第18話「教えてやる! 弱点をの巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!
夜の部室内で向かい合って椅子に座る丸井と半田。
丸井は中学時代に谷口が作ってくれた伝統を受け継ごうとして失敗した話をする。
港南中との試合で近藤に当たり散らし、人目もはばからず不貞腐れた結果、みんなからキャプテンクビを突きつけられたこと。
自分はそこまでされなきゃわからない人間だから、今回は同じ轍を踏むまいと誓ったのに、またも暴君復活となってしまったと。
無理な練習を強いたせいで、秋の大会前に松川・鈴木・井口・片瀬という主力4名が怪我。
でも、それは所詮ツキ指程度のもので大会には全員間に合ったと言う半田だが、丸井はあそこからギクシャクし始めたと言う。
「中学の時みてえにいっそキャプテンを排斥されていたらスッキリしたかもしれねぇ」
「だが今は高校生だ。そんな子供じみたことはしてくれねぇんだ」
それについて半田は自分が妙な受け皿になってしまったと話し、部員が半田に相談しに来た事を思い出した。
集まった面子は3年生が、
松川
鈴木
2年生が
永住
旗野
坂田
萩原
平山
芳村
那須
の計9名。
「丸井のやり方は古い」
「もっと合理的になって行かないと」
「明らかにおかしい練習はオカシイと言える雰囲気がないと」
と話す部員たちに半田は、
「しかし現実問題生ぬるいことをやってるだけじゃ勝てないのも事実で…」
「丸井の持ってる気概みたいなものは重要なことだよ」
と諭したが、鈴木や松川からはそれはわかった上で副キャプテンである半田に橋渡しをしてもらいたいと頼まれたらしい。
一方で丸井を支持する丸井派も存在。
島田と加藤は
「おれ達中学の時は丸井排斥に加担しちまったけど……今度は丸井の味方だよ」
と話し、同じく墨二出身の久保も
「僕も墨二の魂を忘れていません」
と丸井側についた。
さらには井口も、
「おれ…素手ノックでツキ指するヘマをしちゃったけど…アレは自分が未熟でした」
「丸井さん。もっともっと鍛えて下さい」
と話し、片瀬も
「僕、新チームになって初めてマトモに練習させてもらえました。もっといっぱい練習がしたいんです」
と丸井側に。
そしてイガラシは
「丸井さん。日和ったら負けですよ。厳しさこそが唯一チームを上のステージへ引き上げる道です」
と声をかけてくれたようだが、丸井はいっそチーム一丸となって追い出してくれれば良かったのに、なまじ派閥みたいなものを生み出したことがチームの雰囲気を悪くし、その結果が秋の大会一回戦負けだと嘆く。
いまだそのシコリをどこかで引きずっているという半田に丸井は、
「谷口さんはこの雰囲気に気付いているのか…?」
と言って、二人はそのまま黙り込んでしまうのだった。
その頃、予備校帰りの谷口は松下に現役の時より何キロ太ったか聞いていた。
3キロくらいは太ってるかもねと話す松下に、自分もそれ位だといい、後輩達から投げるボールが若干重くなって、打撃の飛距離も若干伸びていると言われた事を話す。
そして丸井からは、これらの理由について、谷口がこの春から野球に復帰して以前と変わった事と言えばウエイト3キロ増。
野球選手はウエイトを上げた方がプラスになることが多いのではと聞かれたらしい。
それなら野球部員全員もっと強制的に食べさせちゃったらどうかなという提案も受けたらしい。
と、そこへリカ達と一緒にいた小学館予備校の元球児コンビと遭遇。
二人の出身校や予備校のレベルの高さにライバル心を抱く松下。
すると
「でも……確かに谷口クン……そんなに大きいわけじゃないよね」
と言われて、バカにしてやがんのかと心の中で怒鳴る松下と平然とした表情の谷口。
「いや……その体格でよく神宮で2本もホームランを打ったよね」
と話し、自分達は体は大きくなったけど全然ダメだったという。
お花茶屋高校野球部は、ただただ頭でっかちなだけだから、練習の中に体を大きくするメニューを取り入れていたそうで、ウエイトがあった方が飛距離が出て打球速度も速くなり、内野を抜けていく打球も増えてくると考えていたらしい。
それを聞いた谷口は
「どうやって練習メニューで体を大きくするの? 教えて」
と質問する。
場面変わって墨高校舎内。
廊下を歩く近藤たち墨二組一年生は、丸井派と半田派という野球部の派閥について話していた。
みんなより早くグラウンドに出てきた近藤は自主練しようとする。
するとすでに井口が一人で壁当てをしている。
(この人、中学時代はツッパッてて怖いイメージあったけど…同じチームになったら案外「いいセンパイ」なんだよな)
そんなことを思いながら
「井口はん。ワイもええでっか?」
と声をかけて、いつものように「はん」を指摘されて怒られる。
二人並んで壁当てを行いながら、近藤は井口が丸井派か半田派どっちなのか聞いて怒らせてしまう。
「オマエ最近慣れてきて馴れ馴れしくなってきたなァ」
と睨んでくる井口に怖さを感じつつ必死に否定する近藤。
すると
「よしじゃあいいよ」
「これからこの間から言ってるオマエの弱点を教えてやるよ」
と言われて、自分がゴロを転がすから捕れと言われる。
思った以上に速いゴロを投げられて重心をそらして捕球する近藤。
「今、正面に転がしたのになんで重心をそらして捕ったの?」
という井口。
その次の球も顔を上に向けて捕球。
さらにその次の球は勢いに恐怖し、その場で頭を抱えてうずくまって避ける始末。
「おま……なんつーよけ方するんだよ」
「硬球がそんなに怖いか?」
これにはさすがの井口も若干驚いた様子でたずねる。
井口は近藤とキャッチボールしていて、硬球を怖がってる人の捕り方だとすぐにわかったらしい。
バッティングもボールが怖いから腰を開く。
あれではボールに力が伝わらず、ボールの勢いに負けて手が痺れるのも当然だと。
もっとも軟球から硬球に変わったら怖くなるのは当たり前のことらしいが、近藤の場合その傾向が普通の人より強いと感じたらしい。
これは硬式野球の上達を阻み、後々ネックになってくるという。
「ワ、ワイ。実を言うと中学の時からそーゆーことを言われてきましたんや。どないしたらええでっしゃろ? 井口さん」
必死の様子でたずねる近藤に井口は、
「ふん……。ナマイキな口を聞くのはこれを克服できてからのようだな」
と返すのだった。
ここで第18話が終了となります。
ようやく墨高野球部の現状が見えてきた感じでしょうか。
これまで見えていた雰囲気通りに丸井派と半田派という派閥に分かれてしまっているようですが、想像と違っていたのは肝心の丸井と半田にわだかまりはなく、むしろ現状に二人して頭を悩ませている点と、部員のほとんどが反丸井に回っているのかと思っていましたが、墨二組や井口、片瀬は丸井のやり方を支持していた点。
丸井が言うようにこの雰囲気を谷口が気付いているのかどうか。
なんとなく今の谷口は自分のことでいっぱいいっぱいなようにも見えますが……。
そしてこちらもようやく判明した近藤の弱点。
硬球を怖がっているとなると、近藤だけじゃなく他の一年生も含めて克服するための練習をやるのかな?
以前谷口が半田に素手でボールを捕らせていましたけど、今回はどんな方法をとるのか。
気になるところです。
・第14話「予備校生なのに二足のワラジの巻」
・第15話「暴落した墨谷株の巻」
・第16話「気持ちいいキャッチボールの巻」
・第17話「成長した浪人1年生の巻」
・第18話「教えてやる! 弱点をの巻」
・「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ
野球以外の今の現代スポーツは化学的根拠や相手の分析や研究に無論根性や精神の強さ、化学論や精神論この二つを融合こそ今の現代スポーツである墨高にそれらが合わされば甲子園も夢ではない
確かにその二つを融合取り入れたら墨高がどうなるのか気になります!
もしかするとライバル校で先を越すチームも出てくるかも……。
この漫画の設定が70年代後半ですから、やる気や根性、気合が重要視されてた時代でもありました。厳しくつらい練習に比例して強くなるといったイメージももたれていたのではないか?ケガする程の猛練習、さらに罵声を浴びせ、それについていけない根性なしはどうせものにならないだろう。といった偏見も多く見られました。じゃあ逆に聞くけど厳しい猛練習やパワハラに耐えれた選手が超一流のプレーヤーになれるのかと言うと甚だ疑問じゃないですか。今の時代かつてのような過激すぎて怒鳴り散らす練習方法は見直されてきて、効果的な練習方法が研究されてきています。実際今現在と40年前を比較しても選手達のレベルアップは相当なものです。かつては140キロの速球はなかなか打てないとされてきたのが、今では普通。それどころか150キロすら珍しくない。変化球にしてもかつて高校野球ではカーブとシュートが主だったのが、今ではフォークが普通に投げれるしその他の種類も豊富。打撃もかつては甲子園ラッキーゾーンが設けられてたのが、30年近く前に撤去され、それがなくとも本塁打は結構出ています。普段の練習でも、うさぎ跳びなんてのは実は膝を痛めるとのことで行われなくなり、又体に水がたまるとの理由で練習中の水分補給がかつては禁止されていましたが、今ではNGとわかりました。
時代の進化とともに厳しくつらいだけの練習方法では勝てなくなりつつあるのではないでしょうか。20年以上前は甲子園の常連校で優勝経験もある学校が、監督は代わってないにも関わらずここ10年くらい甲子園に出れていないなんてこともあります。野球の進化とともにかつて通用した指導方針が通用しなくなってる可能性もあります。
半田と丸井といった二つの派閥ですが、半田派の人達は非常に現代的な考えで、恐怖で縛り付ける教育には否定的で、もう少し個人の能力に合わせた練習方法を、といった考え方では?ここで誤解してほしくないのは厳しいのがダメってわけではなく、あくまでも効果的な方法をです。毎日素振りを500回やっても打てなかった選手が、バットの振り方を修正した結果、打てるようになったとか。毎日必死に投げ込みしていたけど結果が出なかった投手が、変化球をマスターさせコントロール重視の練習方法に切り替えた途端よいピッチングをするようになったとか。そういった技術面での指導も上達には必要ではないでしょうか。
丸井派と半田派の主張というのは、そういう意味では昔と今の練習法の比較という構図なのかなとも思いますね。
どちらが良い悪いではなく、その中で両者の良い部分を取り入れた新しい形の練習方法が見つかればよいのですが……。
お互いの妥協点が見えないまま、谷口が外側から情報を集めて互いの着地点へと導いていくのかも?
丸井は悲しいかなカリスマ性に乏しい分、
激昂するのだと思いますが、
本当にヤバい練習させるのは丸井より断然谷口とイガラシですよね。
イガラシの代までの墨ニ式と近藤の改革で変わった墨ニ式の融合なのかな?
何にしても谷口が監督としてのビジョンを示さないと。
今のところストーリー上は練習参加しているただのOBでしかないw
谷口やイガラシと比べると丸井は一歩ぬるい部分が墨二時代の合宿でも見られましたよねぇ。
あの時もイガラシに背中を押される形で練習メニューを厳しくしましたし。
今、あの練習をしてチームが分断してしまった以上、おっしゃるようにここは近藤が変えた墨二の練習法も取り入れていくことになるかなぁと思います。
でもほんと今のところ谷口って監督というより練習参加してるOBでしかないですねw
今は自分の事でそれ以上考える余裕がないのかとも思いましたが、監督就任前にチームのおかしさには気付いていたので、ここはあえて丸井や半田に託しているのかなとも思いますね~。
井口と近藤は良い師弟関係になりそう。
チームがまとまっていない中で井口と近藤は順調に関係を築いている感じですね~。
あの問題児だった井口が近藤を導いていくっていうのはなんとも楽しみにさせてくれます!
島田達は丸井との付き合いも長いし井口や片瀬も谷口に鍛えられて名門並みの練習をしないと勝てないって分かってるから丸井に賛同したんですね。
松川は倉橋の影響を受けていると思うので「これでついてこれないならその程度。頑張るしかない」くらいいうと思ってましたが
やはり教育係の井口さんは今回も出ましたね。近藤の弱点は過去の井口と同じく硬球の使い方と守備。
丸井がキャプテンとして落ち着きを備えた分、しかり役を担うことになりそうです
墨二組時代に猛練習で鍛え上げられて実績残してきた選手にとっては、やり方への考えは色々あるかもしれないけど丸井の練習方法を完全否定はできないでしょうね~。
松川に関しては確かに中学時代から倉橋と共にやって来たこと考えると意外ですよね。
性格は違えどおっしゃるように練習や野球への考え方は倉橋寄りかなと思っていました。
今の墨高において井口の存在は頼もしい気がします。
他の面子がそれどころじゃないのもありそうですが、チームが分断しちゃってる間に井口が近藤を育てていく感じかな?
なるほど・・丸井は丸井らしく墨高を強くするために素手ノックをしたのですね。墨二中出身者は丸井キャプテン時に猛練習で結果が出ているから丸井についていくのは分かりますが、井口は相当丸井を信頼していますね。まあ丸井との特訓のおかげで一人前になったのだから丸井が谷口を尊敬しているぐらいですかね。片瀬も上手くなりたいから賛同は分かりますし、イガラシは同然練習の鬼なので丸井のやり方は反対しないと思います。
だから丸井キャプテンなら聞けないが谷口監督なら丸井ほどの無茶はしないが甲子園出場を部長から命題されているので去年よりさらに過酷な練習になると思います。
実際谷口も谷原戦で勝てなかった理由は圧倒的な実践練習不足もあると思うので
あと近藤の弱点は硬球怖さ・・こりゃかなりヤバいですね。井口が本当に丸井からいい影響を受けて大人になったなぁと思います。井口とイガラシがなんとか近藤を導いていくのでしょうか・・。
しばらくは墨高のチームの話で展開しそうですね。
墨二組はやはり丸井や谷口の練習をこなして今があるのでついていけるんでしょうね。
イガラシはむしろ猛練習推奨な方ですし。
井口や片瀬が丸井のやり方に賛同してくれたのは頼もしいかなと思います。
今の状況を谷口監督が把握してどのようにまとめあげるか。
監督として最初から難しい問題に当たったのかなぁ……。
近藤の硬球恐怖症が夏までに克服されるかどうかですよねぇ。
それこそ猛練習させて……っていうのをやると半田派の部員から反発食らうかな。