第15話「カッカするピッチャーの巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!
金属バットによる浪国打線の強烈な打球を、深い守備位置で捕球する事で無事に6回裏を無失点で切り抜けた墨谷。
この結果は浪国監督にも計算外だった模様。
ベンチに戻った谷口は倉橋から、この回に浪国打者が打った球は全部ボール球だったと報告を受ける。
ヒットにされたのは外にはずれたカーブで、あとはベルトからボールゾーンに落ちていくフォーク。
金属バットに持ち替えたことで、谷口のボールならどこを振っても100%ヒットにできるという感じの振りだったらしく、それだけナメられていたということになる。
でも、いかに浪国でもあのコースを強引に振ればゴロになり、深く守って死ぬ気でボールに飛びつけば打球はグラブに入りなんとかなる。
谷口の作戦がなんとか当たった結果ではあるものの、あくまで「なんとか」そうなった結果な事に額から汗を垂らす谷口と倉橋。
一方でナメてくれていることに浪国のスキがあるとも分析。
谷口のフォークが有効的で、普通はベルトの高さから落ちるフォークはなかなか投げられない。
だが、谷口は親指と人差し指でボールを挟んで投げるため、回転がかかってしまってある意味“落差がない”のだという。
本来ワンバンになるフォークとなるとさすがに手を出してくれないが、谷口の落差のないフォークだとナメている浪国打線はダボハゼのように喰い付いてくるのだとか。
これらを考えて7回も谷口が投げる事に予定変更する。
谷口は7回裏も相手の『ボール打ち』を誘って無失点で切り抜けた。
一方の浪国投手は1回打たれたことによりカッカしており、ムキになったピッチングが終盤の力のペース配分を狂わせる。
そして4対6と2点差のまま9回表へ。
墨谷は1アウト満塁のチャンスを迎える。
1塁走者は加藤。
2塁走者は戸室。
3塁走者は足の速い島田。
迎えるバッターはここまでオール三振だという9番半田。
マウンドに集まった浪国内野陣は、半田がみるからにバントしそうなバットの持ち方をしている事からも、この際スクイズさせてホームで封殺したると息巻く。
(スクイズですよね?)
緊張した面持ちで谷口のサインを確認する半田。
谷口から送られたサインはツーランスクイズ。
そのサインに半田だけではなく、3人の走者も緊張の面持ち。
『ツーランスクイズ』とは、一塁送球の間に二塁ランナーの生還まで狙うスクイズ。
「二塁ランナーのスタート」と「その走塁センス」が重要になってくるという。
谷口はここで一気に同点を狙うつもりらしい。
『ヘタクソ半ちゃん』が試合に出ている理由はバントがうまいからだと話す谷口と倉橋。
作戦は読まれているかもしれないが、それでも半田の技術ならやってくれると谷口は絶大な信頼を口にする。
半田は朝から晩までバントの練習ばかりやっているらしく、
「努力に勝る天才ナシ」
「半ちゃんのバントはある意味天才の域に来ている」
とまで評する。
ただでさえ最終回同点のチャンスという緊迫した場面。
さらに半田にとっては金属バットで初めてするバント。
(オマエらのヘタクソスクイズなんて…殺してやる!)
浪国投手が第1球を投げると同時に、ファーストとサードが猛チャージ。
ところがプッシュバントとなった半田の打球は、フワっと上がり、ファーストへベースカバーに向かうセカンドの背後を抜けて落ちてライト前へ。
3塁走者の島田が生還し1点差。
さらに2塁走者の戸室も生還し同点。
そして……1塁走者の加藤までも生還!
バッターランナー半田はセカンドでアウトとなったが、ついに逆転に成功する。
大喜びの墨谷ベンチだが、打った半田は思っていたバントとは違った様子。
そして逆転した事で9回裏に備えてキャッチボールをした方がいいと話す倉橋だが、谷口は井口に速攻で肩を作れと指示。
井口は試合中ブルペンキャッチャーをやって肩は動かしていたと話す谷口だが倉橋は納得しない。
井口のボールが浪国にどこまで通用するか見たいと話す谷口。
井口はピッチャーとして使わないと決めていたと反論する倉橋。
重苦しい空気のベンチに戻ってきた半田が、谷口は色々と勘違いしていると声をかける。
竹バットでの練習はいいが金属でバントの練習をしていない。
キャプテンはここの感覚が抜けていたのだという半田の言葉に驚く谷口と倉橋。
さらに半田は、金属では打球を殺せないし、今のバントも自分がプッシュしたわけではなく失敗なんだと言う。
「何かモメている?」
とバッターボックスからベンチを見つめる丸井。
そしてネクストバッターズサークルから見るイガラシ。
ここで第15話が終了となります。
9回表ついに逆転に成功した墨谷。
このままいけば強豪・浪国に勝つ可能性も高い中、谷口の『井口起用』にまたも倉橋ともめそうな空気です。
でもあくまで練習試合である事を考えると、ここで井口がどれほど通用するのか見てみたいという谷口の気持ちはよくわかります。
そして今回の目玉はやはり半田でしょうか。
野球は下手だけど練習という努力によって、バントだけは谷口や倉橋からも絶対的な信頼を寄せられるほどに成長していたんですね。
その半田が谷口の『勘違い』を指摘する場面で終了という、これまた次回が気になる終わり方です。
思えば半田はかつて専修館との試合でも、東実からもらった攻略メモで誰も気付かなかった部分に気付きました。
こういう時の頼り甲斐は墨谷一かもしれませんね。
さて、次回井口がマウンドにあがるのか?
まさかの逆転にここまでナメていた浪国の逆襲はあるのか?
楽しみです。
・第11話「バットの目の巻」
・第12話「許せない子供達の巻」
・第13話「金属バットを持つの巻」
・第14話「強い打球の守り方の巻」
・第15話「カッカするピッチャーの巻」
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