第52話「盛り上がるスタンドの巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!
大島との試合。
墨谷の先発谷口は2日前に300球投げた疲れもあって、1回裏大島にノーアウト満塁とされるもなんとか無失点で切り抜ける。
その後も完調とは言えず、ヒットを打たれながらも毎回最少失点で抑えていき、3回裏を終わった時点で6対3。
3回3失点という内容にスタンドから応援団と見守る田所は
「どこか体が重そうなカンジがする」
との感想。
予定の3回を追いつかれなかったので、『谷口は役目を果たした』と言っていいかもしれないが不安を残したと語る。
さらに墨谷の追加点の1つは、半田のバスター戦法によるものらしく、いい意味で勢いがない半田のヒットは2塁ランナーが確実に還って来られるのだとし、
「半田が打つとスタンドもベンチも盛り上がるんだよね」
と分析。
墨谷はその後もコツコツ当てる打法で追加点を重ねていき、6回表を終わった時点で9対3とリードは6点に広がっていた。
(こりゃこの試合……コールド勝ちできるかも……)
そう思いながら1塁コーチャーからベンチへ戻る片瀬に、守備位置へ向かう半田が声をかける。
「いつ試合に出されてもいいように……体動かしとけよ……」
「え?」
その言葉に
(お、おれが……?)
と驚く片瀬。
試合は墨谷が6点リードを守ったまま8回へ。
(うう……”7点差“になったらマズイ!)
焦る大島監督。
そんな中で8回表墨谷の攻撃は1アウト3塁の大チャンス。
湧き上がる墨谷スタンド。
ここでバッターは6番の半田。
「ここは100%スクイズで来る!」
確信した大島監督が叫ぶ中、大島のマウンドには3番手のエース小金井。
マウンド上に集まった大島内野陣も当然ここはスクイズを警戒するが、
「しかし全球バントの構えをしている奴は投げづらい」
と、すでにバッターボックスでバントの構えで待つ半田に、
「気が早いこって」
「アホかいな」
「でも不気味」
と、様々な思いを口にするも皆が恐怖心を抱いている様子。
その中、3塁ランナーの倉橋が
『ランナーサード』で半田が早めに構えた時は、バスターではなくバントをするというサインだと頭の中で再確認する。
大島内野陣は半田がバスターも得意である事から、バントとバスター両方を警戒しつつ、サードランナーの動きを見ながら投げるという事で意見でまとまり守備位置へと戻って試合再開。
(半田が出してるサインは『スクイズ』じゃない)
(あくまで『単なるバント』なんだ。問題はおれが……どんな『トリックスタート』を切れるか……)
3塁からじっと半田を見つめる倉橋。
小金井の初球に対して半田は思いっきりバットを振るもバックネットへのファール。
(ヒッティング??)
(スクイズじゃなかった)
大島監督とバッテリーが動揺。
大島の捕手はこの雰囲気はスクイズはないと考え、2球目をボール1個分外へはずす球を要求。
サイン通りの2球目。
半田は
(ボールだけど……バットが届くとこ)
(こーゆーのを待ってました)
と、そのままバントして打球はサード正面へ。
サードが3塁走者倉橋が走らないのを確認してからファーストへ送球。
と、同時に倉橋がスタートを切る。
すぐにでも本塁へ返球したファーストの焦る気持ちをよそに、サードからの送球がなかなか届かない。
ようやくファーストへ送られた球がバックホームされるも、ヘッドスライディングした倉橋とのクロスプレイとなって判定はセーフ。
10対3とついに7点差。
(初球のバスターにやられた!)
大島監督心の叫び。
初球のバスターによってサードが一歩下がってしまったことで、バントされてもバスターを予想して構えていたがために一歩めが遅れた。
結果、サードの捕球位置からファーストまでの距離ができ、その分ランナーに突っ込む時間を与えてしまったらしい。
今のはフィルダースチョイスながら、実質この試合4打点の活躍を見せる半田に墨谷スタンドは大盛り上がり。
ベンチの谷口も、
(半田すごい……!)
(おれの期待に120%以上の答えを出してくれた!)
と大満足。
当の半田はこの結果を谷口や片瀬のお陰だと考えていた。
10対3となって試合は8回裏へ。
この回から墨谷のマウンドは井口が上がる。
さらに井口のキャッチボールに付き合っていた片瀬に谷口が、
「おい片瀬。ベンチに戻らなくてもいいぞ」
と声をかける。
「せっかく井口のキャッチボールの相手をしていたんだ。そのままライトの守備につけよ」
「僕が半田さんのライトに!?」
驚く片瀬だが、これは今、谷口と半田が話し合って決めたのだという。
(片瀬……試合に出てみろよ)
その様子をベンチから笑顔で見守る半田。
ここで第52話が終了となります。
半田の大活躍によって、大島相手にまさかのコールド勝ちのチャンス。
今回の話でも大島内野陣がバッターボックスでバントの構えをする半田を不気味がるシーンがありましたが、実際相手にとってああいう場面での打者半田はとても不気味な存在なんでしょうね。
何より半田が打つことで墨谷に勢いがつくというのが一番厄介なのかも?
そして次回は片瀬がライトへ入るようです。
せっかくだから片瀬の見せ場もあるといいなぁ。
半ちゃん凄いですね。相手に恐れられてるじゃないですか!しかも貫禄までついちゃって。間違いなくこの試合のヒーローですね。実際、何をしてくるかわからないバッターって相手にしたら嫌ですよね。俗に言う「いやらしいバッター」ってとこでしょうか。後は課題は守備かなぁ。
イガラシ、松川は無失点だったんですね。最後は井口で決めたいとこですが大島が簡単に勝たせてくれるかどうか。ストーリーとしては井口が打たれて、急遽リリーフで片瀬が登板って展開も面白いですけどね^_^
そうなんですよ。
相手にとってまさに「いやらしいバッター」なんだろうなと思いました!
片瀬への言葉や、これまでの谷口への助言など、半田は墨谷に重要な存在なんだなとあらためて感じさせられますね。
イガラシと松川はきっちり無失点で抑えたようです(それぞれ1コマずつでの説明に終わりましたが)。
井口が打たれての片瀬の緊急リリーフはちょっと期待しちゃいます!!