第72話「イガラシ対策の巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!
お花茶屋との決勝戦。
1回表墨谷の攻撃は1番丸井が倒れて1アウト。
打席には2番半田。
お花茶屋先発の大路の初球。
遅い球に対して半田は
「引きつけて引きつけて」
引っ張らないバッティングをするもセカンド正面のゴロとなって2アウト。
打席には3番井口。
「井口! わかってるな。引きつけろよ!」
谷口監督から指示が飛ぶ。
初球。
(うッ! 遅い!)
想像以上に遅かったのか、引きつけて引きつけるも
(これは打たない)
と見送ってストライク。
2球目。
(誘ってる……)
これを打ちに出るがバックネットへのファール。
井口には大路の球がいかにも打って下さいと言っているように見えた。
3球目。
ここも慌てないよう自分に言い聞かせて球を待っていると、球の軌道がクク…っと変化。
(へ? ションベンカーブ!)
(打てる!)
これを思いっ切り引っ張ったが、打球はファーストの目方が飛びついて捕球し3アウトチェンジとなった。
1回裏。
墨谷の先発はイガラシ。
投球練習で大路とは対照的に速い球を投げ込むイガラシ。
しかもイガラシは東実戦や城東戦で1球も投げておらず休養十分。
解説席ではお花茶屋打線がこのイガラシを打つのはかなり難しいと見る。
投球練習を終えたイガラシの元に丸井がやって来て、昨日イガラシと話した事について悪かったと詫びる。
「今日のとこは確実に”仕事”をしよう。そして晩はジュースで祝勝会だ」
「はは。ハメを外さないで下さいよ。丸井さん」
打席には1番沙羅。
初球は沙羅が見送ってストライク。
(高校2年の夏…おれは甲子園に行く!)
イガラシは肩の軽さや体調の良さ。
そして格下相手に対しての気の緩みも全く感じていなかった。
(明善のピッチャーよりも速い)
万全なイガラシの投球に沙羅が感じる。
(大事な初球は良し! 気持ちが乗っていた)
ベンチで見守る谷口監督もイガラシの調子の良さを感じていた。
第2球は空振りで2ストライク。
お花茶屋監督は思う。
(思いっ切りフルスイングしたら当たらんか)
(イガラシのような小さいくせに速いボールを投げるピッチャーは厄介なんだ)
大きなピッチャーと違い、イガラシのような小さいピッチャーは投球モーションの流れの中で、足が短いからあっという間に着地し、短い腕もどこを回ってくるのか確認しづらく、いつの間にかボールが射出される。
これが遅いボールなら問題ないが、速いボールだとあっという間にキャッチャーミットに到達する。
タイミングが取りづらい相手だが、それはアームを持たないバッティングマシンに似ているという。
マシン相手の場合、補助役が
「行きま~す」
と声をかけてボールを投入し、バッターはボールがレーンを落ちてくるのも目視できることでタイミングも合わせられる。
そこで考えたイガラシ対策がボールレーンにタオルをかけて見えなくし、ボールが落ちてくる軌道を見えなくして打つという練習だった。
第3球。
(イガラシをあのタオルをかけたマシンと思い込む)
イガラシの投球をマシンと重ねた沙羅はバットに当ててファールにする。
第4球は打ち上げてピッチャーフライとなり1アウト。
打席には2番緩崎。
緩崎もマシンでの練習をイメージして初球から打つが、セカンドゴロとなって2アウト。
3番猫田も同じく初球から打ちに出る。
今度はセンター前に落ちようかというライナー性のあたりだったが、センター島田がダイビングキャッチしてなんとか3アウトとなった。
しかし
「なんだ?」
タイミングを合わせられたイガラシは不気味さを感じていた。
ここで第72話が終了となります。
墨谷とお花茶屋共に1回は三者凡退。
遅い球への対応がうまくいかない墨谷と、速い球への対応がバッチシなお花茶屋って感じでしょうか。
お花茶屋がイガラシ対策として行った練習風景は、なんとなく昔の墨谷二中や墨高を見ているようで懐かしく感じました。
体調も球の走りも万全なイガラシは初回お花茶屋のバッティングをどう思ったのか。
色々気になるところです。
・第68話「墨谷なんて忘れちめえの巻」
・第69話「お花茶屋のスコアの巻」
・第70話「バケモノの巻」
・第71話「勝利の女神の巻」
・第72話「イガラシ対策の巻」
・「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ
・「キャプテン」連載開始50周年記念特集ページ
スローボールピッチャー相手に打ちあぐねる展開は、今やってるグラゼニでもナックルで同じようなことやってるし、やはり作者が同じだからネタ被ってますか?w
お花茶屋は絵的に見れば墨谷よりも選手層が薄いようなので、こういう場合は旧作の流れだと格上側がファールで潰せ作戦でピッチャーを疲弊させるとかやりそうですが、ああいうのは野球漫画的には悪役ポジションがやることだし決勝戦の序盤だし谷口采配の墨谷ではやらないかな?w 個人的にはもうちょいイガラシには活躍してほしいんですが。
ファールで粘って潰すっていうのは墨谷がよくやられた作戦でしたねぇ。
確かにイメージとして谷口監督がやると妙な感じになっちゃいそう(笑)。
初回は球を捉えられている印象だったイガラシだけど、それがわかったからこそここからイガラシらしさを発揮してくれそうな期待をしているのですが……どうなりますかね~。
丸井キャプテンだった頃の墨谷二中が選抜大会で対戦したコウナン戦を思い出したよ。あの時も回が進むにつれて捕らえられた印象だったね。相手打者の目が慣れる前に投手交代してしのぐのもいいね。4人もいるんだからさ、後半見どころかな。
緩い球打てないってのは、微妙にバットの芯を外す投球をしてるのか?ただのスローじゃ抑えられんぞ。まあある意味謎だね。
思った以上に球をとらえられて警戒心を強めるイガラシっていうのはまさに港南中戦思い出しますね~。
おっしゃるようにここは投手陣を惜しみなく投入していくのもいいと思います。
墨谷打線、大路の緩い球に手こずっていますね。現実にも、緩い球をうまく使って打たせて捕る投手はいます。
ただし数は少ない。これは、スローボールを正確に狙ったコースに投げ込むのが、意外に難しいからなんですが……。
一方で今回の内容、お花茶屋がイガラシ先発を読んでいたように見えてしまうのがちょっと。
状況を考えれば、近藤以外の誰が先発しても、おかしくなかったはずです。
あと、前回書いた、お花茶屋の監督が考えている『策』。
多分、墨谷打線が大路をとらえ始めたところで、蕪木を投入するんじゃないでしょうか。
緩い球に目が慣れたところで速い球の投手が出て来ると、実際の球速よりずっと速く感じてしまう。
スローカーブの後に速球を投げられた場合と、同じことです。
ただしこの程度の作戦、野球に詳しい者なら誰でも予測できること。
この策の厄介なところは、解っていても対応困難なことなんですね。
言われてみると墨谷の投手陣でイガラシ先発を完全に読んだ対策でしたね~。
他の投手が出て来た場合の対策もしているのかな?
イガラシ対策だけでも精一杯な気はしますが……。
大路→蕪木の継投で少しでも失点少なくして、イガラシを完全に捉えるっていうのがお花茶屋の作戦でしょうかねぇ。
これまでの内容で見る限り、お花茶屋の監督は頭が切れる上に抜け目も無い人物です。
イガラシ以外の投手が先発してきた場合も、考えていたでしょう。
あの対策は、他の投手に対しても有効なことから、やったんじゃないでしょうか。
と言っても、それだけで攻略できるとは、思っちゃいないでしょうけど。
確かにお花茶屋監督はあらゆる対策をしていそうですねぇ……。
そしてこれまでの相手と違って墨谷を格上と見てるから油断もないし。
そう考えると不気味な相手だなぁ。
お疲れ様です、今回もありがとうございますm(_ _)m
もうまさにこれは、白新戦そのものに感じますが?
近藤が投げてるならばまだしも、イガラシは単なる速球派じゃないし、いくらでも芯を外す変化球で対応出来るし、攻撃面は次のイガラシからの打席であの時のクローズドスタンスからのちょこん打法で見本見せて、ドンドン得点出来るようにしか思えないのですが、それでもピンチな感じの展開にしていくのでしょうか?(^_^;)
こちらこそありがとうございます!
確かに墨二時代の白新戦思い出しますね~。
しかも次はイガラシからだしここであっさり大路攻略して蕪木が結局早い段階で登板という流れもあるのかなぁ。