第23話「激走!の巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!


墨谷と東実の試合。
1回表から丸井の激走で1点を先取したかに思われた墨谷だったが、3塁突入時のスライディングに対して東実監督から守備妨害との抗議を受け審判団が協議を開始。
1塁審判と2塁審判は「危険なスライディング」だとして守備妨害と判断。
しかし3塁審判は野手に向かっての体当たりではなく、あくまでベース目がけてのものだっと話す。

審判団の協議が続く中、谷口は丸井に対して
「よく走ったと言ってやりたいとこだが…」
と前置きした上で、やはり無謀と言わざるを得んと忠告。
あのバントで3塁に走った判断は“無理矢理”だったとし、丸井にケガはなかったのかと聞く。
ケガはないと答える丸井に、続けて本塁突入に対しても
「思い切りすぎ」
だと言い、送球の線上を走った走塁はある意味高等テクニックとも言えるが、送球を受けた右手が大丈夫なのか、その手をとって丸井に問いかける。
ここでも
「大丈夫です。プレーに支障はありません」
と答える丸井。
(おれの体なんてどうなったっていいんです。死ぬ気でやっているんです)
自分の手をじっと見る谷口に丸井が心の中で必死に訴えかける。
すると
「丸井!」
谷口がグイっと詰め寄る。
「オマエに途中でケガされたら…甲子園に行く計画が台無しになっちまうんだよ」
「それをわかっているのか?」

そんな谷口からの言葉に何も言い返せない丸井。

一方、協議を続ける審判団は多数決を開始。
1塁と2塁審判は守備妨害と判断。
一番近くにいた3塁審判はインプレーだと判断。
それらを踏まえた上で、主審はランナーのスタートが無理くりだったので先入観が入っているのではとし、3塁野手への当たりはそこまで強くなかったと判断して、東実監督に「インプレー」として試合再開を告げる。
「セーフ」
との宣告に湧き上がるスタンドと、愕然とする東実ナイン。
東実捕手は佐野に気を取り直していこうと檄を飛ばす。

こうして試合はノーアウト2塁から再開。
マウンド上で気を引き締める佐野。
その後方、2塁ベース上ではランナーのイガラシも丸井の激走に影響を受け心に火が付いたのを感じていた。
「よしもう1点だ!」
この絶好のチャンスでもう1点取ろうと意気込む墨谷ベンチ。
同じく試合を見つめる丸井だったが、その頭の中は谷口の言葉でいっぱいだった。
(キャプテンが……おれに向かって初めて「甲子園」と言った!)

バッター谷口への第一球。
谷口にとっては成長した佐野との初対戦でありその初球。
(確かに……恐ろしい速さだ!)
その速球に驚きつつも、なんとかバットに当ててセカンド正面の強烈なゴロ。
それを見たイガラシがスタートを切るが、金属バットゆえの打球の速さからイガラシは3塁余裕のアウト。
(イガラシまで…丸井みたいな走塁を…)
その走塁に谷口は丸井の激走が伝播したのかと考える。
そしてアウトになり
(決め打ちしすぎた)
と、金属バットのゴロであることを失念していたイガラシに、次打者の倉橋が声をかける。
「“積極的な走塁”…悪くないぞ」
倉橋も思いは同じらしく、
(やっぱ……丸井くらいの気迫を出してやらないと……)
と、バッターボックスで気合いを入れる。
だが結果は初球を引っ張ってのショートゴロで643のダブルプレー。
明らかに間に合わないとわかっていても1塁へのヘッドスライディングを見せた倉橋に、ベンチの墨谷ナインからは「ナイスファイト」との声が飛ぶ中、谷口だけはその様子に戸惑ったいる様子。
「な、なんだ…? 倉橋まで激走…」
「丸井の激走が…みんなに伝播した……??」

そんな谷口にグラブを手渡す丸井。
そしてイガラシと声を掛け合うその後ろ姿を見つめる谷口は
(形はどうあれ……)
(おれの最後の公式大会しょっぱなに丸井が1点を取ってくれた。なんか…勇気をもらったぞ……)

と思うのだった。

3アウトチェンジとなり、1回裏東実の攻撃へ。
そのマウンドへ向かうのは先発の井口!

ここで第23話が終了となります。

感想

丸井の暴走プレーに対する審判団の協議結果はセーフ。
どういう形であれ、あの佐野から初回ノーアウトで1点先取できたのは大きく、また、その気迫が伝わり声を掛け合う墨谷ナインの姿は東実ナインに動揺を与えたようです。
肝心の丸井は谷口から初めて聞いた
「甲子園」
の一言に、こちらも気合いが入り直した様子。
あまりに自然な会話の流れで読んでいる時は気付かなかったけど、そういえば谷口が明確に「甲子園」という言葉を口にしたのって初めてなんですね。
わかってはいたけどあらためてその口から聞くと結構感動モノです。

そして第23話最後の最後で墨谷の先発が1年生の井口であると判明。
練習試合において心身ともに大きな成長を見せた井口が、東実打線にどんな投球を見せるのか。
練習試合以降どれだけ成長したのかも含めて目が離せないところです。

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2 Thoughts on “「プレイボール2」第23話感想

  1. Biromi on 2018年4月5日 at 3:32 PM said:

    丸井の激走が、物理的にも精神的にも墨谷ナインにいい影響を与えたことにホッと胸をなでおろしました。

    谷口に勇気を与えられるのって、丸井しかいないのかもな~と胸アツになりました。

    東実の攻撃がものすごく怖いですが・・・でも我らが墨谷ナイン、点を取られてもきっと何とかしてくれるはず!

    正直井口にはあまり思い入れがないので、先発ピッチャーと言われても、あまり胸は躍らないんですが・・ 成長をここでぜひ見せてほしいです。

    • 結果としてナインには好影響だったようですねー。
      とくに一番その影響力を感じたのが他でもない谷口だった事は、丸井が知ったら泣いて喜びそうw

      東実は佐野がすごいのはわかっているだけに攻撃面でどんな選手が揃っているかも含め不気味さはありますねぇ。
      そしてやはり送球の直撃を受けた丸井の右手もどうしても気になります。
      後々それが響かないといいんですが……。

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