2025年冬からアニメ放送が決まった「妃教育から逃げたい私」。
実は3巻まで読んでいたので、簡単にストーリーと感想を書いてみました。
アスタール王国の第一王子クラークの婚約者レティシア。
宮廷舞踏会でその可憐さに令嬢たちから声が漏れる中、クラークは別の女性をエスコートして登場する。
(あれ…私のエスコートは……?)
クラークはレティシアに隣りの令嬢ブリアナを紹介し、今日はレティシアの相手はできないと話す。
「それは…つまりその方がお相手ということですか?」
すまないと謝るクラークにレティシアの鼓動は大きくなる。
「と…いうことは婚約は……」
「…………そういうことだ」
クラークの返事が脳内でこだまする。
そういうこと=婚約破棄
と取ったレティシア。
「やったわーーッ!」
それまでの可憐さを吹き飛ばすような両手を大きく掲げての歓喜の雄たけび。
頭のティアラをぽーいと投げ捨てるその姿に、周囲の令嬢から公爵令嬢らしからぬ振舞いを非難する声が響くが、
「もう関係ないわーっ!!」
近くにいたクラーク付きの兄を捕まえ、
「兄様っ。聞きました?聞きましたよね!?」
「…ああ聞いた」
ヨッシャアアア!!と大喜びの妹を呆然と見つめる兄。
「苦節10年…」
「7歳で次期国王の婚約者となってから来る日も来る日も勉強勉強!ダンスダンス!
勉強勉強勉強ダンスダンスダンス!!そしてなぜか頻繁に行かねばならない茶会!」
「何ひとつ!楽しく!ないっ!!」
「人生諦めてたけどこれで解放されるのね!!」
喜びのあまり新しいクラークの相手ブリアナの手をとると、
「ありがとう不良債権受け取ってくれて!」
と礼を言い、外へと駆けだして馬車に乗り込んで屋敷へと帰って行く。
その日のうちに領地内でもレティシアお気に入りのアベルタ村へお引越し。
自由に走って、釣りをし、自分で捌いて、焼いて食べる。
大好きだった自由な生活を取り戻したレティシアは満面の笑顔でできたばかりの焼き魚を頬張るが、
「楽しそうだな」
そこへ現れたのはなんと婚約破棄したはずのクラーク。
もはや婚約者でもない相手に今までの作られた表情と態度ではなく、素の自分で接するレティシア。
2人の婚約は10年前にクラークが一目惚れした事から始まった話だった。
その後、苦痛の日々から逃れたいレティシアは、婚約破棄を狙ってクラークに様々な女性を送り込んだが効果はなく現在に至ったらしい。
そしてクラークから衝撃の一言が告げられる。
「ちなみに俺と君。まだ婚約中だから」
「は?」
近々迎えに来ると言って帰って行くクラーク。
屋敷に戻ったレティシアに兄がさらにショッキングな一言を告げる。
「よく思い出せレティシア。あの時クラーク殿下は一言でも婚約破棄と発声したか?」
そう。
婚約破棄はレティシアが勝手に思い込んだだけで、あの現場でクラークが発した返事は
「そういうことだ」
というものだった。
すべてはレティシアに嫉妬して欲しいクラークと、相談された兄による芝居だったのだ。
以上、第1話と第2話の流れを簡単に書いてみました。
近年の婚約破棄モノと言えば、
悪役令嬢
異世界転生
断罪
が主流ですが、本作はそれらの要素は一切なく、妃教育から逃げたい公爵令嬢レティシアと、そのレティシアにぞっこんな王子クラークのコメディ色強い恋愛ストーリーになっています。
王城に連れ戻されてからも何とか逃げ出そうとするレティシアと、その度阻止しながら必死に自分の気持ちを伝えるクラーク。
レティシアの話相手に抜擢されたこの芝居一番の被害者と言っていいブリアナなど、このマンガって人によって好みはあれど設定上で嫌味なキャラが登場しないのも読んでいて疲れない要素かと思います。
個人的にはレティシアとクラークの攻防(?)が好きだったので、レティシアがクラークを受け入れて以降よりもそれまでのストーリーの方が好きでした。
全体的にコメディ色の方が濃い作品なのでギャグマンガが好きって人も楽しめます。
アニメは原作と随分絵柄が変わっているようにも見えますが、放送開始されたら観てみたいですね。