第33話「勝ち投手は? の巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!


学校のグラウンドで練習を行う墨谷ナインと、その様子を見つめる多くの生徒達。
その端っこで鈴木が打つ軽めの打球で捕球練習を行う丸井は
「おれはこんな簡単な捕球練習だけ」
とぼやく。
右手に怪我をした影響で、丸井はスローイングやバッティング練習を禁止させられていた。

一方、部室前では谷口を相手にイガラシが、東実戦で谷口から教わった『速いシュート』を練習中。
「「ナチュラルのシュート回転よりは曲がるが…「従来のシュート」よりは曲がる角度が小さい」
その特徴を理解し、かなりいい感じに投げられるようにはなったが、谷口は
「もうちょっとだけ“鋭さ”を持たせたい」
という。
そのためには握りについて
「捻る必要はないんだが……中指よりも人差し指の方に力を入れてみろ」
と指示。
ただしあくまで“気持ち”程度入れるだけであり“入れすぎ”はダメだという。
そして、足を踏み出した時に、ちょっとだけ開いた側の腰に力を入れろとも。
つまり左側の腰に意識を持ってきてグっと踏み込む。

谷口に言われた通りに意識して投げたイガラシのボールは先ほどまでよりも鋭く変化。
(これは“硬球の性質”だ……)
縫い目の山が軟球よりも高いから、ちょっと縫い目に意識をやるだけでボールが変化してくれるのだとイガラシは理解。
ところが今度は
「これだとちょっと曲がりすぎなんだ」
と谷口から指摘。
今のフォームはあからさまに体が開き、それに伴って腕も下がっていたという。
それだと従来のシュートの投げ方に近く、今の曲がり方では打者が空振る。
「シュートはあくまでもバットに当てさせたい!」
「それも詰まらせたくない」
詰まらせるとゲッツーを取りづらい。
そのために谷口は
『小さく』
『鋭く』
曲げたい。
だからあくまで
「ストレートの投げ方にこだわってほしい」
のだと説明。
その上で2人は再び投球練習を再開。

付きっきりでイガラシにアドバイスを受けるイガラシの姿を見つめる井口。
(あの体で高校の硬式でも投手をやろーってんだから色々と対年なのかな~~~?)
そんな事を考えつつ倉橋相手に投球練習。
その様子を見つめる生徒たちから聞こえてくる
「東実を6イニング0点に抑えた」
投手としての評価に、ちょっとしたスター気分の井口は
(でもねみなさん)
(今日のおれのピッチング練習は……五分のチカラでやってるんですからね!)
とニンマリしつつ、チカラが入って高めへとボールが行く。
そんな井口の感情などお見通しな様子で倉橋が歩み寄り、もうちょっと低めに抑えて投げんかとチクリ。
「オマエ、まさか勝ち投手になったからっていい気になってんじゃねーだろーな」
「オマエが勝てたのは東実が「バント攻め」に来てくれたお陰だ!」
「東実がミョ~にオマエのことを買いかぶってくれたお陰で『リズムの悪い攻撃』に終始してくれた」
つまり相手に助けられた結果なのだからいい気にならず、気を引きしめていくよう釘を刺す。
井口も昔の自分ならここでいい気になっていたが、今の自分は成長したのだから謙虚になろうと思うのだが、
(でも…元はと言や東実が『バント攻め』を選択してきた理由って…)
(おれが練習試合で快投乱麻してた噂を聞きつけてなんだから)
そう考えるとやっぱり自分はすごいのだと笑みを隠し切れない。

そうこうしているうちに谷口から練習終了の号令がかかる。
大会中は体を休めるために毎日早上がりしているようで、谷口の猛練習に慣らされたナインたちは陽が高いうちに帰れることに違和感を隠せない様子。
そんな中、部室に残っていた丸井とイガラシは、お互いに無言のまま、みんながいなくなったグラウンドで投球練習と素振りをそれぞれ行うのだった。
やがて日が暮れ始める中、
「丸井さん! いつまで残業してるんですか?」
「イガラシ、オマエこそな!」
と、互いに息を切らせて声をかける。
そこへ
「おいオマエ達! 何やってる!」
珍しい私服姿の谷口が現れて怒鳴りつけた。
「お、おい。おれの言うことが聞けないのか?」
珍しく怒り心頭な様子の谷口に丸井たちは言葉が出ない。
「特にイガラシ!」
「オマエは高校の硬式野球部でピッチャーをやっていくと決めたんだぞ!」
「自分の体力と相談しながら調整していかなきゃダメなんだ!」
と、イガラシに詰め寄り鬼の形相で叱りつける。
「体の大きい奴とオマエが同じ練習をしたら……その疲労度は違う! おのずと回復速度も違う!」
「ここは中学の軟式野球部じゃない! 練習しないことも練習なんだ!」
と。
その谷口の言葉に
「あ、あの……体の大きい奴って…井口のことを言ってるんですか?」
そんなイガラシの声で第33話は終了となります。

感想

右手の腫れは引いたが、次の大会へ向けて無理な練習はできない丸井と、谷口から教わった『速いシュート』の練習に取り組むイガラシ。

日頃の猛練習に慣らされた他のナイン以上に、もっと練習をしたいという2人に谷口が珍しく叱りつける。
墨二キャプテン3人だけのシーンに読んでいてちょっとニンマリしつつも、私服姿以上に谷口がここまで感情を出して怒るシーンも珍しいなと感じました。

そして体格の差を言われたイガラシの脳裏に井口の姿を思い浮かぶラストシーン。
そうじゃなくても練習試合から東実戦まで見事な投球を見せてきた井口に色々思うところがあるイガラシだけに、その胸中が気になるところです。

そしてそして、次号21号の予告として
『あの男があの高校に進学していた!』
という一文が!

墨二時代に谷口たちが面識のある相手……気になりますw

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12 Thoughts on “「プレイボール2」第33話感想

  1. 個人的には久保に出て来て欲しいです。
    かなりの実力者でしたよね。
    近藤に兄がいたは面白い!

    • 私も久保が気になっています。
      全然出てきませんよねぇ。
      墨二でも3年生時には3番打っていたし実力は確かなんだろうけど……。

  2. 新たなキャラかな?
    倉橋と松川が登場した時も、谷口たちが墨二時代に地区予選の準決で対戦した隅田中のバッテリーという設定だったし。

    • 「あの男があの高校に進学していた!」
      なので、読者が知っている誰かかなぁと思うんですけど、ちょっと予想がつかないだけにわかりませんね~。

      結局悩んでいるうちにもうすぐ発売まで来てしまいましたw

  3. 新キャラで「近藤の兄」を出す、はどうだろう?

    • まさかの兄弟!

      相手チームにあの近藤そっくりの兄がいた時の、丸井とイガラシの驚く顔は見てみたい気もしますw
      性格まで一緒だったら丸井はペース乱されそうだし、谷口がどんな反応示すかも気になりますね~。

  4. イガラシが今後、投手として活躍する伏線のような回でしたが、やはり「あの男」が気になりますね。
    谷口が知っている相手となると確かに名前までつけていた選手は一気にいなくなりますね、佐野以外となると。
    案外、墨二の同期となる、高木、浅間、遠藤、小山あたりでしょうか。
    ダークホースとして、実は転校していたとする須藤が出てくると嬉しいのですが(笑)。
    #進学と書いているので違うでしょうが。

    • 私も誰かが転校して……というのは考えたのですが、おっしゃる通り「進学していた!」でしたね。
      言われるまで忘れていましたw

      でも谷口や丸井世代に戦った相手だと名前のある選手はあまり思い浮かびませんね~。
      イガラシ世代だと結構いるんだけど強烈な印象に残るほどの相手となると……。
      やっぱり墨二時代の誰かなのかなぁ。

  5. 和合の中川や森下、下坂あたり?
    小室とかも出してほしい気がするが、1年から出てくるほどの選手ではないか。。

    • 予想が難しいですね~。
      小室がさらに力をつけて敵となったら、丸井やイガラシのクセとか知っていそうで脅威な感じもします。
      城東に入っていて松下とバッテリー組むとか?

  6. あああ on 2018年9月20日 at 11:09 PM said:

    あの男と言ったら墨二を除くと誰なのでしょうねー
    青葉の佐野は既に登場してますし後は和合の中川?!
    松下が編入してたなんて事は少なくともないでしょうねー(笑)

    それか、青葉の主力選手?!
    4番(キャッチャー)、5番(ショート)など

    • 気になりますよねぇw
      世代的にイガラシキャプテン時代に対戦した誰かなのかなぁと考えると和合、北戸、白新あたりの誰かなのかなと思ったり
      でも印象が強く残っているのは金成中のマネージャーだったりしますw

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