第19話「みんなで力を合わせての巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!


河川敷で井口相手に金属バットでのバント練習を行う墨谷ナイン。
戸室は上手く打球を殺せずに苦戦。
その様子を見つめる谷口と田所。
谷口から師岡との練習試合の様子が語られる。

師岡には最初から金属バットでやってくれと言われたそうで、浪国戦の時みたいに師岡から金属バットを借りたという。
「最初から”金属”を使って試合ができる」
浪岡戦で金属バットの威力を知って心躍る様子の墨谷ナイン。
谷口はこの師岡戦は最初から気持ちが勢いづいていたと話す。
まず師岡のピッチャーは浪岡のピッチャーと比べて明らかに落ちるピッチャーだったという。
浪国のピッチャーは”2番手”。
師岡のピッチャーはおそらく”3番手”だろうと。
墨谷ナインも
「こっちのピッチャーは打てるのではないか」
と考えたようで、気持ちは”互角”になったといい、結果このピッチャーに対しては10安打5得点。

3番手と言っても師岡から5点取ったのは立派だと話す田所だが、ピッチャーの練習をさせてなかった井口をなぜ投げさせたのかを問われた谷口は、
「才能はわかっていたが考え方が誰よりも子供だった」
といい、あのままでは到底実践を任せられる感じではなかったと話す。
しかしどこかで成長を期待していたともいい、だからなのか自然と井口を突き放していたという。
それは自分と倉橋の”阿吽の呼吸”みたいな感じだったようで、その突き放しが効いたかはわからないが井口の意識が変わったらしい。
毎日学校での練習が終わった後、神社に行って丸井と猛練習を繰り返す井口の姿を実際に谷口は見ており、
その姿から
(この姿は今までの井口じゃない)
と感じ取っていた。

浪国戦で準備不足の井口をマウンドに上げたのは自分の「あせり」「迷い」からだったと認めつつも、ウォームアップを行ってからの井口は凄かったと話す谷口。
田所が井口を墨谷に誘ってくれた事にあらためて礼を言い、再び師岡戦の様子を回想。
師岡戦での失点は、5回と6回を投げたイガラシが2失点。
7回と8回を投げた松川も2失点。
1点差でストッパーとして最終回投げた谷口は、なんとか変化球でかわして逃げ切ったという。
その話を聞いた田所はドスっとベンチに腰を下ろし
(こりゃ……イケる!)
(このチームはイケるんじゃねーのか……??)

と大きな期待を抱きつつも、
(いや……簡単に信じるな! 期待するな!)
と、自身に冷静になると慌てて首を振る。
そして立ち上がると、
「なあ谷口……」
「だからと言って1年坊を頼りにしちゃイケナイよ」
「あくまでもチームの柱のピッチャーは上級生であるオマエと松川だ」

といい、そして第3のピッチャーはあくまでイガラシ。
井口は第4の投手という位置付けで考えた方がいいと言うと、意外に冷静だった谷口も同じように考えていたらしい。
自分達は去年ベスト8まで進んだが、その上の壁は高くて厚かったらしく、弱者である自分達がその上に進むためには
『誰かに一試合を任せる』
というのは厳しく、”分業”しないとダメだという。

例えば谷口がマウンドに居る時は、
ファースト井口
ショートイガラシ
サード松川
と入れる。
ポジションに常に4人のピッチャーを入れておき、この4人でショートイニングを全力で行くのだという。
そうする事で誰かがピンチになっても他のピッチャーで目先を変え、体力が戻ったらまたピッチャーに戻れるよう回そういう考えらしい。
「やはり”弱者”は…みんなで力を合わせるという戦法を取っていかないと…………」

それから墨谷は、平日は猛練習、土日は過密スケジュールの実戦(練習試合)を行う日々を送る。
地方遠征は金がかかるのでできないものの、浪国と引き分けたという噂が広まり、地方から東京に遠征に来る強豪校ともカードを組むことができるようにもなり、この2ヵ月で墨谷野球部はグッと逞しさが増した。

そして東・西の東京大会トーナメント抽選会の日。
抽選会を任されたのは丸井と半田。
谷口が本気で甲子園を狙っていると考える丸井は、
「変なクジ引いちゃったらどうしよッ」
とかなりのプレッシャーを背負うも、
「本気で甲子園をねらうならどこかで絶対強豪と当たる」
「いいクジも悪いクジもない」

という半田の言葉に気を持ち直す。

そこから最後のコマまでは抽選会場前にいる様子から、帰りの電車に乗って帰って来るところまで一切のセリフはナシ。
しかし、丸井の顔色が抽選結果を物語っており、最後のコマでは
「し、死にたい!」
と叫んでふさぎ込んでしまう。
一体どのような抽選結果となったのか?

というところで、第19話が終了となります。

感想

ついに谷口の口から語られた師岡戦の様子。
詳細というわけではないにしても、谷口含め墨谷ナインが確かな手応えを感じた事がよくわかります。
しかし、前回までの様子からもっとイケイケな気分なのかと思ったら谷口は案外冷静なようで、昨年のベスト8より上、さらには甲子園を狙うためには、井口の起用法も含めて自分達がどのような戦い方をすべきかしっかり見えているようですね。
このあたりは去年ベスト8まで進んだ経験と、やはりあの谷原戦での苦い経験がしっかり活きているような気がします。

そして東京大会トーナメント抽選会に赴く丸井と半田。
とくに笑うシーンではないのですが、どうしても丸井の様子に笑ってしまいますw
抽選会からの帰り道。
ずっと丸井の顔に縦線が入っているあたり、相当やばいクジを引いちゃったって事でしょうね。
どんな組み合わせになったのかは次回のお楽しみです。

ちなみにここで丸井が半田相手に
「半ちゃん」
とタメ口で会話している事から、修正されたアニメ版ではなく、あくまで漫画版の設定に基づいて描かれている事がわかります。
入部時期などから本当はアニメ版設定(半田の方が1学年上)が正しいのですが、漫画版の設定に慣れてしまっているせいか、アニメ版で半田の事を
「半田さん」
と呼ぶ丸井にどうも違和感があったので、こっちの方が読んでいてしっくりくる感じです。
逆にアニメ版から入った人だとヘンに感じるのかな?

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6 Thoughts on “「プレイボール2」第19話感想

  1. きんぞう on 2018年2月12日 at 12:44 AM said:

    半ちゃんの件ですが、元のプレイボールで丸井は谷口が2年の時に墨高に途中編入して来たと思いますので、半田と同学年が正しいのではないでしょうか。
    その時の谷口のノックしながらのセリフが「これでセカンドの穴は埋まったな」だったような…30年前の記憶ですが…

    • コメントありがとうございます!

      コメント下さったとおり丸井が編入したのは3年生引退後の谷口がまだ2年生の時でした。
      しかし、半田と鈴木が入部するきっかけ(?)になった部員募集のポスターのイラストを、補習で残っていた当時3年生の田所が描いていたことから、半田たちは谷口と同学年かと思います。

      • 通りすがり on 2018年2月14日 at 2:10 PM said:

        プレイボールに詳しい諸先輩方の話をまとめると
        半田と鈴木は谷口が一年でキャプテンになった直後の入部時点では谷口と同学年だったが
        作者が設定を忘れたか何か考えがあってのことか
        丸井編入あたりから谷口が3年になる頃までには丸井と同学年に変わっているみたいですね

        • コメント補完ありがとうございます!
          今、あらためて私が書いたきんぞうさんへの返信内容を見直すとよくわからない文章になっていた事に気付きました;;

          おっしゃる通り、半田と鈴木に関しては登場初期と後期では学年設定が変わりましたね。
          アニメ版では最初の「谷口や倉橋と同学年」という設定のまま最後まで語られていました。

  2. Biromi on 2018年2月7日 at 1:43 PM said:

    墨谷らしい考え方ですね~。4人でピッチャー、みんなで投げる。
    中学の時や去年までのように、一人で行けるところまで投げ、ボロボロになり、結局その次には進めない・・・というのではない。そこに谷口キャプテンの成長が見られますね。(偉そうですが・・・)

    「やはり”弱者”は…みんなで力を合わせるという戦法を取っていかないと…………」

    この言葉にジーンと来ました。がんばれ、墨高!と改めて思いました。

    抽選・・・なんで丸井が行ったんでしょうかね(笑)しかし、半ちゃんはいいこといいますね。墨高の影のブレイン?心の支え?かな、なんて思います。

    • 「みんなで力を合わせる」
      これぞ墨谷の野球って感じがしますねー。
      前回までの様子から谷口も井口の能力にもっと浮かれているのかななんて思いましたがいらぬ心配でしたw
      さすがキャプテン!

      確かに抽選会に丸井も行ったのはなんででしょうね?
      笑わせる場面でもないのに、感情豊かな丸井がいるだけで笑えてしまうというある意味すごいキャラだと思いますw

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