第78話「悔いのないようにの巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!


準決勝戦。
試合前の守備練習を行う墨谷を見た谷原のエース村井やマネージャーは、一昨日の川北戦で見せた疲れを感じさせないと話す。
「きのうの中一日…よっぽどうまい休養のとり方をしたのかな?」
と話す谷原監督。
だが、高校野球はトーナメントの上に進めばどこもボロボロであり、それはウチ(谷原)も例外ではないと言う。
そして体力を使い果たしたら最後は気力の勝負になると。

同じくスタンドから練習を見つめる田所の目にも、この日の墨谷ナインは疲れを感じさせない動きに見えるようで、昨日学校のグラウンドで練習していたナインの姿を思い出していた。
(奴らは休養を取らなきゃならねえ事を頭じゃ理解している)
(だが体が練習をやめられねえ)

もしかすると彼らは単に野球がしていたいだけなのではと田所は考える。
まるで子供が陽が落ちてもボール遊びをやめられないみたいに。

試合開始。
後攻谷原の先発は2番手投手の野田。
エース村井はブルペンで柔軟中。
谷原はこの2人で投げて勝ち上がってきたという。
対する墨谷はこの日も打順を変えており、
1番谷口
2番丸井
3番イガラシ
4番倉橋
5番松川
6番半田
7番井口
8番島田
9番戸室

という打順。
6打席連続ヒットがかかる谷口の打席にスタンドが沸きあがる。
1番に谷口が入るという打順は倉橋の提案だった。
今チーム一の打率と出塁率を上げている谷口が1番、そして谷口に次ぐ数字を残している丸井を2番。
さらにそれに続く数字のイガラシを3番とする。
谷原は今大会でエースより落ちる”2番手”を先に投げさせる戦略をとっており、墨谷は練習試合で野田からは点をとっている。
その作戦を理解した田所も
「倉橋と谷口は”1回の攻撃”に全てを賭けたな」
と話す。

バッターボックスで初球を待つ谷口はかあちゃんが言った、
「今が集大成。いつ終わってもいいように悔いのないようにやっとくれ」
という言葉を思い出す。
(あたり前だが今日負けたら”おれの野球”は今日終わる)
(仮に勝ってもあしたの決勝で負けたらあした終わる)
(悔いのないように…やる!)

初球のストレートを思いっきり引っ張った打球は3塁線を抜けようかという当たりだが、サードが飛びついて捕球。
しかし谷口は応援団がこんなに足速かったかと驚くスピードで1塁へ全力疾走。
「連日の試合とその合間も休まず練習して……疲労は蓄積してるハズなのに……!」
「いつもより絶対速い!」

と田所も驚くスピードで1塁へヘッドスライディング。
そして判定はセーフ。
(悔いのないように!)
内野安打となって6打席連続安打を決めた谷口。

ここで第78話が終了となります。

感想

いよいよ始まりました谷原戦。
結局前日の谷口たちの猛練習は田所さんが止めてくれたんでしょうか。
この試合では今のところ疲れを感じさせない動きを見せているようで、悔いのない試合にしたいという思いが谷口のアウト確実だと思われた当たりを内野安打へとしました。

でも、ベンチに座る谷原の監督、キャプテン佐々木、エース村井の並びを見るだけでも、やはりこれまでの対戦相手とは違う威圧感がありますねw
墨谷には練習試合でやられた分もお返しして欲しいところです。

関連リンク

・第74話「これがイガラシだ! の巻」
・第75話「最後の選択の巻」
・第76話「気の短い釣り人の巻」
・第77話「心が弱い人達の巻」
・第78話「悔いのないようにの巻」
「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ

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4 Thoughts on “「プレイボール2」第78話感想

  1. 誠2号 on 2020年8月20日 at 3:20 PM said:

    みなさんプレイボール愛に溢れた素晴らしいコメントですね
    自分も谷原戦は、事実上の決勝だと思いますが
    毎回、手に汗握りますね
    墨谷は、四人で継投するのか?
    楽しみながら観ています。
    反対ブロックの勝ち上がり予想の明善もナチュラルボール的な球を投げるエースが健在なら手強いですね
    打戦も大量点でしたね

    • 谷原はどの対戦相手よりも強い印象が植え付けられていますからねぇ。
      色んな意味で谷原の存在感が強すぎるけど、一方でここまで今年どんなチームなのか情報がない明善も不気味です……。
      去年のエースがそのまま残ってるのか気になりますね~。

  2. けん on 2020年8月5日 at 8:22 PM said:

    いよいよ始まりましたね。谷原へのリベンジは読書にとっても長年の夢でしたからね。悔いを残さず最後まで諦めない、これは私たちもちばあきお先生から教わりましたよね。この気持ちさえあれば谷原にだって負けないと思います。
    墨谷二中の歴代のキャプテンが、ベスト3の成績を残してるのは何だか嬉しいなぁ。なんか、明善とかどうでも良くなってきました(笑)。私的にはこれが事実上の決勝戦だと思ってます。また谷口たちから勇気と感動をもらいたいですね。何せ、実在の人物だと思ってますから(笑)。
    10年くらい前に荒川の土手に行ったことあるんですよ。野球少年がいっぱいいましたね。もしかして墨谷の野球部かな?って思いました(笑)。

    • ほんと読者としても谷原の恐怖を抱いたままここまできましたからね~。
      私も谷原戦が決勝戦という気分。
      この時を待っていたという気持ちです!

      荒川の土手で野球少年の姿って、行った事はないけど頭に浮かんできましたw

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