第100話「TVを消した県民の巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!
信州学園戦。
墨谷は初回から4点を取る。
信州学園ナインに長野県民の期待が重くのしかかる。
「長野県民の想いは…それはそれ…。プレーヤーであるオマエ達はそんなこと気にせずやるんだ」
1回裏の攻撃を前に円陣を組んだ信州学園ナインに監督が諭す。
墨谷は松川と井口のバッテリー。
「初出場校は…色々やりくりして出場てきたんだ。けっして正統派じゃない」
(おれ達には伝統という目に見えないパワーがある)
気合いを入れる1番寺田だが、井口のセカンドへの送球にベンチの信州学園ナインは
「うわッ! グラウンドで見ると想像以上の肩ッ!」
と驚きを隠せない。
寺田が打席に入る。
長野大会では3割8分という高い打率を残している寺田に警戒心を強める松川。
初球。
内角へのボールとなって1ボール。
(うむ。きびしい。まだストライクゾーンは広がってないのかな?)
松川にとっての甲子園初マウンド。
(先頭は抑えたいね!)
2球目。
(速い!――が、おれには長野大会の自信がある! 甲子園でだって……打てる!)
寺田のバットが打ち返す。
打球はセンターへの大きな当たりだったが島田が捕って1アウト。
戻って来た寺田から
「けっこー重い球質だぞ」
との報告を受けて2番森下が打席に入る。
この森下も長野大会では3割を打っている。
初球。
外角へはずれるボールとなり1ボール。
(しかし審判、ギリギリのとこ正確に取ってくれるねぇ。まだまだストライクゾーンは広がってない)
と確認する井口。
一方の松川は甲子園初マウンドながら自分でも驚くくらいに落ち着いていた。
2球目。
シュートでサードへのファールフライとなり2アウト。
「うん。松川。たったふたりだけだが調子良さそうだぞ」
と、ここまで谷口も安心の内容。
打った森下もその球威に腕が痺れていた。
打席には3番春日井。
(森下はしびれたな…)
(おれは負けないぞ!)
初球。
カーブを見送って1ボール。
春日井の反応を見た谷口は、
「う~ん。バッターの反応を見ていると今日の松川の変化球はキレてるな」
と感じる。
2球目。
ストレートだと思って打ちに出る春日井だがシュート。
これもサード鈴木へのフライとなって3アウトチェンジ。
1回裏はたったの4分で終了。
これには甲子園係員たちも
「う~ん。高校生らしいテンポのいい攻撃」
と、笑顔を見せる。が、
「問題は墨谷の攻撃……」
と、この後の墨谷の攻撃時間を心配。
1回の攻防を見たテレビの前の長野県民からは早くも諦めの声もあがり始める。
2回表墨谷の攻撃は8番島田から。
初戦のような緊張感はまったく感じない島田。
初球を左中間へ打ち返して2塁打とし、ノーアウト2塁。
(こりゃこの回もイケルぞ)
手応えを感じた谷口。
9番鈴木は甲子園初打席。
この場面本来であれば送りバントだが打てのサインを送る。
(時間が経ってナイター化してくると試合が膠着するかもしれない。攻めるのは明るいうちだ。どんどん積極的に行く!)
攻撃的作戦の谷口。
そしてまだこれ以上点数さえ取られなければ、後半まだチャンスはあると信じるテレビの前の長野県民たち。
初球。
(打てる!)
打ち返した鈴木の打球はセンター前ヒット。
2塁ランナー島田が生還して1点追加。
打った鈴木も2塁へ到達。
「よし! 打て! 明るいうちに打って打って打ちまくれ!」
谷口の声に応えるようにその後も1番丸井、2番片瀬と打ち、2回表に2点追加した墨谷。
そして初回同様に2回裏もヒットが出ずあっさり攻撃終了する信州学園。
「全然打てん!」
「あ~ダメだこりゃ!」
ついに長野県民もテレビを消してしまう。
時間は午後6時。
照明の威力が少し増す。
(この試合はここからどんどんテンポアップされる。おれ達の2戦め…勝てる可能性が大幅に上がった)
見えてきた勝利を意識する谷口。
そしてスタンドでは、
「2回めの甲子園…そしてこりゃ次もあるじゃねぇか」
「おれ、もう一回甲子園来れるか?(新幹線代)」
と倉橋が、
「もう一回甲子園来なくちゃ!」
「新幹線代どーする?」
「と、父ちゃんに言わなくちゃ…」
(結婚するって…)
と、リカとサチ子が、
「わ~~! またまたお金集めなくちゃ!」
と、校長がそれぞれ2回戦突破の心配を口にするのだった。
ここで第100話が終了となります。
1回2回と得点を重ねる墨谷に対して、ヒットが出ずにあっさり攻撃を終える信州学園。
ここまでの様子を見ていると信州学園ナインはもちろん、監督にも初戦突破の重圧がかかっているようだし、正直ここからひっくり返すだけの何かが起こるとも思えない感じでした。
このままあっさり終わりそう。
次回は
家計を心配しだす田所。
『精神の野球! 心の野球!』
このまま二回戦勝利で次へ……って流れかな?
・第96話「部長の功績?の巻」
・第97話「ハリーアップの巻」
・第98話「客観的に考えればの巻」
・第99話「県民の想いの巻」
・第100話「TVを消した県民の巻」
・「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ
・「キャプテン」連載開始50周年記念特集ページ
・キャプテン2(13)
・キャプテン(1)
・プレイボール2(1)
・プレイボール(1)
先程の続きで、
例ですが、
http://hiro-game.sakura.ne.jp/?p=142062
記事本文に対してコメント欄が上下に長いです。
コメントがたくさん書かれる場合を想定して、ブログの設計・構築をされますように。
技術的にむずかしい場合は、わかる人に聞いてみてください。
ありがとうございます。
コメントありがとうございます!
すぐにとはいきませんが貴重なご意見として対応を考えていきたいと思います。
こんにちは
いつのまにか、鈴木がいつのまにかサードになってるんですね
最初はセカンドまたはライトの控えだったと思うのですが、努力でここまで腕を上げたのだと思います
松川もこれまでの努力が実ったという感じですね
この学年の人物では、加藤の活躍が見てみたいような気がします
清貧一郎さん、こんにちは~。
鈴木はこうやって見るといくつも守備できるし監督からしたら使いやすい選手っぽいですね~。
もう松川も加藤も高校野球最後の学年だし、やっぱり三年生には最高の舞台で思いっきり活躍して欲しいなぁと思います。
そういう意味でも甲子園このまま勝ち続けて欲しいです!
一見すると谷口たちが有利に見えますけれど、
審判としてみれば相手のほうがきもちいい攻撃をしてくれるので勝利して欲しいはずです。
調子に乗ってヒットを量産しまくるのはいいんですけれど、
下手に逆襲されるのがちょっと怖いですね、
一回戦であれだけあからさまなことをされていた以上、
調子に乗り過ぎるとかなり危険な場合も考えられます。
審判は時にはど真ん中ストレートでもボールと判定する可能性があるので、
様子を見ながら攻撃の時間を抑えてやるようにしないとしっぺ返しが来るかもしれません。
私は個人的には野球場は選手たちのものであるという考えを持っているので、
前回のような審判で決まってしまうような考えはどちらかといえば否定的で、
今回もそういうふうに決まってしまうと思うとちょっとさびしいです。
「問題は墨谷の攻撃……」
なんて呟かれているし、このまま打ちまくって時間使いすぎると……。
もし信州学園がここから巻き返す展開があるとしたら、そういう部分からかもしれないですねぇ……。
一回戦の大山高校も結局実力出し切る事なく終わった感じでしたし、ストライクゾーン拡がる前に決着つけないとダメなんだろうとは思うけど、
選手たちは気の毒だなって気はします。
しかし墨谷強いな~!まあTVの野球の試合観戦って、ひいきチームが負けてるとTV消したり風呂に入ったりで試合見るのを一時中断するのはわりとよくあることかなとw この先波乱な展開があるとすれば、長野県民のがTV消した後に試合経過見ようと再びTVをつけたら同点に追いついてたとか、甲子園の魔物的なものとかそういう展開くらいしか思いつかない。
あと、ピッチャーが松川の時はサード鈴木ってのは良いですね。プレイボールの頃から丸井が入る前は内野のセカンドでノック受けてたし、プレボ2の頃の練習風景では丸井の後ろに一緒にいてノック受けてたからセカンドの控えっぽかったですよね。でも丸井セカンドは絶対外せないからサードへコンバートはベターな配置でしょう。なんだかんだで谷口体制のチームに所属してて脱落せずに3年もちゃん練習してれば上達しますね。
そう考えると鈴木って器用というか、どこでもこなせる使いやすい選手な感じですかね~。
ダイエット目的で入部して、谷口キャプテン時代からの厳しい練習にもついて来ているから根性はあるんだろうなぁ。
そろそろ痩せてもいいかもw
確かに言われてみれば私も贔屓チームが序盤から点取られてチャンネル変えた記憶何度もありましたw
でも今回の信州学園見てるとこの流れ変えるのは相当厳しそうですねぇ……。
こんばんは。いつもありがとうございます。
来ましたね鈴木がwしかも甲子園でヒット打つとか!奇跡のようなw
あの体型でサードだったんですねw
あと他の方も触れらてましたが松川ナイスピッチングなのも嬉しいです。やっぱりエースですからね。欲を言えばというかほんと今さらで叶わないですが、谷口3年時に横井、戸室なんかの活躍がもっと見たかった。自分は横井のキャラが気に入ってたもので。
しんさん、こんにちは~。
こちらこそコメントありがとうございます!
最近鈴木の台詞や活躍が増えて、入部時の事思い出すと成長したな~なんて感じてしまいますw
松川も入部時から墨谷を支えてくれた存在だったし、三年生として甲子園で思いっきり活躍して欲しいなぁと思いますね~。
横井と戸室はもっと活躍させて欲しかったですねぇ……。
次から次へ入ってくる実力ある新入生に押し出される形になったのはほんと残念でした。
正直予選で燃え尽きて甲子園でボロ負けする可能性もあるかなと思っていたんですが、激戦区の東東京を余力を持って勝ち上がった時点で全国クラスの実力を持っていたんですね。それにしてもやはり予備校生が何度も新幹線に乗るのは代金がかなりきついですね。東京から大阪行きの夜行バスは当時なかったのでしょうか
甲子園常連校の谷原や川北に圧勝できただけに、ここまでの選手達の落ち着き具合見ても今の墨谷は相当実力ある感じですね~。
どこかで墨谷を知ってる学校か選手が登場したらそこが一つの壁になるのかなぁ。
調べてみると東京~大阪間の夜行バス自体は当時あったようで運賃も新幹線より安かったようです。
生まれる前の情報なので実際に1970年代はどうだったのかわかりませんが……。
こんばんは。他の方に習って、今後はhiro様と呼ばせていただきますね(あ、ちなみにTwitter(X)もフォローさせていただいております)。
今回も丁寧なレビューありがとうございます。なかなかグランドジャンプを読む機会が持てないので、hiro様のレビューに助かっております。
松川の活躍は嬉しいですね! 前年の準決勝谷原戦で、なにげに終盤まで無失点に抑えていた善戦の立役者だったのに、イマイチ影が薄かったので、今回はちゃんと「タマが重い」という設定も生かされて良かったです!
ただ一つ残念なのは、谷口の台詞です。
>(この試合はここからどんどんテンポアップされる。おれ達の2戦め…勝てる可能性が大幅に上がった)
まだ試合が終わってもいないのに、谷口君にはこんなこと言って欲しくなかったです。本来の彼なら「最後まで何があるか分からない。気を引き締めていこう!」と言うはずですが……。まあ、今さら突っ込むだけ野暮なので、この辺でやめておきます(苦笑)。
なお私のブログでは、続編二次小説に加えて「名勝負紹介」という企画も始めました。私もhiro様や他のファンの方と共に、キャププレ界隈を盛り上げていきたいと思っていますので、これからもよろしくお願いします!
こんにちは~。
こちらこそいつもコメントありがとうございます!
投手陣はどうしても井口や近藤が目立って、松川は描写的にその陰に隠れてる印象ありましたからねぇ……。
この試合でガッツリ活躍して欲しいです。
ご指摘あった谷口の台詞はその表情には緊張感が増していても、彼にしては珍しい考えだなと私も感じました。
この描写あるという事はこの試合はもう決まったのかなとも思いましたが。
新企画「名勝負紹介」早速読ませていただきました。
他の考察記事も含めて、記憶様のサイトはキャプテン・プレイボール愛を強く感じさせる文章が多いので、ファンとしても見応えあって楽しませてもらっています!
今回は、特に言うべきことも有りませんでした。正直、何か突発的なアクシデントでも起こらない限り、流れが変わるとも考えにくいし。
しかし……鈴木がヒットを打ったの、もしかして作中、これが初めてでは?
追伸
一箇所ミス。「2番広瀬と打ち」→「2番片瀬と打ち」が正しい。
やっぱりこのまま終わりそうな感じですよねぇ。
言われてみると鈴木がヒット打つシーンは記憶にないかも?
ミスの部分。
ご指摘ありがとうございます!
修正しておきました。
鈴木がヒットを打ったのって、ひょっとして「プレイボール」や「プレイボール2」を含めても、初めてなんじゃありませんか?
つまり、活躍らしい活躍をしたのは初めてということで……。
コメントいただいて私もプレイボールから思い返してみたのですが初めてっぽいですね~……。
作品の中ではかなりの古株なのに意外でしたw
一応プレイボールの第11巻で城東との練習試合で鈴木はヒットは打ってますよ~ 打者一巡のつるべ打ちの展開で打ってる絵が1コマだからわかりにくいかもしれないけどw ただ公式戦でヒットは初なのかも。
あら……練習試合ではヒット打つシーンあったんですね~。
情報ありがとうございます!
タカです!
お久しぶりです。
連載も100回記念ですね。
普通に考えて東東京勝ち上がった墨谷と長野代表でようやく初戦の長野代表、このままあっさり終わりそうですね。
次あたり大阪代表辺りとの試合のような気にしますが。
タカさん、お久しぶりです!
そう、今回で100回なんですねぇ。
なんだかすごくここまで早かった気がします。
この信州学園戦はたぶんこのまま終わるんじゃないかな~って感じですね~。
ひと波乱ありそうな雰囲気でもないし……。
最上級生なのにイガラシや近藤より扱いが下っぽい松川には頑張って欲しいです。
“球が重い”くらいしか言われなかったのに、
変化球がキレている新たな一面です。
シュートと言えばイガラシですが、
この漫画はシュートを持ち球にする投手多いですね。
墨谷が勝つのはいいのですが、
なんか呆気ない試合が続いて物足りないですね(笑)
今回はなんとなくこのまま終わっちゃいそうな雰囲気ですからね~w
信州学園の強さも見られるかと思ったけどそんな余裕はなさそうかな?
松川は確かに変化球のキレについて語られる場面は見た事なかったかも。
かなり調子いいみたいだしこのまま最上級生の力見せて欲しいです。
いつも楽しみにしています。
墨谷強しという印象ですが、このまま進んでくれればいいと思うのですがどうでしょうか?
松川が先発の時は鈴木がサードに入りますが、鈴木は上手くなりましたね。プレイボールで半チャンと同じ時期に途中入部した時の動機が「肥満防止のため」でした。下手くそで、当時、倉橋が半ちゃんよりはまだセンスはいいかなとか描いていました。それがスタメンサードで出るくらい上手くなるなんて。
彼も少しでいいので活躍の場面を見たいです。
こちらこそいつもありがとうございます!
今回の流れ見ていると信州学園に何かできるような余裕はなさそうだし、このまま試合終了まで行くかな~って感じますねぇ。
この後ストライクゾーン広がればさらに焦り出しそうですし……。
そういえば鈴木の入部目的って肥満防止でしたねw
いつかは使えるとは言われていたけど、甲子園でスタメン張れるまでなるとは本人も思っていなかったんじゃないかなぁ。
半田と比べるとどうしても目立たなかったので今回は活躍して欲しいですよね~。