第99話「県民の想いの巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!


信州学園との試合は一回戦に続いて第4試合。
試合開始時刻は夕方5時。
「さぁ、ストライクゾーンが広くなってくる前に…」
「明るいうちに先制点」

一回戦で学んだストライクゾーンの問題を口にする谷口と半田。
信州学園先発の住友の投球練習を見つめる墨谷。
アンダースローでコントロールがものすごく良いらしく、長野大会5試合に登板して出した四球はたったの2個だという。
下手投げの打ちづらさはありそうだと話す谷口。
一方、夏の甲子園に連続出場しながら5回とも初戦負けしていることや、甲子園に弱い信州学園ということで長野県民が苛立っている事に、信州学園監督や住友もどこか緊張の面持ち。

「フォアボールが少ないということは安心してどんどん打っていける」
打席に1番丸井が入る。
初球。
1球目はどんな球を投げるか見てるため見逃してストライク。
ボールのわずかな変化に
(意識したシュートなのか?)
(それとも単にシュート回転してきてるだけなのか?)

と考える丸井。
2球目。
またもシュート回転のボール。
これは打ちにいったが飛びついたサード春日井のグラブに当たるもファール。
(お。これは打てますよ…)
手応えを感じたのか、不敵な笑みの丸井。
(2球で追い込んだ。先頭は打ち取るぞ)
こちらも追い込んで若干余裕を見せる住友。
3球目。
外角から真ん中に入って来る変化球を引っ張る。
3塁線へ飛んだ打球をまたも春日井がとびつきグラブに当てるが今度はフェアとなりノーアウト1塁となる。

打席には2番片瀬。
谷口は送りバントのサイン。
初球できっちり送りバントを決めて1アウト2塁となった。

打席には3番井口。
(先制点は取られたくない)
キャッチャー安楽が内角に構える。
初球。
これまで同様シュート回転のボールは際どいコースに入るがボール。
(まだこの時間帯はストライクゾーンは広くなってないかな)
(それにしてもこのピッチャー。すごいナチュラルシュートするねぇ)

そう感じながらの2球目。
今度は外角へ逸れていくボールにバットを振りかけるが止めてこれもボール。
(もうちょっと暗くなったらストライクコールされるのかな…)
3球目。
内角から真ん中へのナチュラルシュートを井口が打ちに行く。
(まずい!)
安楽の心の叫び。
打球はセンター前に落ちるヒットとなる。
2塁ランナー丸井は3塁を回った。
際どいタイミング。
ヘッドスライディングした丸井だが、その手は安楽のミットによって阻まれてしまいホームベースに触れる事叶わず。
アウトとなった。
その間に打った井口は2塁へ。
「うっ。やられた!」
「センターいい肩……!」

思わず漏らす墨谷ナイン。
半田の調べでは信州学園の守備は大山高校と遜色ないほどいいらしい。
「惜しい! ナイス走塁でした」
すれ違いざま声をかけるイガラシに丸井は、
「ナチュラルシュートのボールがまん中に入ってくるぞ…」
と伝える。

2アウト2塁となって打席には4番イガラシ。
(ツーアウトになって得点確率が下がったのか? いやいやまだあきらめませんよ)
初球。
真ん中から内角へナチュラルシュートするボールを見逃して1ボール。
(このナチュラルシュートは威力がある。いいコースに来たら打てないよ)
2球目も外角に外れるボール。
だがこれも外れはしたが威力を感じたイガラシ。
(そしてもうちょっとしたらこの2球はストライクと判定される)
3球目。
外から真ん中へのナチュラルシュート。
(でもこれはそのまま振ったらファールになる!)
(手首を返しちゃいけない!)

意識して打ち返した打球はレフト線ギリギリに落ちるヒットとなった。
2塁ランナー井口が還って墨谷が先制点。
ベンチへ戻る際に5番松川に
「松川さん。ナチュラルシュートがまん中に入ってきますよ」
と伝える井口。

そんな信州学園の試合を見守る長野県内の各所では、
「あ~信州学園先制点取られちゃったよ~~~~」
「また初戦負けか~?」
「たかだか1点取られただけだ!」
「今年こそは1勝!」
「たのむよ信州学園!」
と、嘆きと応援の声が飛んでいる。
だが、
「暗くなる前に打つ!」
と、一回戦の経験から積極的に打ちに行く墨谷打線は止まらず、1回表に33分かけて4得点!

ここで第99話が終了となります。

感想

長野県民の想いに応えたい信州学園から早くも4点取った墨谷。
一回戦に続いて自分達のペースを保っている墨谷と、想いに応えたい気持ちが強く出過ぎてかたくなっている信州学園。
さらにストライクゾーン問題を考えると、この時間での4点はその点数以上に大きく感じます。

次回は
新幹線代を心配する予備校生達。
『TVを消した県民』の巻

予備校生達はともかくTVは消さないであげて欲しいですが……。
つまり消したくなるような展開になるって事でしょうかね。

関連リンク

・第95話「目が慣れる頃の巻」
・第96話「部長の功績?の巻」
・第97話「ハリーアップの巻」
・第98話「客観的に考えればの巻」
・第99話「県民の想いの巻」
・「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ
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8 Thoughts on “「キャプテン2」第99話感想

  1. 清貧一郎 on 2024年12月7日 at 10:15 PM said:

    こんにちは
    私もいつも楽しみにしてます
    相手投手の投げるシュート回転のボールが、この後の試合の展開に影響するか気になります
    1回戦と同じようにあっさり終わって、3回戦へという流れかもしれません

    • 清貧一郎さん、こんばんは~!
      コメントありがとうございます!

      イガラシも警戒するくらいですからねぇ。
      この後ストライクゾーンが広くなって、そこから展開が変わる可能性はありそう……。

  2.  ゲーム子様、今回も分かりやすいレビューありがとうございます。

     うーん、何でしょう。後の展開が難しい立ち上がりにしちゃった印象です。コージィ先生らしいと言えばらしいですが。
     信州学園、このまま咬ませ犬にされるのは、ちょっと気の毒です。原作「キャプテン」のような北戸中のように、反撃に期待したいところです。もっとも、そうなると墨高側の誰かが打たれなきゃいけなくなるので、それはそれで悩ましいですね……。

     なお私の方も、小説「続・プレイボール」最新話を今朝アップしました。気が向いた時にでも、訪問していただけると嬉しいです。
     今後ともよろしくお願いします!

    • 記憶様。
      こちらこそコメントありがとうございます!

      谷口だけでなく選手個々にも余裕が見える墨谷と、長野県代表として大きなプレッシャー背負っている今の信州学園の差は大きいですよねぇ。
      でもここまで長野県民の想いも描いて一方的に負けるだけというのも考えにくいとこですがどうなりますか……。

      「続・プレイボール」第84話本日公開されたんですね!
      早速読みに行きます!

  3. 中ラマ on 2024年12月4日 at 12:15 PM said:

    いつも楽しみにしてます。

    さあ、2回戦、墨谷打線爆発でワンサイドになりそうな気配です。

    出場回数は多いけどだいたい1回戦で負けるチームってありますよね。その地域に強豪校がいないでしょうけど、今なら東京、大阪等の激戦区から選手が流れて地方でも強くなったチームは結構あると思います。

    早く3回戦を見たいのですが、一悶着あるのでしょうか?

    • こちらこそいつもありがとうございます!

      一回戦を経て墨谷側に余裕すら感じさせられる落ち着いたプレーしてるなって印象でした。
      一方の信州学園は監督含めてかなり気が張ってる様子なので、このままいけばワンサイドになりそうですが……。
      このままでは終わらないような気はしますねぇ。

  4. にしなさとる on 2024年12月4日 at 8:31 AM said:

    長野県の常連校。戦前に優勝経験有り。しかし近年の甲子園ではパッとしない。ということは、信州学園のモデルは松商学園でしょうか?

    エース住友、半田の言葉に反して、細かいコントロールはさほど良くないようですね。予選では、甘いコースに投げても打たれなかったのでしょうか?

    今回、両チームの先発オーダーが掲載されていないのは、意図的なものでしょうか? 墨谷の先発は、どうやら松川のようですが。

    • そういえばいつもの両チーム先発メンバーの紹介が今回はないんですよね~。
      今回に限って載せていないという事は何かあるのかな?

      住友は力が入りすぎてるのかな~と思って見ていました。
      この後開き直ってストライクゾーンが広くなると脅威になるのかなぁ。

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