発売当時、他社の人気シリーズを押さえてトップ評価を得た今作。
今回はオリジナルであるPC88版を元にレビューしていきます。
(写真はPC88版以外の機種も混ざっています)

ゲーム内容


舞台となるのは聖地イシュ・バーン。
かつては人間とドラゴンが共存する大地だったが、何者かによってドラゴンの姿でいると絶命する呪いを掛けられる。
イシュ・バーンを去ったドラゴン達は異次元の島にドラゴン小国を作ってそこで暮らすようになった。
それから約2000年後。
ドラゴン小国に漂流した少女タムリンと、その地に住むブルードラゴンのアトルシャン。
二人は龍族の長老によって育てられる。

十数年の月日が過ぎ、長老はタムリンを人間の住むイシュ・バーンへと帰す決意をする。
その際にアトルシャンは自身の角を折り、角笛を作って困った時に吹くように語る。

数年後、イシュ・バーンの情勢は悪化を辿る一途となる。
タムリンは祈りの丘でアトルシャンの角笛を吹いた。
それを聞いたアトルシャンは人間に姿を変える事のできる「銀の鱗」を手にイシュ・バーンへと降り立つ。
というのがあらすじ。
これらはオープニングとしてビジュアルシーンで再現されている。

ランダムエンカウント式のロールプレイングゲーム。
マップが広大な上に移動手段が徒歩しかないため迷う事もしばしばあるが、「相談」コマントを使う事で仲間キャラ同士がヒントとなる会話をしてくれる。
もっとも行き先はわかってもマップで迷子になる事が多々あった。

最大5人PTとなり、戦闘は主人公のアトルシャン以外はオートで動く。
何人PTにいようが1人でも倒されてしまうとゲームオーバー。
戦闘はアトルシャン以外オートで、その思考は相当厳しいものがあった。
有名なのは回復して欲しい時にタムリンレーザーを放つヒロインのタムリンだが、私の場合ハスラム様がとにかく突進かましまくって死にまくりでした。
まぁ誰がよく死んだかは人によって印象が異なるかもしれないけど。
私はとにかくハスラム様。
戦闘突入するたびに、
「ハスラム行くなよ? 絶対行くなよ!?」
なんて、友達と叫んでいたもんね。
ハスラムにしてみればフリ以外の何物でもなかったのかも?
嬉々として敵に突進して行ってくれた。

今作がクリアまでにかかる時間が大変長かった理由。
それはマップが広大なくせに、瞬間移動できるアイテムや魔法、または移動速度が速くなる乗り物などの類が一切ないためである。
移動は全て徒歩。世界の端から端へ移動するのも徒歩のみ。
ダンジョンの奥でボスを倒した後も一部を除いては徒歩で再び来た道を戻らなければならない。
移動速度が速いかと言えばごく普通。
ゲームを開始してからクリアまでず~~っと徒歩です。

長く苦しい道のりをひたすら歩くため、クリア後の余韻は相当なものだった。
さすがにすぐに2周目をプレイしたいとは思わなかったけどね。
システムは「サバッシュ」の流れを汲んでいるものの、
「エメラルドドラゴン」というソフトとしては1作目であるため、部分部分で作り込みの甘さも目立つ。
だからこそ完成されたシリーズ物以上にオリジナル新作となる本作、そして続編への期待感は相当高かった。
本作の流れは同じくグローディアスタッフ制作の「ヴェインドリーム」へと受け継がれるわけだが、
「エメラルドドラゴン」としての続編を望まれたファンもいる事だろう。
しかし、本作はこの1作で終わったからこそ良かったと言えるのかもしれない。

なお、後にPCEやSFCに移植されたが、これらはオリジナルとはかなりの違いがある。
特に大きいのは街と街とを馬車で移動できる点。
それ以外にもマップ構成から音楽から大幅に変更されている。

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