第95話「目が慣れる頃の巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!
大山高校戦。
5回表に大山高校に2点先制されるが、近藤から井口に代わってピンチを凌ぐ。
その裏の攻撃を前に円陣を組む墨谷。
この回から打順は3まわりめに入り、そろそろこっちも目が慣れてくる頃だと話す谷口。
そんな谷口に丸井は狙い球でも絞りますかと聞くが、少し考えた谷口は、
「いや、そんなことはしなくていい。ただ来たタマを打てばいいんだ」
と指示。
打席にはこの試合初打席となる萩原。
（初打席の奴には打たせんよ……）
と思うキャッチャー奥田だが、
（そうは言ってもだ…）
（ここまで毎回の7安打。失点にはつながってないが、なんかものすごく打たれた気がする）
と若干弱気のピッチャー成田。
それでも控えには打たれんと気合いを込めての初球。
『ただ来たタマを打つ』
を心掛けた萩原の打球はサード正面のゴロ。
サード鳥羽が落ち着いて処理し1アウト。
アウトになったもののいい当たりをされた事に戸惑う成田。
打席には1番丸井。
この試合で1本はライトゴロになったものの、実質2本打たれている丸井相手に慎重な大山バッテリー。
ここでも
『来たタマを打つ』
と、初球叩いた打球はライト方向への大きな飛球となるがファール。
2球目も同じくライトへの大飛球を飛ばすと、今度はライト長内の頭上を超えるライトオーバーの3塁打となった。
マウンドに集まる大山内野陣。
倉部監督は
（2点差……。まずは1点返すためにスクイズか？）
（いや谷口クンはやってこないな。ヒッティングでくる）
と考えて定位置で守るよう指示。
その様子を見つめる谷口と半田。
「下がってきたね」
「スクイズはし易くなりましたが…」
「いや、しないよ」
倉部監督の読み通り、谷口にスクイズさせる考えはない。
打席には第1打席でライト前ヒットを打っている片瀬。
（ゴロは打たない。レベルスイングで外野まで飛ばす）
（最低でも犠牲フライだ！）
そう思いながら初球からヒッティング。
打球はセンターを越えるかという大飛球だったがセンター大川原がダイビングキャッチ。
2アウトにはなったものの、その間に3塁から丸井が還って2対1と1点差。
あまりの大きな当たりに動揺を隠せない大山バッテリー。
「いやこれでいいんだ！ 1点で済んでツーアウトランナーなくなった！」
ベンチから檄を飛ばす倉部監督。
打席には3番井口。
井口も初球から打つと、これもセンターへの大飛球。
今度も打球に飛びつく大川原だったが、そのグラブをかすめて打球はセンターオーバーとなり2塁打。
2アウトランナー2塁。
そして打席に4番イガラシが入る。
ここまでいい当たりは出ているが不運にもヒット0のイガラシ。
2塁に井口がいるが、倉部監督との約束を守って打者へのサイン送りはしない。
初球。
（ただ来たタマを打つべし！）
イガラシの打球はライト正面へのライナー。
これまたツキがないと思われたが、
「いや、外野の正面のライナーは気をつけろ！」
（目測を誤る時がある！）
と慌てて声をあげる倉部監督。
捕球態勢に入っていたライト長内だったが、
（伸びる――？）
打球はその頭上を越えていった。
解説席では
『ライトが目測を誤ったというよりはすごい伸びるライナーだった』
と話すほどの打球。
2塁から井口が還って同点。
打ったイガラシも3塁まで進む。
「ウチのバッター陣。完全に目が慣れてきたな」
と話す谷口はベンチ奥で見ていた部長に、
「そろそろいいじゃありませんか。前に出てきて試合をご覧になったら」
と声をかけるが、
「いや私はいい。気が弱くてな。こんな甲子園の試合なんてまともに見れない」
と前には出て来ようとしない。
もはや試合を見てすらいない様子の部長だが、
「どうやら部長の提案してくれた練習が功を奏したかもしれません」
と谷口は言う。
『甲子園を決めたらもう楽しい練習だけしていよう』
部長の言葉から始めた練習。
「甲子園に来ても毎日打ってばかり。それのお陰か？ ちょっと目が慣れたら止まらなくなっちまいましたよ」
「まだまだ点は入るような気がします。見ませんか？」
その言葉に部長はようやく前へと出て来る。
打席には5番の松川が入ったところ。
ここで第95話が終了となります。
初回からいい当たりはしていた墨谷打線。
ここに来て目も慣れて一気に火が付く感じでしょうか。
谷口はこう言うからにはこの回大量得点となりそうな予感ですがどうなりますか。
それにしても谷口は監督としての貫禄出てきましたね。
甲子園初采配とは思えないほど落ち着いているし方針もブレない。
安心してついて行ける風格を漂わせています。
次回は
第4試合の恐怖ふたたび！
『部長の功績？』
まだ簡単には終わらない感じかな？
・第91話「ランナーセカンの巻」
・第92話「第4試合で良かったの巻」
・第93話「3度めの対決の巻」
・第94話「上級生のプレッシャーを背負ってくれたの巻」
・第95話「目が慣れる頃の巻」
・「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ
・「キャプテン」連載開始50周年記念特集ページ
・キャプテン2（12）
・キャプテン（1）
・プレイボール2（1）
・プレイボール（1）
墨谷ペースになりつつありますね。 さすがに激戦区の東京、甲子園組の大学生との特訓で揉まれてきただけのことはありますね。 ここで選抜出場の大山高校を退ければ、一気にベスト4くらいまでは行くかもしれませんね。 その後、谷口には見事、東京大学に合格して、墨谷の１年時のように弱小チームを引っ張って東京六大野球で活躍して欲しい。
この試合色々動揺させられる要素はあったけど、墨谷側が監督選手共に動じずにしっかり自分達の野球やってるのが心強いですね～。
このまま一気に畳みかけるか。
それとも大山が初出場校に対して意地を見せるのか。
まだ何かあるかなぁ……と睨んでいるのですがどうなりますか。
先発の近藤の高めを狙った速球を、叩きつける打線の相手に遣わなかったのが謎です。。井口にしても得意のシュートを遣わない謎！！
そのあたりの描写なかったですねぇ。
5回までどのような投球していたのかはわかりませんが、もしかするとその中で使っていた可能性もあるのかな？
最初は少し手こずっていましたが緊張もなく勝てそうで安心しました。そういえばやたらと新幹線の話が出てましたが、夜行バスはなかったんでしょうか？
サイン送りの件やグラウンド状態など色々問題は起きたけど、谷口はじめ墨谷が全然慌てませんでしたね～。
確かに新幹線高ければ夜行バスもありそうですが、この時代の夜行バスってどんな感じだったんでしょう？
東実OBの中尾とか、谷原の監督とか、テレビの向こうでゾッとしているでしょうね……
この打線で五番を守り抜いた松川にも期待したい！ ……けど、釣り合いを取ってアウトになるケースが多い印象もありますｗ
墨谷の怖さ知っているだけに……って感じですかね～。
松川そう考えると展開的に損な役回り多いのかなｗ
いつも楽しみにしてます。
墨谷打線、目が慣れてきましたね。次回のタイトル「部長の功績？」の通り、墨谷打線爆発でワンサイドゲームになりそうに思います。
こちらこそいつもありがとうございます！
谷口の自信見るとこのまま一気に大量得点か？って感じではあるんですよね～。
大山側がサイン送りの疑いがある以外に何も仕掛けて来てないのは少し気になるのですが……。
４回まで、両チームともランナーは出すものの点が取れない緊迫した展開。
大山が２点先制したことで試合が動き始めた感じですね。
そして、無失点ながら７安打もされて毎回ピンチを背負う大山のエース、成田。
精神的に消耗しているところへ長打３本くらって、あっという間の同点。
次の松川を出したらガタ崩れする可能性が高く、となると、大山の控え投手の力量が試合を大きく左右しそうです。
5回からようやく試合が動き始めた感じですね～。
墨谷打線は7安打にアウトもいい当たりはしていたようなので、成田はこのままいくと崩せそうな感じでしょうか。
そう言えば大山の控え投手に関する情報はまだないので、交代したらまだどう動くかわからない感じでもありますねぇ。
あと、イガラシの打球をライトが捕り損ねたのは、初回に丸井の打球をセカンドが捕り損ねたのと同じケースですね。
初回からファインプレーを連発して、解説も「名手」と称賛を惜しまなかったライト長内が、打球が常識外れに伸びたせいで捕れなかった。
こういうプレイが試合を大きく左右しかねないのは、野球に詳しければ知っていることで、はたして……。
もしこれがプロ野球なら、成田、ここでマウンドから降ろされても文句の言えないところです。
安打でも四死球でも次打者を出塁させたら、間違い無く降板でしょう。
もちろんそんなことは、成田本人が一番よく解っているでしょうが。
そう考えると流れとして次回は大山二番手が登板する可能性が高そうですね～。