PSVitaソフト「戦国乙女 ～LEGEND BATTLE～」ストーリーの尾張編第二章と第三章です。
尾張 清洲城
数日後……
豊臣ヒデヨシ
こらあーっ！ トッシー、待てえーっ！
前田トシイエ
へっへーん、ここまでおいで！
豊臣ヒデヨシ
待て、って言ってるでしょ！
前田トシイエ
んだよ、ちょっとつまみ食いしただけだろ？ せこいヤツだなあ
豊臣ヒデヨシ
うるさい！ あの大福、楽しみに取っておいたんだからね！
前田トシイエ
固くなっちまう前にオイラが処理してやったのさ。ありがたく思いな
豊臣ヒデヨシ
もーっ！ せっかく御館様が買ってきてくれたお土産を！
前田トシイエ
何っ！？ あれ、御館様の？
豊臣ヒデヨシ
そ、そうだよ！ あたしがひとりでお留守番してたとき、
買ってきてくれたんだから！
前田トシイエ
……っくー！ やっぱ御館様は家臣思いの良い人だな！
どおりで甘く切ないお味だったぜ！
豊臣ヒデヨシ
……大福の味はどれも同じだと思うけど
前田トシイエ
いやいや、ヒデヨシはわかってねえな。
御館様の人柄が大福に乗り移って、えも言われぬ風味を醸し出すのさ
豊臣ヒデヨシ
何、屁理屈こねてんのさ
とにかく、あたしの大福くすねた罪は重いぞ！
神妙に殴られろ！
前田トシイエ
おおっと。そんなバカでっかい武器かかえてちゃ、
オイラには追いつけないぜ？
豊臣ヒデヨシ
ふん！ いつまで逃げ回る気？ まぁ、あたしが本気出したら、
トッシーの槍なんて敵じゃないんだからね
前田トシイエ
バカ言え！ オイラの槍技は天下無双だぜ！ あ、御館様は除く
豊臣ヒデヨシ
そんな軽々しい武器、あたしの百貫瓢箪で木っ端みじんにしてあげるよ！
前田トシイエ
ははんっ、やっぱりヒデヨシはわかってねえな。
力任せの時代は終わったのさ。今は技と速さが勝敗を分けるんだよ！
豊臣ヒデヨシ
さ、最後の勝負を決めるのは、一撃の重さだもんね！
前田トシイエ
その前にオイラの槍でナマズみたいに切り刻んで、食ってやるよ！
豊臣ヒデヨシ
……ナマズ？
前田トシイエ
ん？ あれ、ナマ……ズ……だっけ？ ナマスだっけ？
豊臣ヒデヨシ
うわ～……トッシー、ナマズなんて好きなの？ 悪趣味ぃ
前田トシイエ
ちっ、違う！ キモチ悪いこと言うな！
豊臣ヒデヨシ
や～い、ゲテモノ食いのトッシー！ 御館様に言いふらしてやろっと！
前田トシイエ
こんにゃろ～、もうアッタマ来たぜ！
豊臣ヒデヨシ
頭に来てるのはこっちだよ！
前田トシイエ
なら！ 勝負だ！
豊臣ヒデヨシ操作で前田トシイエ戦
織田ノブナガ
よう、ふたりで稽古か？ 精が出るのう
豊臣ヒデヨシ
はあっ、はあっ……あ、お、御館様……！
前田トシイエ
え、ええと、はい、稽古……です、ぜい、ぜい
織田ノブナガ
ぷっ……ハハハ！ よいわ、最初から見ておったわい
前田トシイエ
な……何だ……アハハ
織田ノブナガ
サルもウデをあげたのう。
ワシが拾ってきた頃からすると、見違えるようじゃな
豊臣ヒデヨシ
え、えへへ……ありがとうございます！
前田トシイエ
……ちぇっ
織田ノブナガ
トシイエも、まだ日が浅いというのにワシの家臣をよく務めておる。
悪くないスジじゃぞ
前田トシイエ
ほ、ほんとですか！？ へへっ、やったあ！
豊臣ヒデヨシ
……む～っ
織田ノブナガ
二人とも、そうして切磋琢磨するがよい。
せっかく似合いのケンカ相手に巡り合ったのじゃから
豊臣ヒデヨシ
ケ、ケンカ相手なんて……あたしはできれば仲良くしたいんですよ！
織田ノブナガ
ケンカするほど仲が良いと言うじゃろ？
豊臣ヒデヨシ
そういう仲を望んでるわけじゃないんですよぉ
織田ノブナガ
しかし、面白いケンカじゃった。
サルよ、上手く武器を振るえなかったじゃろう？
豊臣ヒデヨシ
そうなんです！ トッシーが手元ばかり狙ってくるから
前田トシイエ
あれはそういう戦術なんだよ！ ヒデヨシは力任せな攻撃ばかりだからな
織田ノブナガ
サルのペースを乱し、追い立てるとは。まるでイヌじゃな
前田トシイエ
イヌ……ですか？
豊臣ヒデヨシ
あたしがサルで、トッシーがイヌなんですね！
織田ノブナガ
これでキジがいれば、ワシはさながら桃太郎じゃな、わっはっは
尾張編:第三章～猪突迷進～
この頃 ノブナガ率いる尾張の軍勢は―
天下統一の一環として
しばしば駿河の国に攻め込んでいた
駿河はノブナガ軍をもってしても
一朝一夕には落ちない強国―
統べるは海道一の弓取り
今川ヨシモトである
尾張、駿河 国境付近
前田トシイエ
なぁるほど、あれがその駿河勢ってわけか
豊臣ヒデヨシ
あいかわらず堅牢な布陣だなあ。ほら、あそこに本陣見えるでしょ
前田トシイエ
ああ、どえらく目立つ旗印だけど……煙が見える。何だいありゃあ
豊臣ヒデヨシ
野点してるんだ
前田トシイエ
のだて？ 何でこんな戦場で、のんびり茶会なんてやってるんだ？
豊臣ヒデヨシ
そういう人なんだよね、ヨシモトさんって
前田トシイエ
わけわかんねえな……ま、どうでもいいけど
要はあの軍勢、全部やっつけちまえばいいわけだろ？
茶会なんてやってるなら、かえって好都合だな
豊臣ヒデヨシ
ト、トッシー？ これはトッシーの初陣なんだから、
慎重にいかなきゃダメだよ？
前田トシイエ
おいおい、どう見ても今が攻め時だろ、今攻めないと好機を逃すぞ
前田トシイエ
大体なんでお前が付いてくるんだよ。オイラひとりで十分なのに
豊臣ヒデヨシ
トッシーは初陣でしょ？ 御館様に言われて、あたしが補佐役になったの
前田トシイエ
ちぇっ、オイラひとりでも出来んのになー
そうだヒデヨシ、どっちが先にヨシモトの本陣に辿り着けるか、
勝負しようぜ！
勝った方が織田家の一の家臣、ってことで！ じゃ、先行くぜ！
豊臣ヒデヨシ
あっ、ちょ、トッシー！
もーーーっ！
前田トシイエ
いくぜぇ！
こんな軍勢 蹴散らしてやる！
トシイエ様のお通りだぁーっ！
前田トシイエ
へんっ、駿河の軍勢なんて大したことねえじゃんか
豊臣ヒデヨシ
ぜぇ、ぜぇ……と、飛ばしすぎだよ、トッシー！
前田トシイエ
このくらいドヒャーッて駆け抜けた方がいいんだって
豊臣ヒデヨシ
ドヒャーじゃないよ！ ほら、本陣の方向と全然違うじゃないか！
前田トシイエ
えっ？ ちょっと目算を誤ったかな
なるほど、本陣はあっちの見当か。よし、もうひと暴れ……
豊臣ヒデヨシ
トッシー危ない！！
前田トシイエ
うおっ！？
あっぶねー。誰だ、今の矢放ったの！ 当たったらどうすんだ！
豊臣ヒデヨシ
トッシー、ここ戦場だから…
？？？？
ま～たあなた達は性懲りもなく、
私のお茶会を邪魔しに来てくれましたわね！？
豊臣ヒデヨシ
ヨ、ヨシモトさん！？ 何でここに……本陣はあっちじゃないの？
今川ヨシモト
このヨシモト、敵軍をノホホンと待ち受けるほど
愚かではありませんことよ
本陣にいると見せかけて、密かにあなた達の背後を突くべく、
移動していたところなのです。オーホホホ！
前田トシイエ
背後を突くって、ここで鉢合わせしちまってるじゃん
今川ヨシモト
あ、あなた達がこんな見当外れの場所に斬り込んでくるなんて、
思いもしませんでしたわっ！
……って、あなたはどなた？
前田トシイエ
おっと、そうだった！ 戦場にも礼儀は必要だよな
やあやあやあ、遠き者は音にも聞け！！ 近くに寄って目にも見よ！！
豊臣ヒデヨシ
トッシー、全然遠くないから。目の前にいるから
前田トシイエ
いいとこでツッコミ入れんなよっ！
今川ヨシモト
あ～もう！ こんなところで掛け合い漫才やってる場合ですか！？
どこぞの雑兵の名乗りなんて聞いている暇はありませんわ。
まとめて私の矢で成敗してさしあげます！
前田トシイエ
雑兵！？ むっかー、このネェちゃん腹立つな！
豊臣ヒデヨシ
ヨシモトさんはキレイなんだけど……少し変わった人で……
今川ヨシモト
あらヒデヨシさん、キレイだなんて。お世辞が上手になりましたわね♪
豊臣ヒデヨシ
いやあの、今のは口の悪さを説明……
前田トシイエ
漫才してんのはどっちだよ！？
もういい、話が進まねぇから、かかって来い！
今川ヨシモト
望むところ！ イエヤスさん、行きますわよ！
徳川イエヤス
はい、お姉様
豊臣ヒデヨシ
……しょうがないなあ、もうっ！
前田トシイエ操作（COM豊臣ヒデヨシ）で、今川ヨシモト&徳川イエヤス戦
まさか（でもないけど）の敗北！
でも、ヨシモトの色んなものが見えたのでこれでヨシ！
前田トシイエ
ぜぇ、ぜぇ……つ、つえぇ
豊臣ヒデヨシ
だから、最初から突っ走り過ぎなんだよ
今川ヨシモト
勝負はあったようね。それとも、まだおやりになるかしら？
前田トシイエ
こんなところでやられちゃ、御館様に会わせる顔がねえ！
ヒデヨシ、ここは一旦退くぜ！
豊臣ヒデヨシ
わ、わかった！
感想
ついに登場しました、今川ヨシモトと徳川イエヤス。
イエヤスの台詞が一言だけだったのは残念だけど、代わりにヨシモトがベラベラ喋ってくれたし、こちらの敗北画面ではパンツ見せてくれたので妙な達成感。
ヨシモトって黙っていれば綺麗なのに喋ると残念な人ねｗ
今のところ尾張編で一番の常識人はヒデヨシっぽいなぁ。
それにしてもバトルに負けても先へ進めてしまったわけだけど、勝利してたらまた会話が変わったりしてたのかな？
またそのうちに再挑戦してみます。
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・尾張編:序章～第一章
・尾張編:第二章～第三章
・尾張編:第四章～第五章
・尾張編:第六章～第七章
・尾張編:第八章～第九章
・尾張編:第十章～終章
・ゲーム日記ページ
