第39話「なるか!? 9者連続! の巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!


墨谷の先発イガラシは聖陵打線相手に3回まで8者連続三振。
続く打者は9番貝塚。
(”9者連続”なんて暗黒史は作れない!)
プレッシャーからガチガチの貝塚だが、その様子をベンチから見ていた広瀬は
「さて……」
「恥をかいてもらうのは小谷さんと荒井さんだけでいい」
と言うと、
「貝塚さん!」
「足を止めてみましょう!」
とアドバイス。
「そしてそこで深呼吸しましょう!」
広瀬の言葉通りにバッターボックスに入る前に深呼吸をして打席に立つ貝塚。
(ちょっと落ちついた?)
本人もそう感じる中でのイガラシの初球は際どいコースへのボール。
(際どいとこを見逃せた)
続く2球目も際どいコースながらボール球を見逃す。
(落ち着いて見逃せる)
(足を止めてよかった。深呼吸して良かった)
広瀬の言葉が貝塚の極限の緊張をおさめたらしい。

一方、9者連続三振がかかっているイガラシも気合い十分。
(今日のおれだったらできる!)
3球目、4球目と貝塚から空振りを奪って追い込むことに成功。
そして
(最後……変化球を投げれば終わる…)
(谷口さんから教わったシュート…ここで行く!)
イガラシの球の変化に驚きつつもバットに当てた貝塚の打球はバックネット方向へ。
バックネットに当たるか当たらないかというこれまた際どいフライ。
フライがグラウンド側へ返ってくると見た倉橋がバックネットに足をかけてミットをかざす。
(まさか!)
それを見たイガラシ。
ここでファールフライを取られてしまうと9者連続三振が消えてしまう。
「と、捕らないで!」
だが、ボールは倉橋のミットへとおさまり3アウトチェンジ。
9者連続三振はならず。
(”9者連続”まぬがれた~~)
ほっとした様子で守備へと向かう聖陵ナインと、ベンチへ引き上げる墨谷ナイン。

ベンチへ戻ったイガラシを倉橋が最後列へと呼び、その頭を抑えつけて互いにしゃがみ込む。
「オマエさっきなんつった?」
「え?」
口ごもるイガラシの頭を倉橋が何度もミットで叩く。
「聞こえてんだよ! 知らばっくれんじゃねぇ!」
「今は真剣勝負の公式戦なんだよ! 自分のくだらねー記録にこだわりやがったな!」
イガラシの頭を抑えつけたまま怒鳴りつける倉橋。
それを見た谷口が
「もういい。やめろ」
「イガラシは今日はここまでなんだから。今くどくどと説教するな」
と倉橋をなだめるが、
「ここまでだから言ってるのさ! 次の回も行く奴に試合中に説教できねえよ!」
とその怒りはおさまらない。
そんな中、イガラシがようやく口を開く。
「ぼ、僕は……『3回パーフェクト』です」
「フェアグラウンドに…1球もとばさせなかったんです」
「ここで僕が降りるのは…惜しいじゃありませんか?」
そう語るイガラシに倉橋も言い返す。
「おれに頭を小突かれて…燃え上がっちまったのか!?」
「いい根性してるわ。さすが天下のイガラシ」
だが、イガラシはなおも
「この試合は……僕がもう少し行く方が合理性があると思います」
と食い下がる。
その言葉にハっとする谷口だが倉橋の方は、
「おやおや戦術批判かよ。1年坊が」
と挑発的な言葉をやめない。
その様子を見かねた横井がやめるよう声をかけ、加藤がイガラシの打順だと呼ぶ。

嫌な空気の中、ネクストバッターズサークルに入るイガラシ。
バッターボックスでは丸井が1・2塁間を抜くライト前ヒットを放ち、1アウト1塁。
バッターボックスに入ったイガラシに谷口がサインを送る。
(打順は2巡めに入った! 仕掛けていくぞ!)
(『ヒットエンドラン』だ!)
だが、聖陵捕手の刈谷もイガラシは送らず右方向狙いのエンドランだと判断。
流させないよう内角に構える。
谷口の狙いは1・2塁間を抜いてのライト前ヒットで1アウト1・3塁。
投球に入ると同時に丸井がスタート。
だが、肝心のイガラシは
(ちくしょう! あんな風に説教された!)
(おれの言ってる事の方が正しいのに……!)
と、倉橋の説教を引きずっていたようで、ここでようやく状況に気付く。
(ヒットエンドラン!? 丸井さんはもう走ってる!?)
(空振りは許されない!? 右方向にゴロを転がす!?)
動揺しながらも内角へ来たボールを、流すのではなく思いっきり引っ張った形となり打球はレフト方向へ。
まさかの左方向への打球に慌てて急ブレーキをかけて1塁へ引き返す丸井だが、打球はグングン伸びてまさかのホームランとなり墨谷が2点先制する。

それでも特に喜ぶ様子もなくホームインしたイガラシを迎える谷口から意外な一言が。
「4回もオマエがマウンドに行け!」
「!」
驚くイガラシに
「ベンチ前でキャッチボールしてろ」
と言いながら谷口がバッターボックスへと入る。

ここで第39話は終了となります。

感想

同級生である井口への対抗意識など様々な感情の中で9者連続三振にこだわったイガラシですが、あのファールを取るなというのは正直彼らしくないなと思いました。
どちらかと言えば倉橋と同じ考え方を持っているタイプですし。
それだけイガラシの中で井口との差や体格差など劣等感が大きくなっていたということなんでしょうか。

谷口が予定を変えて4回のマウンドもイガラシに任せると変更した理由は?
イガラシの言葉に思うところがあったのか。
イガラシのバットで手に入れた2点までは任せようということなのか。
また、今のイガラシと倉橋の息が合うのかどうかなど、先の展開が気になるところです。

そして次回予告に
『秘密兵器登場』
とあるので、聖陵はいよいよモウちゃんを出してくるのでしょうか。

東実戦以上に波乱の展開になりそうな予感……。

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