ファミコン「ドラゴンクエストⅣ~導かれしものたち~」の感想です。
前作で終わったロト編に代わり、今作からは天空編がスタート。
最高傑作と言われたドラクエ3から、新生ドラクエはどのように進化し、
どのような評価を受けたか?
今作はドラクエシリーズでは唯一のオムニバス仕立てである。
プレイヤー=勇者の図式は変わらないが、勇者が登場するのは第五章からで、それまでは仲間キャラの物語を体験する事となる。
第一章:王宮の戦士
第二章:おてんば姫の冒険
第三章:武器屋トルネコ
第四章:モンバーバラの姉妹
第五章:導かれし者たち
といった順で、1つの章のクリアにかかる時間はおおよそ2時間前後ではないだろうか。
(PS版とDS版のリメイクでは第五章クリア後に第六章が始まる)
第四章まで仲間となる面々をプレイした後、第五章でプレイヤーキャラの勇者が登場。
ここからが冒険としては本番となる。
仲間になるキャラは前作の4人から8人へと倍となり、一度にフィールド上に出られるキャラは4人。
残りのメンバーは今作から初登場の馬車の中で待機する事となる。
メンバーチェンジは移動中・戦闘中共に可能。
なお、戦闘に参加していないキャラも戦闘終了時には経験値を取得できる。
そして、今作の目玉は何と言ってもAIである。
勇者以外の仲間キャラはプレイヤーが操作する事はできず、指示された作戦に従った行動を各々がとるようになる。
今作以降続く
「みんながんばれ」
「ガンガンいこうぜ」
「いのちをだいじに」
といった命令である。
仲間キャラクター達は戦闘をこなすごとに、敵モンスターに対してどのような攻撃が有効なのかを学習していく。
自分の思い通りに仲間キャラを操作できない
前作までは全員に指示出しできた直後だけに馴染めないユーザーもいた。
また、失敗する事で学習していくAIの機能がゲームプレイにはむしろストレスと感じる人もいたし、そのシステム自体を把握していない人もたくさんいた。
前作と比べて新鮮さに欠ける
基本的にグラフィックや画面構成に大きな変化がない(これは今でも言われる部分ではあるが)。
当時1~3まではそれぞれにわかりやすいシステム面での進化を遂げてきたシリーズだけに、
・AI
・呪文エフェクトの色の変化
など、結構な変化はあったものの、プレイ感覚に前作までほどの新鮮さが感じられなかった。
当時は二ヶ月後に発売されたスクウェアの「ファイナルファンタジー3」と比較する人が多かったですね。
特に「FF3」は後のシリーズにも繋がるダメージ表示方法や召喚獣など、大きな変化があっただけに私の周囲では今作よりも「FF3」を支持する人も多かったです。
新鮮さに欠けるという点は、すでに当時ファミコンでの表現力が限界にあった事もあると思います。
いつものフィールドグラフィック。
前作と大して変わらない戦闘画面。
また、新しい章に進むごとに毎回キャラをレベル1から育てる点について面倒という意見も見られました。
このように当時は否定的な意見も多数見られたものの、作戦コマンドなどは今となってはドラクエになくてはならない存在になりました。
逆に今、4人全員の戦闘コマンドを入力するなんて面倒に感じるでしょ?
確かにプレイをしていて「これは!」と思えるような新鮮さはないものの、新しいドラクエの第一歩としては十分制作側が作りたいとしていたモノは伝わってきたように感じましたね。