第38話「イガラシの快進撃の巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!


1回裏の墨谷の攻撃。
惜しくも先制のチャンスを逃した墨谷だが、3番谷口の打球は1・2塁間への強いゴロ。
ライト前へ抜けるかと思われたがセカンド小谷がなんとかキャッチ。
無理な態勢からのバックトスとヘッドスライディングする谷口との勝負となったが惜しくもアウトとなりスリーアウトチェンジ。
聖陵の前キャプテンでありOBの西田が、このセカンド小谷とファースト荒井の素行の悪さからレギュラー外しを現キャプテン刈谷に指示していた事を半田の偵察で知っていた谷口は、彼らのプレーの上手さに感嘆の言葉を漏らす。

2回表の聖陵の攻撃。
「しかし1回のピッチングは圧巻だった」
「これが“天下のイガラシ”か……」
1回を3者連続三振に抑えたイガラシの投球に注目する聖陵ベンチのモウちゃんと広瀬。

打席には聖陵キャプテンで捕手の刈谷。
倉橋は刈谷が去年の大会では6番ライトで出場した事を覚えており、サードを守る松川もまた自分が対戦した際にレフトフェンス直撃を喰らった事を思い出していた。
「イガラシ。このバッター大きいのあるぞ!」
「低く! 低くいくんだぞ!」
イガラシに声をかける松川。
「はい!」
そう返事したイガラシだが
(ん、ド真ん中じゃねえか!)
真ん中へのストレートと見た刈谷は強振するも、バットは球の下を空振り。
(全然高い? ボールだ)
見立てと違ったコースに戸惑う刈谷。
「イガラシ高い高い!」
「イガラシ抑えろ抑えろ!」
そしてイガラシに指示を出す松川と倉橋。

2球目。
(今度は低め?)
今度こそストライクと見た刈谷はこれも強振するもまた空振り。
またも刈谷が思った以上にボールは高めへときていた。
そんなイガラシの投球に、タマが走り過ぎて抑えが利かない感じなのかと考える倉橋は、次の1球はあえて外すよう指示。
刈谷はそんなイガラシの3球目に
(情報よりスゴイ! はるかに凄い!)
とその実力を認めつつ、
(だけどビビってどうする!)
と、外しダマを振りにいって三振。
(あんなクソボールがストライクに見えちまった!)
驚きつつも無念さでバットを叩きつける刈谷。
(おれとしたことが……これはヤバいかもしれん)
刈谷の危惧どおりに、続く5番、6番も三振にとり、なんと6者連続三振にとってみせたイガラシ。
(徹夜した次の日が妙にハイな時がある!)
(今日はそんなカンジなのか?)
(異常にボールに力が伝わる!)
自分でも戸惑いを隠せない様子でベンチへ引き上げるイガラシに井口が駆け寄る。
「スゲエエイガラシ!」
「やっぱおめえスゲーわ!」
「この天才少年がッ!」
だが、
「聖陵は東実みたくバント攻めとかしてこなくて素直でいいのな」
という一言でイガラシも気付かされる。
バント攻めをしてきた東実と違って、聖陵の攻撃は正々堂々とし過ぎていると。

一方、守備につく聖陵の7番セカンドの小谷は
(おれまで三振したら“7者連続”だぞ)
(今からプレッシャーがかかってきた!)
と、すでに弱気。
その背中を見ながら守備へ向かう8番ファーストの荒井は、小谷の緊張を感じ取りつつも、
(そうゆう8番のおれも緊張してきたが……)
とこれまた余裕なさげ。

2回裏は聖陵の先発木戸の前にランナーを出しながらも0点に終わった墨谷。
イガラシが谷口から指示された3イニングスめへと向かう。
そんなイガラシを見つめる谷口。
(ここまでうまくいきすぎているイガラシ)
(落とし穴にはまらなければいいが……)

3回表。
バッターボックスには先ほど緊張しまくっていた7番小谷だが、
(天下の聖陵がこれ以上“連続三振”するわけにはいかねえ!)
と気合い十分。
その様子をベンチから見ていたモウちゃんと広瀬は、小谷がここでセーフティバントを狙っていると見抜く。
(背に腹は変えられん)
実際、小谷はセーフティバントを狙っており、ネクストバッターズサークルの荒井も緊張しまくりな状態。
「7番・小谷。8番・荒井。ふたり共ガチガチにプレッシャーがかかっている」
「ここはひとつ釘を刺しておくか」
そう呟いた広瀬が小谷に向かって叫ぶ。
「小谷先輩! ここは聖陵魂見せて下さい!」
「おもいっきり振っていって下さい!」
「ピッチャー返し! ピッチャー返し! “センター前”お願いします!」
もちろんそれは小谷にプレッシャーをかけるための広瀬の作戦。
「見ろモウちゃん。もっとプレッシャーがかかってきたぞ」

ガチガチに震えながらバットを構える小谷。
(三振できない)
(三振できない)
(三振できない)

そんな彼のスイングでは、今のイガラシの球にかすりもせず三球三振。
小谷のあまりのひどさに驚いたのは聖陵ナインではなく谷口。
(7番……)
(守備はうまかったがバッティングはここまでで一番ひどい振りをしていたぞ!)

そして球を受ける倉橋と、サードから見つめる松川は、
(ちょっと投げ方が無造作だが……)
(ボールの威力が全てを凌駕している……!)

と感じていた。

7者連続三振となり、続く8番荒井もこれまたガッチガチな様子でバッターボックスへ。
「まあ……8番の人には……これ以上ゲキを飛ばす必要もないか……」
ニヤリと呟く広瀬の読み通り、今の荒井ではバットをまともに振ることができず2球続けて空振り。
3球目のカーブはバットを振る事すらできずに見逃し三振。
これでついに8者連続三振。
「ほーら、何も言わなくても……だろ?」
「荒井さんの実力ならプレッシャさえ感じていなければなんとかなったのにね……」

小谷と荒井。
自分達をいじめてきた両先輩の無様な姿を冷静に分析する広瀬。
そんな広瀬にモウちゃんは
(しかし広瀬……ホント人の心理をよく捉える)
と思うのだった。

ここで第38話は終了となります。

感想

昨夜はプレッシャーで一睡もできなかったイガラシがまさかの8者連続三振!
ここまできたら9者連続三振いって欲しいけど、谷口のイヤな予感が気になるところです。

さらに言えば今回は広瀬の
『ゲキという名のヤジ』
に救われた部分も大きいのかな?
イガラシの能力を知っていて、また認めている広瀬が
「荒井さんの実力ならプレッシャさえ感じていなければなんとかなったのにね……」
と言うくらいですし、荒井がまともだったら8者連続はなかったかもしれませんね。

最後のコマでそんな広瀬にモウちゃんが汗をタラリと垂らしていましたが、実際敵に回したくないタイプですw

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