第44話「ピッチャーの守備の巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!
2対2の同点のまま7回裏も墨谷を抑えた聖陵の二番手モウちゃん。
「ナイスリードだ。広瀬」
キャプテン刈谷から声をかけられた捕手広瀬は、自分は何もしていないと返事。
だが、刈谷に言わせればそれがいいのだという。
ボールの威力を最大限に引き出せば小細工はいらなくなると。
自分達バッテリーをわかってくれていると感じる広瀬だったが、刈谷から当初予定していた2イニングスだけではなく8回も行ってもらうと指示され、
「まあ大丈夫だとは思いますが…」
と、不安げな様子を見せる。
8回の攻防は井口とモウちゃん両投手が0点に抑えて終了。
3イニングスをパーフェクトに抑えたモウちゃんにスタンドの聖陵応援団から歓声が沸き上がる中、
(すごい! モウちゃん!)
(こりゃ木戸よりいいんじゃないのか?)
と、キャプテン刈谷も興奮気味で、広瀬に9回も行ってくれないかと相談。
「大内は今ピッチャーとして覚醒しつつあるんじゃないのか?」
と話す刈谷に対して広瀬は躊躇った様子で
「しかし…4イニングスめですよ」
と答える。
それでも刈谷は考えを変えるつもりはない。
「延長の可能性は70%以上」
「延長になったらまた木戸にがんばってもらう」
「どっちみちパーフェクトをやっているピッチャーは代えられない」
話を聞いたモウちゃんはキャプテンが行けと言うのなら行くとやる気を見せ、そのやる気を広瀬も感じ取るものの、
(本来的にはモウちゃんの肩はピッチャーの肩じゃない)
(『ピッチャーの肩』とは『スタミナのある肩』ということ)
だと考え、あくまでモウちゃんの肩は短いイニングスだから威力があったのだと心配する。
そして2対2のまま、いよいよ9回裏のマウンドへとあがったモウちゃんは、
「今日のおれは大丈夫だよ」
と、その心配を感じ取っていたらしく広瀬に声をかける。
モウちゃんの顔が変わったと感じる広瀬に
「今までおれは自分の野球に自信が持てなかった」
と続け、この日のホームラン1本と3回パーフェクトという成績のおかげで、自分の野球にほんの少しだけ自信が持てたのだと話す。
そんなモウちゃんの姿に
(これは……キャプテンの言うように……人の覚醒だ!)
(モウちゃんの成長だ!)
と確信した広瀬。
2度目の対戦となる打席の井口に対して、広瀬はこれまでどおりど真ん中にミットを構える。
ところが今度は本当に構えたとおりのど真ん中へボールが来てしまう。
当然それを狙った井口だがボテボテのファーストゴロ。
余裕のアウトかと思われたが、ファーストカバーに入ったモウちゃんが送球を弾いてしまいセーフ。
ノーアウト1塁の場面で聖陵内野陣がマウンドへと集まる。
この場面でもあくまでモウちゃん続投で行くという刈谷。
広瀬もど真ん中ではあったもののボテボテだった打球に
(モウちゃんの球威は落ちていない)
と考える。
そしてモウちゃんの守備をカバーするため、100%バントをするだろう次のバッターに対してファーストとサードでチャージをかけるよう刈谷が指示を与える。
一方、墨谷のバッター島田は当然バント狙いだが、先ほどのモウちゃんの守備を見てピッチャーに捕らせるよう谷口が指示を与える。
あの豪速球の勢いを金属バットで殺すのは難しいものの、井口のボールでバント練習をしてきた成果を出すためにも絶対成功させると決めて打席へ。
初球からファーストとサードが猛チャージをかけてくる中、島田は狙い通りピッチャー前のバントを決めるものの、打球を殺しきれなかったせいかセカンドに間に合うタイミング。
セカンへ送球するよう指示されるモウちゃんだったが迷いが生じた。
(セカン! 勝負に行って失敗したらどうしよう)
その迷いを感じ取った刈谷が
「いいんだモウちゃんファーストで!」
と叫び、ファースト送球で1アウト。
墨谷にとっては無事に送りバント成功という形となった。
対するピンチの聖陵。
スコアリングポジションにランナーが進んで一打さよならという場面だが、刈谷は以前西田が言っていた
「モウちゃんと広瀬はこれからの聖陵を背負って立つ選手だ」
という言葉を思い出し、またこの場面自分もモウちゃんに賭けてみたいと感じていた。
今日のモウちゃんは何かを持っていると。
そしてモウちゃんに続投を指示。
墨谷の打席には戸室が入る。
「おもいきって行け」
と谷口から言われはしたものの、マトモにやったら打てないと考えた戸室は初球をセーフティバントするものの、打球は強いサードゴロとなり、ランナーが2塁釘付けのまま2アウト。
次打者は9番半田という状況に当然代打だろうという声が応援席で呟かれる中、谷口は半田を呼んで何か相談をする。
その様子をどこか心配そうに見つめるモウちゃん。
という場面で第44話が終了となります。
聖陵戦中盤までとは逆の展開で広瀬にも「覚醒」を感じさせるほど自信を見せたモウちゃんですが、ファーストカバーのエラーによってまた迷いが出始めたんでしょうか。
最後の方は途中まで見せていた表情とは違う不安げな表情ばかりでした。
一方の墨谷はサヨナラの場面で打席には半ちゃん。
まともに打っても半ちゃんのパワーでは力負けしそうですが、谷口がどんな指示を与えているのか気になるところです。