第74話「ほんのちょっとだけの変化の巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!


決勝戦。
7回を終わって0対0という予想外の展開に、応援に駆けつけた墨高校長と支援者たちはビックリ。
気の弱い校長の不安がどんどん膨らむ中、相木と今野が声をかける。
校長からここまでの展開を聞かれた相木たちは、墨谷打線が大路のスローボールを打ちあぐんでしまったと説明。
校長はお花茶屋の頭の良さと、それを活かした準決勝のような展開を心配していたらしく、
「王道じゃないんだが不気味。これがイヤなんだ」
と話す。
だが、現在8回表の墨谷の攻撃は3連打で1アウト満塁のチャンス。
次打者は4番イガラシ。
「大丈夫です! ここで絶対先制点が入る!」
そう校長を励ます相木と今野だが、ここでお花茶屋監督が出てきてピッチャー交代を告げる。
大路に代わってマウンドに上がったのは大路修二。
大路の双子の弟だった。
「確かに似ている。顔も体型もそっくり」
と口にするイガラシ。
投げるボールも兄弟で全く同じ。
だが、先発した兄が左だったのに対して弟の修二は右投げ。
「これに代えた意味とは?」
谷口監督もこの交代の意味がまだわからない。

試合再開。
打席にはイガラシ。
初球外側へはずれる球を見送ってボール。
(なんだよ。こんなボールなら右も左も関係ない)
2球目も見送ってボール。
(ひょっとして押し出しもあるか?)
(いや! もうスローボールは慣れた! 多少ボールでも打つ!)
そう決めての3球目。
一転してまさかの速球にファール。
「このピッチャーは速いタマを投げる!」
驚く墨谷ベンチ。
だが打席のイガラシは冷静だった。
(しかしこれは確かに左と右で幻惑された)
(そういう意味ではスイッチした意味はあったが…)
(それでもまだ遅いよ! 今まで戦ってきた高校と比べれば!)

4球目。
(よし! ここだ!)
バッチシのタイミングでバットを振るが今度はストレートではなく変化球。
(バットが止まらん! 引っかける!)
体勢を崩しながらもなんとか右方向へ打ち返し、打球はライトへ抜けようかというあたりだったものの、セカンド粕目が飛びついてセカンドライナー。
さらに1塁走者の井口が飛び出していたためこちらも戻れずにダブルプレー。
1アウト満塁という大きなチャンスを逃してしまった。
「ちくしょう! やられた!」
ヘルメットを叩きつけて悔しがるイガラシ。
谷口監督はこの
「ほんのちょっとだけの変化」
が落とし穴だと分析。
敵ながらうまいと評価する。

8回裏のマウンドに上がったイガラシ。
イガラシに疲れは全くないものの、お花茶屋打線がイガラシのボールを急に捉える瞬間がある事を危惧する井口。
打席には1番沙羅。
初球カーブはタイミングが合っておらずファール。
だが2球目ストレートは完璧に打ち返され、センターの頭を超えようかというあたりに島田が飛びつくが、グラブからボールがこぼれてしまい2塁打にされてしまう。
次打者2番緩崎にも初球ストレートをレフト前へ打ち返されてノーアウト1・3塁のピンチ。
(ストレートにはタイミングが合う時がある)
そう感じる井口。
内野陣がマウンドへ集まる。
「スクイズの可能性が一番高いと思う」
「先制点をやるわけにはいかねぇ! 死んでも守り切る!」

檄を飛ばすキャプテン丸井。
一方のお花茶屋監督は、墨谷内野陣の守備力の高さを考えて、焦ってスクイズに行ったら命取りになるとし、まずは1塁ランナーを2塁へ送るよう打者にサインを送った。

ここで第74話が終了となります。

感想

お花茶屋二番手はまさかの大路の双子の弟修二。
ここまではお花茶屋監督の思惑通りに抑えられてるようです。
そしてマシン練習したイガラシのストレートはバッチシ合わせられるけど変化球は全然。
校長の言葉を借りるなら今まで王道ばかりだった対戦相手に、いきなり掴みどころのない不気味な存在が現れたって感じかなぁ。

8回裏にきてノーアウト1・3塁とされた墨谷。
このピンチをどう凌ぐのか。
またお花茶屋はここでどういう攻めをしてくるのか。
目が離せません。

関連リンク

・第70話「バケモノの巻」
・第71話「勝利の女神の巻」
・第72話「イガラシ対策の巻」
・第73話「気の弱すぎる人の巻」
・第74話「ほんのちょっとだけの変化の巻」
・「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ
・「キャプテン」連載開始50周年記念特集ページ

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14 Thoughts on “「キャプテン2」第74話感想

  1. イガラシのラーメン on 2023年11月22日 at 6:27 PM said:

    ここまで試合展開を見てて、どうにもお花茶屋には甲子園行きを決める決勝戦のラスボスという強敵感というか巨大な壁みたいなオーラが感じられず、正直盛り上がりに欠ける試合ですかね~ プレボ2の練習試合の相手だった大阪の波国の方が遙かに大物感あった気がします。
    試合前は谷口の大学進学に関するシーンもわりとあったし、高校野球はさっさと畳んで次期のイガラシ世代が甲子園行きを見事達成しましたにして、谷口の大学野球編を来季にでもやる算段なんですかね?しかしここまで話引っ張って甲子園逃すのも嫌だな~w

    • お花茶屋というチーム全体が強敵というイメージよりも掴みどころない印象なんですよねぇ。
      墨谷が偵察など情報あまり仕入れていなかったせいか、うまい具合に振り回されてる気がしました。
      確かに浪国の方が大物感はありましたね(笑)

      やっぱりここまで来たら墨谷に勝って欲しいです!

  2. とにかく蕪木が出てくると5イニングくらいは打てなさそうです。
    となると延長18回まで行きますか。
    お互いボロボロで甲子園ですね。
    できれば墨谷に来年以降の甲子園での活躍の前段として
    甲子園にいければと思います。
    今年甲子園で1回戦勝で2回戦で優勝候補と良い勝負して負けて
    谷口監督も勉強できて志望大学合格で監督続投してほしいですね。

  3. 青葉は松下のスローボール(本人的には速球ですが)にすぐ対応したのに、
    今回の墨谷は対応力ないですね…
    対戦相手の研究も全然してないし。

    お花茶屋はお花茶屋でピッチャー二人も温存して、
    専修館と明善に勝ったとは。

    控え選手が何故か緊張しまくり、
    監督が全然動かない墨谷と大違いです(笑)

    • 墨谷側の反応見てると事前に情報集めたりしてないのかなって気はしますよねぇ。
      かつて墨谷がやってた偵察研究特訓を今回はお花茶屋に全部されてて(笑)
      らしくないな~と思っちゃいます。

      今の流れは墨谷にとってはイヤですよねぇ。

  4. 延長に入れば墨谷は松川、井口、近藤ともしかして片瀬もいますので
    量的には優位なのですがね。近藤がポイントとも思うこともあります。
    イガラシ投手他のイライラが早く治ればよいですが。
    逆に谷口監督のここまで何も手を打たないのも嬉しい不気味ではある。

    • 確かに投手陣はまだみんな控えてるから、イガラシ以外の対策をお花茶屋ができているかも気になります。
      そこまでの余裕はなさそうだけど……。
      でも抑えても点取れない現状をなんとかしたいですねぇ。

  5. 昨年、谷原をあそこまで苦しめて今年は初戦で圧倒
    したのにこんなチームには負けたくないですね。
    あと東実にもあれだけの勝ち方したのに嫌な流れです。
    あそらく次回はノーアウト1,3塁を何故かワンアウト2,3塁にして
    内野ゴロ(あえてスクイズせずに)でランナースタートさせて
    3塁ランナーがアウトのあと2塁ランナーがホームインするのでは。
    *次回のおとりとは昔、広島商の迫田監督がセンバツで江川を倒すため
    数々の秘策のうちの一つで考えていたものを使用するかも。
    いずれにしてもこの試合簡単に9回で終わらない気がしますが。
    何かこの試合谷口監督のやる気がいまいち感じられず選手が
    イライラしてのもこのままいくのか?それとも突然、東実戦の
    最終回のように金言が出て連続本塁打のように逆転するのか…..
    いずれにせよ「お花茶屋」は甲子園行くのは勘弁して欲しい笑。

    • 次回予告にある奇策「おとり」ですね~。
      ここまでの描写だけ見るとお花茶屋の方がどっしり構えてるなというのは感じました。
      勝って当たり前だと思っていた墨谷と負けてもともとだと考えていたお花茶屋の差もあるのかな?

  6. ちょっと甲子園の出場を決める決勝戦にしては物足りない展開だと感じましたね、
    速い球を投げる程度で驚くなよって
    谷原を相手にコールド勝ちしたあの圧倒的な展開はどこにいったのやら

    • あの谷原を圧倒した姿を見ているとそう感じてしまうかもしれませんね~。
      墨谷がお花茶屋の情報をほぼ持っていない感じなのも気になりました。
      それとも情報持ってるけどその上を行かれたって事なのかなぁ。

  7. にしなさとる on 2023年11月15日 at 12:54 PM said:

    「ほんのちょっとだけの変化」って、そういう意味でしたか。
    しかしこんな手は、当然、そう何度もは通用しない。おそらく大路弟は、打順一回り保てばいい方。
    そんなことは野球に詳しければ判ることで、お花茶屋の監督も承知しているはず。
    従って、なんとかこの8回裏で点を取りたいはずだが……それが駄目で延長になったら、今度こそ蕪木を投入か?

    • まさか左右違う弟がいるとは思いませんでした。
      8回裏このチャンスでお花茶屋がどう仕掛けてくるのかなと気になっています。
      とりあえず1塁ランナー送って1アウト2・3塁にして、予告見た感じだと何かを仕掛けてくるようですが……。

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