(写真はPSP版)
日本ファルコムがPC98とFMTWONSで発売した「ブランディッシュ」。今回はPC98版の方をもとにレビューを書かせてもらいます。
主人公は賞金首のアレスという青年。バルカン殺害の罪で賞金首に追われる日々を送っている。ある時、バルカンの弟子であるドーラという女に追いつかれ、彼女の魔法で攻撃されるとその衝撃で二人とも地底へと落ちてしまった。ここまでがオープニングで見られるシーンである。
今作ではフルマウスオペレーションシステムとグラフィカルユーザーインターフェースを採用。ゲーム中の全ての操作をマウスでやってしまおうというもので、まだまだマウス操作の機会が少なかった当時は操作で戸惑ったユーザーも多いのではないだろうか。
地底から地上へ戻るのが目的で、
・RUINS
・TOWER
・CAVE
・DARK ZONE
・FORTRESS
の、5つのエリアをクリアしていく事となる。この中でも難関はDARKZONE(ダークゾーン)。地面が真っ暗で見えない上に落とし穴だらけという危険地帯。一歩ずつ調べながらマーキングして進むしかない。さいわいな事にこのDARKZOONは2階層しかないものの、ここが後半の一つの山場となるだろう。
今作は当時まだマウス操作を行う事の少なかったユーザーはまず操作面で悩む。テンキーや十字キーなら思い通りに動かせていたゲームキャラも、慣れないマウスだと振り返る動作一つするだけでも手間取った。そのあたりはゲームを続けていくうちに自然に慣れている事に気付く。今作でマウス操作自体に慣れたというユーザーさんも少なくないだろう。
そしてもう一つのクセモノが、
『アレスは常に正面を向いたまま』
という点だ。
当時発売されていた多くの2DRPGは視点は固定されたまま、そこをキャラクターがちょこまか動くという流れだが、この「ブランディッシュ」では、アレスが右を向くとマップもアレスの視点に合わせて変わるということ。今の3Dゲームに慣れたユーザーさんだと「何がおかしいの?」と思うかもしれない。しかし、スムーズに切り替わるのではなく、突然マップの見た目が変化するとかなり戸惑う。実際私の知人は「意味がわからない」と漏らしていた。
『アレスは常に正面を向いたまま』
という理屈さえわかっていれば問題ないのだが、それを知っていないとまず理解不能となる。そしてわかっていても最初はかなり戸惑う。
丁度時代がPC88からPC98へと移行しようとしていた時代。1つのダンジョンのみを舞台とした今作にはファルコムらしさを感じた。個人的にファルコムの真骨頂は広大な世界を舞台とするよりも、一つの地域など狭い範囲を舞台としたゲームにあると思っている。現在はPSPにてリメイク版が発売されている。PC98版を遊びたい場合はEGG。リメイク版ならPSP版をプレイしてみよう。