第42話「アイツには負けないの巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!


6回表。
ここまでパーフェクトピッチングを続けていたイガラシだが、聖陵の代打モウちゃん(大内)にまさかのホームランを浴びてしまい、2-1と1点差に詰め寄られる。
(悪い予感が当たってしまった)
愕然とする谷口と墨谷ナインはマウンド上へと集まる。
「それにしてもイガラシ…」
「今のボールは本当に”外し球”だったんだな?」

谷口の問いかけに動揺しながら外しましたと答えるイガラシ。
谷口はナインに気持ちを切り替えるよう伝え、イガラシに松川と交代するよう言い渡す。
ところが
「キャプテン!」
「それでも僕はまだ……ワンヒットです!」

と、イガラシは続投を志願。
ここまでの投球を労い、ここからは予定通り継投策で行くと話す谷口だが、
「パーフェクトからのソロホームランであり、自分はまだランナーを出していない」
「ピンチを一回も迎えていない」

と、イガラシも食い下がる。
その姿にナイン全員が言葉には出さないが、
(この天才小僧は一体何を言い出すんだ)
(チームの方針に反旗を翻そうと言うのか?)

という思いで不穏な空気に包まれる。
イガラシの負けず嫌いの性格があってこその活躍は認めつつも、
(「気持ち」と「現実」は別だ)
と考える谷口は、
「イガラシ……オマエは勝負に行って大内選手に負けたんだ!」
「そんなことがわからんおれじゃない」

と、イガラシがあくまでパーフェクトにこだわった事を理解していた事を伝える。
何も言い返せないイガラシだが、それでも必死に続投を訴えかけるその目に谷口は、
「その闘争心の塊のような目に賭ける価値がある」
と、その判断に迷いが生まれ始めた。
この大会は継投策で行くと決めていた谷口。
(ここで判断を変えていいものなのか?)
(いや! この試合はとっくにそれを崩してしまっているわけで…)
(もっと言えば初戦だって先発の井口を引っ張ってしまった)

ここまで自分が初志を貫徹できていない事に気付く。

決断できない谷口は次の打者である広瀬の情報をあらためて半田から聞き出す。
この大会ここまで14-2とモウちゃん同様に率は悪いが、その2本のヒットがいずれもツーベースであること。
そしてその2本で打点4を叩き出していること。
「じゃあ……やっぱりコイツも不気味なのね…」
モウちゃんと同じ不気味さを感じ取った谷口が下した決断は、
「この回だけだ……イガラシ……!」
「だがランナーをひとり出した瞬間に代える! これは絶対だ!」

イガラシの続投だった。
審判に急かされて守備位置へと散る墨谷ナイン。
倉橋は谷口のブレ具合に理解を示すが、当の本人は判断を誤ったかどうかまだ悩んでいた。

そんなイガラシと対峙する聖陵の打者広瀬は、
(おれはどんな手を使ってやろうか?)
と考えるが、先輩やOBたちが行ってきた様々なプレーを思い出し、自分は暗示もこすい手も使わず、ただ来たタマを振るのみと決める。
そこには気力だけでマウンドに立っているイガラシに対して、小細工ありの対決をしたらバチが当たるという思いもあった。
一方のイガラシは井口への対抗意識を抱きつつ、広瀬に対して第一球を投じる。
(初球は絶対ホームランのショックを引きずっている!)
そう考えた広瀬のフルスイングはイガラシの初球をとらえ、レフトへの弾丸ホームランとなった。

ついに2-2の同点に追いつかれた墨谷内野陣がマウンドへと再び集まり、谷口がイガラシに対してベンチへ下がるよう指示する。
ピッチャー交代は仕方ないが、墨谷の打点は自分のツーランだけだと訴えるイガラシだが、谷口はその訴えに今度は耳を貸さず、ベンチにいる横井にショートへ入るよう指示。
サードの松川がマウンドへ上がり、サードに自分が入ると話す。
「今日はもう疲れている。下がるんだ」
あらためてベンチへ下がるよう指示されたイガラシは、渋々ベンチへと引き上げる。
(井口を意識しすぎて…大失敗しちまった!)
ベンチで悔やむイガラシ。
そして谷口もまた、
(おれのミスだ!)
(いくら良かったとしても……1年のイガラシにこんなに頼るべきではなかった!)

と、自身の判断ミスを悔やんでいたのだった。

という場面で第42話は終了となります。

感想

井口を意識しすぎるあまり、チームの指示に従いきれなかったイガラシ。
そしてイガラシの才能を買っているからこそ決断しきれなかった谷口。
正直どちらも
「らしくないな~」
という気はしました。
墨二1年生時代のイガラシや、江田川中と初めて対戦した時のキャプテンなりたての谷口ならわかるんですけどね。

ただ、珍しく決断しきれない谷口に対して理解を示す倉橋が、
(谷口は誰よりもイガラシの才能を買っている)
と考えるシーンがありましたが、確かに墨二時代に部の規則を変えてまで1年生のイガラシを起用したのは他ならぬ谷口でしたから、才能を認めているからこそ谷口でもブレるってのもあるのかもしれませんが……。

いずれにしてもここにきて2-2の同点となり、勢いは完全に聖陵に傾いている状況。
次号予告には
「もうひとつの秘密兵器」
とありますがはたして何なのか。
今の流れで聖陵側にまだ何かあるとするとピンチですね。

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4 Thoughts on “「プレイボール2」第42話感想

  1. Biromi on 2019年2月10日 at 5:40 AM said:

    久しぶりにメールさせていただきます。イガラシの変わりぐわいに違和感は否めませんが・・・ でもやはり中学時代以上に、高校では身体の大きさがものを言います。漫画を読んでいないのでわかりませんが、きっとイガラシはまだ小さいのでしょう。だとすると、焦りとかそういうものがあり、周りの中学生よりも一歩先を言っていて、老練すぎた中学時代と違い、普通の高校生らしい未熟さが年相応に出せるようになってきたのかなとも思います。

    また谷口キャプテンですが・・・hiroさまのおっしゃる通り、谷口君とイガラシの歴史は長く、また絆もほかの部員以上にあると思います。それが今回のキャプテンとしての采配を間違わせたのでしょうね。。。でも本当はこういうのって監督がやるもので、一高校生のキャプテンにやらせるっていう事がすごいことなんですけど・・・。きっとこういう経験を経て、また谷口キャプテンも成長するということなのでしょう・・・と期待することにします。

    • お久しぶりです!

      この聖陵戦前から体格差や同期である井口への対抗心が強調されているあたり、高校1年生らしい焦りと前日寝ていない事などがイガラシに大きな影響を与えていそうな気はしますね~。

      谷口は広瀬のホームランでどこか吹っ切れたといいますか、自分のミスを後悔するもその後の指示は早かったですし、この聖陵戦は谷口とイガラシ2人にとってBiromiさんのおっしゃるとおりさらに成長するきっかけになりそうです。

  2. ジャン・エバラ on 2019年2月6日 at 2:29 PM said:

    「もうひとつの秘密兵器」
    リリーフ モウちゃんではないかと思います。

    • そういえば半田の偵察でモウちゃんと広瀬がブルペンでピッチング練習していたって情報ありましたね~。
      すっかり忘れていました……。

      2人を不気味がっている谷口にとってモウちゃんのリリーフは恐怖だろうなぁ。

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