第35話「モウちゃんは強かったの巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!


聖陵高校の偵察から戻った半田の報告を部室で聞く墨谷ナイン。
1回戦は11対0。
2回戦は10対0と、共にコールド勝ちをしている聖陵。
でもこの2戦は弱いチームとの対戦なので、これくらいの点数は取って当たり前。
相手に1点もやらないのも当たり前だと分析。
ただ、先発出場したメンバーに2人だけ混ざっている2年生、セカンドの広瀬とファーストの大内(モウちゃん)だけは極端に打てず、
広瀬は14の2。
大内は13の1。

れっきとした3年生のレギュラーであるファースト荒井とセカンド小谷は、去年キャプテンだった西田によって干されているとのこと。
現在の聖陵はOB達があれこれ口出しをしており、現キャプテンもそれを快く思っていないため、チームとしてギクシャクしているという。
そういう意味で今年の聖陵にはつけいるスキがありそうだが、その試金石は広瀬と大内を先発で出してくるかどうかだと。

その頃、聖陵高校のベンチでは広瀬と並んで座るモウちゃんが荒井に足を引っかけられたと悔しそうにそのシーンを思い出していた。
打撃練習で1塁を回ったところで荒井に足を引っかけられて大きく転倒したモウちゃん。
驚いて駆け寄る西田たちOBに、
「先輩の教え通りに走路に突っ立ってただけですよ」
と慌てていいわけする荒井だが、
「あ、足を引っかけられました…」
というモウちゃんの発言に西田が荒井へと詰め寄る。
「練習中に大事なメンバーを傷つけるようなマネするわけないでしょ」
あくまでシラを切る荒井。
「お、おい、モウちゃん。どうなんだ?」
西田の問いかけにモウちゃんは
「い、いえ。なんでもありません」
「勝手にスッ転んだ僕が悪いんです」

と、ぐっと堪えるのだった。

「また……本能的に「なんでもありません」って言っちゃった」
再びベンチに座る広瀬とモウちゃんのシーンへと戻り、モウちゃんの言葉に広瀬も何も答えられない。

一方、グラウンドを他のOBたちと歩く西田は
「荒井と小谷で…モウちゃんと広瀬をタコ殴りにしてるのを目撃したことがあった」
と話す。
その現場に遭遇した西田がそれを止めたらしい。
「荒井と小谷はいじめっ子タイプ」
「モウちゃんはあからさまないじめられっ子タイプ」
「広瀬はいじめられっ子に助け船を出してしまうタイプ」

だとし、その一件もあって西田は現キャプテンの刈谷に荒井と小谷は「素行に問題アリ」だからしばらく外せと指示したらしい。
そして代わりにモウちゃんと広瀬を使えと。

西田の指示で荒井と小谷の代わりを務めるよう聞いたモウちゃんと広瀬は
「西田先輩!」
「そんなことをしたらおれ達あの人達に仕返しされるかもしれません!」
「お願いします! 変なことを言い出さないで下さい!」

と西田に嘆願。
すると西田は
「バッキャロー! このいくじなしが!」
と、モウちゃんの頬を一発はたいてみせた。
モウちゃんを見ているとホント情けなくなると腹を立てた西田は、絶対に自分の進言は取り消さないと言ってその場を去った。
完全にへこむモウちゃんだが、
「モウちゃん。でもこれはチャンスをくれているんじゃないのか?」
「荒井さんからポジションを奪うチャンス」

と広瀬が告げるが、大内にそんなつもりはなく、荒井が卒業するまで静かにしていたいんだと主張。
ところが偶然近くでその声を聞いた荒井と小谷が現れ、大内達が西田に泣きついたせいで自分達が外されるんだと言い、またも2人に暴力を振るい始める。

散々暴行を受けた大内と広瀬。
「おい、モウちゃん」
「おれ達このままでいいのか? こんな生活もうゴメンだぜ……」

と広瀬が呟く。
「やられたらやり返そうぜ」

翌日。
フリーバッティング中に出番が回ってきた大内に広瀬がそっと
「このフリーバッティングで荒井の奴を潰してやれ」
と話し、右手人差し指を見せる。
広瀬は医者の息子で心理学をかじっているらしく、もっとも暗示にかかり易いタイプだというモウちゃんに
「強いゴロしか打てなくなる」
「それも右方向のみ」
「ファーストを守ってる奴をブチ殺せ」

と、背中をポンと叩き暗示をかけて送り出す。
見事暗示にかかったらしいモウちゃんは、座った目でファースト荒井へ強烈なゴロを放つ。
さらにその後もファーストへのゴロを連発。
普段は引っ張り専門のモウちゃんがファーストへの猛ゴロを連発する事に驚く西田たちOB。
そして悲鳴をあげながらその打球を全身に浴びた荒井は、ほお骨陥没骨折で全治1ヶ月の怪我を負い、皮肉にもこの瞬間モウちゃんの打撃技術の高さも証明される結果となった。

ベンチに戻ったモウちゃんの背中を広瀬が叩くと暗示が解け、タンカで運ばれていく荒井を自分がやったんだと聞かされ驚く。
「モウちゃん」
「君がいかにバッティングの才能を持っているかおれだけは知っている」
「だが、それを発揮できないのは野球部の中でのちょっとした気の弱さだ」
「もっと気を大きく持っていこうぜ」

ニヤリと笑って告げる広瀬にモウちゃんは今一つ理解していない様子。
そしてそんな2人を無言で見つめる西田だったが、
「あのふたりはなんかたくましいコンビだぞ。セットで使っていくべきだな」
と刈谷にさらなる進言。
「おれは聖陵高校野球部の未来を背負って立つ人材を積極的に育てていくべきだと思う!」
だと話すのだった。

そして場面は再び墨高の野球部部室へ。
半田からの報告を聞いた谷口は、聖陵高校戦の先発にイガラシを指名するのだった。

ここで第35話は終了となります。

感想

広瀬の
「医者の息子で心理学をかじっている」
「暗示をかけることができる」

っていう設定は原作からの設定なんでしょうか。
やっぱり原作知らないとわからない部分がこれからもありそうかなぁ……。

それにしても西田は西田で色々チームの事を考えての進言なんだけど、現キャプテン刈谷との意思疎通がいまひとつ上手くいっていないように見えます。
このあたりが試合でどう響いてくるのか。
そして前回の流れからの聖陵戦先発を指名されたイガラシがどんなピッチングを見せるのか。

早くも試合展開が気になるところです。

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