第54話「割り切ったバッティングの巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!
大島との試合は8回表を終えて10対3と墨谷が7点リード。
8回裏を0点に抑えれば墨谷のコールド勝ちが決まるという場面でマウンドにはこの回から井口が登板。
ところが同じくこの回からライトの守備に入った片瀬の慣れない守備で1アウト3塁となる。
あくまでコールド勝ちを意識する井口は谷口に対して片瀬を交代させて欲しいと要求。
「「ライトを代えろ」だと?」
その要求に声をあげたのは倉橋だった。
怖い先輩の声にさすがの井口もドキっとし、コールド勝ちにこだわっているわけじゃないと慌てて言い訳をするが、
「じゃあなんなんだよ?」
「何が言いてえんだ?」
「おめえは結局片瀬を出したことを恨んでる」
と、怒りの表情で問い詰める倉橋。
片瀬にも経験を積ませようとしている事はわかっていると必死に否定する井口だが、
(でもそれをおれがマウンドに登った瞬間にやらなくても…)
と、心の中で本音を呟く。
倉橋のまた、
(は~あ)
(やっぱコイツはこうゆうとこがお子ちゃまなんだよね)
と呆れて言葉が出ない。
その様子に今度は丸井が井口の耳を引っ張って自分に近づけると、
「おめえ1年坊のくせに何様だと思ってんだ!?」
と呟く。
丸井の睨みとその言葉に再びドキっとする井口。
さらに追い打ちとばかりに
「試合が終わったら覚悟しとけよ」
と丸井が耳打ちすると、思わずぞ~~……と青ざめる。
ここでようやく谷口が、
「井口。とにかく今はライトは代えないよ」
「よしみんな守備につけ」
と声をかけて内野陣が守備位置へと戻る。
「キャプテンはおめえのこと信頼してんだよ」
その中で丸井が井口の尻を蹴りながら忠告するのだった。
この墨谷のゴタゴタを見ていた大島の監督は、代わったばかりの片瀬を”墨谷のスキ”と判断。
1アウトランナー3塁。
打順は3番からという場面で試合再開。
(あ~あ。いいとこ見せたかったのに…)
まだ割り切れていない井口の初球を、墨谷に習って
『芯でコツコツと』
当てた打球は大島の狙い通りライトへの飛球。
(うわ…)
ここまでのミスに一瞬慌てる片瀬だが、
(でも…)
(この位置だったらホーム刺せるぞ!)
(おれの本職はピッチャーだ! 肩には自信ある)
と、ほぼ定位置で打球を待ち構えている。
すると、
「片瀬!」
「3歩下がるんだ!」
ベンチの半田から指示が飛び、その通りに動いて捕球。
タッチアップした3塁走者に対して、片瀬からすごい返球がなされる。
しかし、タイミングはアウトだったが、ボールは倉橋の頭上を越えてバックネット前でカバーに入っていた井口が捕球。
その間にランナーが生還して10対4となった。
思わずガクっとうなだれた井口に倉橋の怒声が飛ぶ。
「ツーアウトまで来たんだ」
「ランナーも無くなった」
「あとワンナウト」
叱られたくない井口は素直に返事をしてマウンドへと戻るが、
(ああ~これなんだよ)
(半田さんとの違いは…)
と心の中は全然吹っ切れていなかった。
弱肩だけど中継まで100%正確に返し、足が遅くて守備範囲も広くないが、自分のテリトリーに来た球は100%処理をする半田と片瀬の安定感の違いを嘆いていた。
そんな中、
「片瀬、惜しかった惜しかった」
「もうちょっと抑えろ!」
と、谷口が片瀬にゲキを飛ばす。
そして
「井口!」
「この2アウトは片瀬が取ったものだ!」
「ライトを信頼しろよ!」
と声をかけられた井口は何も言い返せない。
その様子を見ていた丸井と倉橋。
(井口。態度に表すなよ)
(おめえは…)
と丸井が思うと倉橋もまた、
(人間的に成長したハズだ…)
と信じるのだった。
しかし、続く4番打者に対して井口は右方向へ飛ばされないよう内角を攻めるが、ここでも大島打者の『芯でコツコツと』を心掛けたバッティングで今度はレフト前へと運ばれて2アウトランナー1塁。
ここでそれまで振り回していたバッティングから、コツコツ当ててくるようになった大島打者のバッティングの変化にイガラシと松川が気付く。
続けて内角攻めをする井口は5番打者にもた三遊間を抜けるレフト前ヒットを打たれ、6番打者にもヒットを打たれて2アウト満塁のピンチを招く。
墨谷内野陣が再びマウンド上へと集まり、谷口から責任回数は頼むぞと告げられる井口。
当然井口も責任回数は果たしますと力強く返事をする。
一方、ライトの片瀬は自分の守備のせいで井口がリズムを崩したのではと心配する。
すると7番打者の打球が高々と飛んでいく。
「井口!」
「オマエは成長したハズなんだ!」
丸井が叫ぶが、無情にも打球はスタンドインしまさかの満塁ホームラン。
10対8とその差2点まで詰め寄られる結果となった。
ここで第54話が終了となります。
誰が井口を叱るかと思っていましたが最初に声を出したのは倉橋でした。
倉橋や丸井は井口にとってはわかりやすく怖い先輩なんでしょうね。
でもこの2人の先輩は叱りながらも、井口の成長を信じている事もわかります。
そしてこの状況で片瀬は生きた心地がしないのではと心配になってしまいました。
なんとかここを乗り越えて大きく成長して欲しいところです。
さて、試合はコールド勝ち目前から2点差まで詰め寄られる事になりました。
次回は
『最悪の悪夢が訪れる』
とあるだけに、同点どころか逆転という展開もありそうですね。
・第50話「巧妙なスライディングの巻」
・第51話「今年の大島の攻撃の巻」
・第52話「盛り上がるスタンドの巻」
・第53話「コールド勝ちへの道の巻」
・第54話「割り切ったバッティングの巻」
「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ
やはり井口はイガラシ同様欲を出して倉橋、丸井、谷口と「頭の上がらない」先輩達に叱られちゃいましたね…。
でも最初のように「気づかせるために突き放す」だけでなく「キャプテンはお前を信頼してんだよ」、「お前は成長したはずだ」と言わしめるまでになりましたね
「謙虚さと敬意」を覚えた井口の課題は「チームメイトを信じる」これを身につけたらまた一皮むけること請け合いですね!
井口が「ドキ!」としている様子からも、倉橋や丸井は彼にとって怖い先輩なんだろうな~というのがよくわかりましたw
以前とは違ってそこには信頼もありますから、井口がそれに応えられるかどうか。
おっしゃるように「チームメイトを信じる」ことを身につけるための試練かもしれません!
案の定すんなりコールドとはいかないみたいですね〜。
最悪の悪夢って何でしょうね?
考えられるのは逆転か、ナインの誰かが怪我するか、ですけどね。
案外、井口が怪我してリリーフで片瀬が緊急登板なんてパターンも。
また次が楽しみです^_^
やっぱりコールドは無理でしたね~。
最悪の悪夢なので逆転かなとも思いましたが、誰かが怪我という可能性もあるんですね……。
墨谷にとってはそっちの方が確かに最悪かも?
この後の展開がとても気になるところです!