習はもっと隅を狙った練習をする」
「まずは外角低め。ここに当ててみろや」

と、ゴム線で出来上がった四角いストライクゾーンの下部分に当てるよう指示。
言われた通りに投げるもど真ん中のストライク。
二球目は隅を意識しつつ外角に寄せたものの、井口に言わせるとまだまだ恐ろしく甘いという。
(あの一点に集中)
外角低めのゴム線に意識を集中させる近藤。
その様子を後ろから見つめる谷口。
三球目は狙い通りに外角低めゴム線に当てる。
「やったやった!」
と飛び跳ねて喜ぶ近藤だったが、
「残念ながらそーゆーのを置きに行ったってゆーんだよ。近藤」
と谷口が声をかける。
「思いきり腕を振ったわけじゃなく…マトを狙ってそろ~り」
「あそこを狙って思いっ切り腕が振れないとダメだ」
「それが”練習”というものさ」

モーションを交えての谷口の説明に、今度は腕を思いっきり振ることを意識しての四球目。
だがボールはゴム線でできた四角いストライクゾーンの上を通過。
「とりあえず外角低め狙って5球続けられないとお話にならない」
「ご、5球連続?」
谷口の言葉に驚く近藤。
「それが”練習”というものさ近藤。おれは着替えてくる」
と、谷口は部室へと戻って行くが、
(それにしても井口の奴……いつからこんなおせっかい焼きになったんだ?)
(他人のめんどう見る奴だっけ?)
(2年になってちょっと大人になったのか?)

と、井口の成長を感じていた。

河川敷では松下が城東の練習に付き合ってノックをしていた。
やがて練習が終わったものの、ベンチで息切れを起こしてもはや喋ることすらままならない松下に小倉監督は、
「運動不足すぎるわ」
「でもどうだ。気持ち良かったろ」

とたずねる。
「こ、後輩達の練習のお手伝いをしたい…」
「明日から毎日来ます。毎日ノックさせて下さい」

息も絶え絶えにそう答える松下。
「ふ…そーこなくちゃ」
どこか満足気な小倉監督だった。

墨谷のグラウンドでは仕上げのランニングを行っていた。
先頭を走る丸井は隣りを走る半田に
「近藤のことどう思う?」
「実践で使えると思うか?」

と、半田の考えが聞きたいと話す。
みんなより若干遅れて走る近藤の姿。
「オマエの考えてることと同じさ」
その答えに半田を見つめる丸井。
半田は続けて、
「それより井口のめんどう見の良さですよ」
「アレを育てたのは丸井じゃないの?」

という。
丸井は井口の入部当時を思い出しつつも何も答えない。
だが半田は
(近藤はもうじき実戦投入されるな……丸井のリーダーシップで)
(巷では丸井派だ半田派だと言われているが…)
(そんなの関係ない。みんな丸井のリーダーシップは認めている。なんだかんだ言ってこのチームはまとまっている)

と考えていた。
それを証明したのはリカやサチ子の一件だったとし、好意にはみんな感謝していると心の中で彼女たちに謝る。
すると丸井が
「近藤の実戦投入……谷口さんに進言してみようと思う」
と話す。
そんな彼らのランニングを見つめながら、土曜日の城東戦を考える谷口監督。

ここで第23話が終了となります。

感想

松下が城東のコーチという形で現場復帰し、お花茶屋は白樺さんのおかげで一気に環境が変化。
今年の城東のレベルがどれほどかはまだわかりませんが、練習にもかなり熱が入っていたので、土曜日の練習試合は前回のようにはいかないかもしれませんね。

そしてこれまで遠慮気味だった丸井が前回あたりから自分の意志を通そうとするようになってきました。
どちらかと言えばこっちが本来の丸井というか、中学時代ならもっと暴走気味だったかもしれないけど、そこは井口や近藤だけではなく、丸井も成長しているって事なんでしょうね。

次回は城東との練習試合でしょうか。
『先発メンバーの意外な布陣』
とありますが、そこを予想するのもまた楽しみです。

関連リンク

・第19話「研修! 谷口監督の巻」
・第20話「肉と米の巻」
・第21話「恋の嵐の予感の巻」
・第22話「丸井派は少数派の巻」
・第23話「リーダーシップの巻」
・「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ

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14 Thoughts on “「キャプテン2」第23話感想

  1. ゅんゅん on 2021年11月7日 at 12:51 PM said:

    松下は投手としての評価はいまひとつだったけど、野手だったらワンチャン化けた可能性もあるんですよね。
    青葉との試合では二番を打ち、二軍投手相手とはいえ初見で外野までボールをもっていきましたし。あとは井口相手に大根斬りの悪球うち(空振り)もみせたり。

    • あ~、言われてみればそうかも。
      どうしても投手として相手から見下されてた印象が強いけど、もし野手に転向していたらまた違っていたかもですねぇ。

  2. 強化費用によって鍛えられたお花茶屋が墨谷の初戦の相手になるのですかね、まさか決勝で当たるとはさすがに思えませんので。
    秋に初戦敗退したとは言え、昨年夏のベスト4だった墨高から城東に練習試合を申し込まなくてもと思うのですが、川北や東実は本選で対戦予定ということでしょうか。
    城東がいくら鍛えられたと言え、小倉の余裕ある態度はちょっと納得いきません。正直墨谷とは格が違うはず、試合では圧倒的な違いを見せつけて欲しいものです。

    • いきなりお花茶屋が決勝戦で当たるほどに成長はなさそうですもんねぇ。
      序盤に思わぬ苦戦する相手って感じになるのかな~。

      城東の小倉監督の余裕は私も気になりましたw
      城東の練習を見て、小倉監督の余裕ある台詞を聞いた時の松下の表情が何を言いたかったのかなぁと思いますね。

  3. 谷口の学業成績がアップしているのはわかりますが、
    今のチーム力がどれくらいで何が課題なのか?
    (チームワークと体格以外で)
    がさっぱりわからないですねw

    タイトルは「キャプテン」なのにキャプテンが全然フォーカスされないし。

    とにかく墨高野球部と野球をもっと読みたいです。

    • 今のチーム力がどうなのかは全然見えませんね~。
      井口が近藤の捕手をやりたいと言ってるけど、そもそも今まで誰が正捕手扱いだったのかもわかりませんし……。
      このあたりも城東との練習試合でわかるのかなぁ?

      「キャプテン」だけどここまでは谷口と近藤メインて感じでしたもんねw
      ここにきて丸井が色々目立ち始めているから、今後は谷口、丸井、近藤の3人をメインに描いていくのかな。

  4. 遠征のバスなら近藤の家にもありますよね。借りてきて田所さんが運転ってのはどうでしょうね。田所さん以外免許持ってる人いないですしね。
    いくら秋季大会で1回戦負けでも墨高なら練習試合の相手には困らないと思うので、どんどん経験を積んで欲しいですね。とくに近藤、井口のバッテリーがあるのだとしたら経験が必要ですよね。井口もリード面となると経験がないわけですからね。

    • そういえば近藤パパが墨二野球部を乗せて行ってましたね~。
      頼めば貸してくれそう。
      田所さんも運転してくれそうですしw

      近藤井口バッテリーの不安要素ってそこですよね。
      近藤はもちろん、井口も捕手としての経験はないので、両者共にとにかく実戦こなして経験積まないと……。
      秋季大会の結果がどうあれ、墨高となら対戦したいって学校は多いだろうし、相手から来てくれそうな気もするのですが。

  5. ベレーナ on 2021年10月6日 at 8:37 AM said:

    いよいよ谷口の本格コーチが始まりましたね

    「それが‘練習’というものさ」と文句を言おうとする近藤を諭してあとは井口に任せるあたりも谷口の成長ですね。倉橋の影響も少しあるのでしょうか

    お茶花高校の杉本監督、機材を買おうとするところちょっと可愛かったですね

    松下も現場復帰するので、名門復活の兆し、舐めてかかれない相手がまた増えました。

    • ようやく谷口の指導や丸井の決断など、リーダーとしての彼らの活躍も描かれていきそうですね~。
      確かに近藤に対しても全てを自ら教えるのではなく、最低限の言葉だけかけて、あとは井口に任せていますね。
      腕組みして近藤に声をかける谷口に貫禄を感じてしまいました。

      杉本先生の興奮は見ていて微笑ましかったですw
      なんとなく気持ちがわかると言いますか……。

      城東は次の練習試合で現在の実力がわかりそうなので楽しみにしています。

      • ベレーナ on 2021年10月6日 at 8:49 PM said:

        アニメ版キャプテンでは中学卒業後に引退後は「指揮をするのは今のキャプテンだからOBがはしゃしゃり出てはダメ」
        と考えて、丸井を諭したり、こっそり応援に行くくらいですからそれはありそうですね

        近藤の実践投入には井口の例もあるので、まずは野球に対する姿勢やチームプレイなど基本的なことを徹底した方がいいと谷口は見ると思うのでもう少し先になりそうな気がします(丸井達の指導やキャプテン経験からかなりマシにはなりましたが谷口にすればまだまだ)。考え方の相違で谷口に意見してしまい、丸井がついに地を出して近藤を怒鳴ってしまうって展開も想像してしまいました

        (近藤は長い目で物を見るけど、谷口は目の前のことしか見ないタイプだと思うので)

        予備校を移るのも、監督業への支障や好待遇を甘んじて受けるとも考えにくいので断りそうな気がします

        長文失礼致します

        • 今回の谷口の指導や口ぶりだと、谷口の近藤への評価は丸井達と比べるとまだ低めって感じですもんね。
          置きに行ったボールでコースついて飛び跳ねて喜んでいるようでは……って感じなのかなぁ。
          谷口に意見する近藤と、その近藤を怒鳴る丸井っていう絵は、コメント読んだ瞬間にありそうだな~とその様子が頭に浮かびましたw

          でも実際谷口と近藤の違いってベレーナさんがおっしゃる部分にありますね~。
          なるほどな~と思いました。

          • ベレーナ on 2021年10月7日 at 11:25 PM said:

            谷口の基準は常に強豪か名門(極端に言えばプロ)レベルなので、そう思っていそうですね

            墨谷初のプロ入りは谷口であって欲しいけど彼の意向を見る限りは、イガラシと井口になりそうですね

          • イガラシは妥協できない性格だからこれからもいくつも壁にぶち当たって、その度に成長続けていきそうですもんねぇ。
            もし今回のメシ計画で悩みだった体格が大きくなれば、墨谷の中ではプロ入りにもっとも近い男になるのかなぁ。

            井口も初めての捕手で今はいいけど実戦の中で多くの課題に悩みそうですね。

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