第59話「あきらめるな! の巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!


小学館予備校で先日応援に来ていた女子2人に準決勝進出を称えられる谷口。
そして集英予備校では傷だらけの松下の両手を見たサチ子とリカが驚いていた。
松下は谷口の手だってきっとすごいと言うと、サチ子が自分だって城東のコーチやってたんでしょと返す。
だが、松下は単なるノッカーであって練習のお手伝いだと話す。
墨谷と城東の準決勝戦。
サチ子とリカの頭には
(谷口対松下……?)
という構図が浮かび上がる。

外に出ると丁度歩いてきた谷口と女子2人に遭遇。
谷口と松下は握手をかわし、松下はいつも通りスタンドから後輩達を応援しているという。
握手する2人の手の傷を見た両校の女性陣4人は、谷口と松下がすごいことをしているのはわかるが、
(受験はどうなっちゃうの?)
と考えていた。

翌日。
神宮球場の記者席にはいつもの記者陣たち。
専修館に競り勝った城東はスゴイものの、墨谷の選手たちは力が強く打球の速度が違う。
それを守備の城東がどこまで防げるか。
墨谷が試合巧者である事も間違いないとして5対3で墨谷との予想。

各チームのスタメンは以下のとおり。
墨谷(先攻)
1番セカンド 丸井
2番レフト 半田
3番キャッチャー 井口
4番ショート イガラシ
5番サード 松川
6番ファースト 加藤
7番センター 島田
8番ライト 久保
9番ピッチャー 近藤

城東(後攻)
1番セカンド 桑原
2番ファースト 松森
3番ライト 荘司
4番キャッチャー 旭丘
5番レフト 石坂
6番ピッチャー 栄川
7番ショート 風間
8番センター 新岡
9番サード 増田

城東先発のエース栄川はここまで全試合に先発してほとんどのイニングスを投げているという。
栄川の投球練習を見た記者陣は、疲れが残っていて球威がイマイチだと話す。
5対3どころかもっと差がつくのではないかと。
スタンドから見守り松下も、分業体制が整っている墨谷に対して城東は栄川に頼りきりなので疲れはあるかもしれないが、執念で打球に飛びつけばなんとかなると考えていた。

試合開始。
打席には1番丸井。
初球ストレートは見送ってストライク。
球威は東実の佐野に比べたらはるかに落ちると判断。
2球目。
カーブを打ち返すと二遊間を抜けようかというゴロとなるが、セカンド桑原が飛びついて捕球。
その体勢からではファーストへは送球できないと判断して、ショート風間にボールを渡して風間からファーストへ送球。
際どいタイミングとなったが判定はアウト。

続く2番半田は球威がないとみて初球からヒッティング。
打球はライト前に抜けたものの、
「あきらめない!」
ライト荘司がすぐさまファーストへ送球。
これもほぼ同時のタイミングだったが判定はアウト。
城東スタンドからはライトの肩が良かったとの声が漏れるが、松下に言わせれば荘司は特別肩がいいわけではなくあきらめなかった結果なのだ。

2アウトとなって打席には3番井口。
ヒット2本潰した感じだが、
(栄川のボールは練習試合でもやったけど打てそうなボールなんだよ)
と、これまた初球から打ちに行くと、打球はレフト方向へ大きく上がる。
ボールはポールギリギリ左に逸れるファールになるかと思われたが、
「ファールだからってあきらめるな! ネットによじり登れ!」
松下が叫ぶ。
するとレフト石坂がネットへとよじ登ってまさかの捕球。
好守備によって3アウトチェンジとなると、城東スタンドからは賞賛の拍手が巻き起こる。
「これ…松下のノックで鍛えた賜物だってゆーの?」
その盛り上がりに圧倒される応援に来ていたサチ子とリカ。
記者席でも城東は元々守備のレベルは高かったが、夏にかけてさらに鍛えられて進化した感じだと評価される。

マウンドには先発の近藤。
上級生ピッチャー3人を温存しての1年生起用に、墨谷は決勝戦を睨んでいると考える記者陣。
それに対して城東ベンチからは
「ケッ! 何が温存だ! 墨谷には大黒柱がいないってことなんだよ!」
「1年坊なんかには負けねぇ!」
「分業なんかには負けねぇよ」

と闘志漲る言葉が飛ぶ。
スタンドで見守る松下も
「一試合完全燃焼だ! 高校野球はトーナメントなんだ! 今日負けたら次はない!」
と口にするのだった。

ここで第59話が終了となります。

感想

ヒット性のあたり2本とフェンス超えそうなファールを見事に捕られての3アウト。
練習試合で悪いイメージがない城東エース栄川自体は疲労もあって打ちやすそうではありますが、守備陣はまだまだ元気という感じがしました。
でもこの諦めない精神は中盤~終盤にかけて疲れがもろに出そうなので、そこからどうなるかといった感じはしますね。
何となく昔の墨谷を見ている気分になります。

一方墨谷の先発は1年生の近藤がきました。
城東は守備の評価は高いけど打撃陣はどうなのか気になりますが、面白い勝負になるかもしれません。

関連リンク

・第55話「仕組まれた挟殺プレーの巻」
・第56話「練習のようにバットを振るの巻」
・第57話「男の心意気の巻」
・第58話「運命の道筋の巻」
・第59話「あきらめるな! の巻」
・「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ
・「キャプテン」連載開始50周年記念特集ページ

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13 Thoughts on “「キャプテン2」第59話感想

  1. 匿名 on 2023年4月7日 at 7:16 AM said:

    4試合で準決勝だと試合数が少なく感じますが、ひょっとして墨谷がシード校として書かれているんですかね?プレイボール2も3回戦スタートでしたし、だから最序盤から強豪と対戦になったとか。こうなると決勝は予想できませんね。お花茶屋はさすがに無理がありますし、去年優勝の明善かモウちゃん率いる西陵か、過去作キャラの流れで墨2メンバーのいる見知らぬ高校も盛り上がりそうですが…

    • 試合数の少なさに対しての描かれ方はどうなんでしょうねぇ……。
      でも確かにシードだったならいきなり強豪校との対戦ばかりっていうのもうなずけます。

      決勝が予想つかないんですよね~。
      過去や強さ考えたら明善が妥当な気はするんだけど、扱いとして東実以上に盛り上がるかなぁ……とも考えてしまいますし。
      おっしゃるとおりいっそ墨二時代の誰かがいる高校がぽっと出てきた方が盛り上がりそうですよねぇ。

  2. 正直、
    準決勝になっての城東戦はテンション上がらないですね(笑)

    近藤先発という事で、
    多少のドギマギがありそうですが。

    なんか甲子園より、
    谷口の進学先が気になってきました。
    百瀬が一浪で立教って伏線?(笑)

    谷口の学力、谷口家の財力が気にはなりますが…

    • 谷原、川北、東実ときての城東ですからね~。
      以前までのイメージだとどうしても楽勝な相手という印象がありました(笑)

      谷口の進学先ってそういえば明確にどこ目指すみたいな話はまだ出てませんね……。
      無事に大学行ったあと監督はどうなるのかなぁ。

      • にしなさとる on 2023年4月6日 at 10:42 PM said:

        谷口の進学先、本人は「できるだけ学費の安い大学に行きたい」と言っていましたから、当然国立なのでしょうが……。
        1979年当時、国立でなおかつスポーツが強い大学と言えば、筑波大でしょうか。
        実質的な体育学部が有ったので、国立としては例外的にスポーツは強かった。

        • 今は野球進学先決定に悩む様子とかも描かれるのかなぁ。
          谷口だけではなく丸井たちもどうするのか気になるけど、丸井はやっぱり谷口追いかけようとするかな(笑)

  3. にしなさとる on 2023年4月5日 at 11:16 PM said:

    追伸
     以前から気になっていることです。
     墨谷には使える投手が4人いますが、そのいずれも本格派で、技巧派や軟投型の投手はいません。
     継投を考えると1人はいてくれた方が良いはずですが、来年、片瀬がその役を担うのでしょうか?

    • 確かにその枠に片瀬が入ると面白いですね~。
      せっかく一時は活躍の場もあったので片瀬にはもっと出番来て欲しいです。

      • にしなさとる on 2023年4月6日 at 9:20 AM said:

        そう、チームとしては、タイプの違う投手が1人はいてくれた方が有り難いはずなんですよ。
        片瀬本人も、気付いているはずなのですが。

  4. 匿名 on 2023年4月5日 at 7:05 PM said:

    更新、お疲れ様です。あきらめるな、は墨谷の専売特許と思ってましたが、これは思わぬ接戦になるのか、それとも墨谷が力の差を見せつけるのか。今後の展開が楽しみですね。谷原も川北も東実も下して残るは決勝のみ。キャプテン、プレイボールから続く大ヒット野球漫画の集大成となる最後の試合の相手がお花茶屋であるとすると、さすがに複雑な気分ですが、最後まで見届けたいです。

    • こちらこそコメントありがとうございます!

      今までの墨谷のような諦めないしぶとさを発揮しそうな城東は、今の墨谷にとってはもしかすると一番戦いにくい相手かもしれませんね~。
      どんな打球にも食らいついてくる城東守備陣に、墨谷がどう対応していくのか気になります。

      決勝の相手はまるで予測つきませんねぇ……。
      普通に明善や聖陵がくるのか。
      まさかのお花茶屋なのか……。

  5. にしなさとる on 2023年4月5日 at 5:46 PM said:

    どうやら、前回話題になっていた通り、予選が1試合か2試合減らされたみたいですね。たぶん、墨谷が甲子園に行くことになって、予選にかける話数を減らせということになったのでしょう。

    さて、今回の話。かつての墨谷なみかそれ以上にしぶといチームになった城東が相手。1回表に城東が好プレイ続出で、墨谷側が唖然という展開。
    野球に詳しい人なら知っていることですが、実力は明らかに味方が上でも、相手側に好プレイが続出したり、点が取れそうで取れない回が続いたりすると、ずるずると相手ペースになって負けてしまうことが、珍しくありません。

    前回の試合で城東に敗れた専修館が、まさにそんなケースでした。甲子園でも毎回一度くらいは、そういう試合が有ります。
    もちろんそんなことは墨谷側も、百も承知のはずですが、その罠にはまるのをどう避けるか。

    ところで、墨谷は一年の近藤が先発ですが、彼が昨年の墨谷二中のエースでキャプテンで4番打者であることに、誰も言及しないのはなぜなのでしょうね?

    • 今の墨谷打線の打球が城東の好プレーによって阻まれるスタートは、以前の墨谷を相手しているような感じで不気味に感じました。
      ああいうプレーをされると精神的にまいらされるのは墨谷が一番よくわかっていると思うので、どう対応していくのか見ものですね~。

      言われてみると近藤の経歴に触れてる人いませんでしたね。
      あのいつもの記者は墨二時代に何度も取材までしていたのに……。

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