第12話「許せない子供達の巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!


浪国に貸した竹バットが2本折れてしまい、練習試合用に用意した竹バット9本のうち、早くも3本を失う事態となってしまった。
折れたバットを受け取りに行った井口は、浪国選手達が申し訳なさそうにしているものの、そのわりにバットの扱いがぞんざいだと感じる。

続く浪国の5番打者の打球は竹バットながら3塁線横を抜けていく鋭いファール。
対する松川は、死ぬ気で投げないととんでもない大量失点をすると、この試合で自分に任された2回と3回を全力で投げるよう気合いを入れる。
結果、2回裏の浪国の攻撃をなんとか2失点で『しのいだ』松川。
ベンチに戻る谷口は浪国のバットの振りを見て、あらためてその実力差を思い知らされていた。
それはこの回を投げた松川、そしてあとのイニングで投げる事になるイガラシも同じだった。
そこで谷口は自分を含む3人をショートイニングスで回すと宣言。
2回と3回を松川。
4回と5回をイガラシ。
6回、7回、8回を、谷口、松川、イガラシで1イニングずつ分担しようと考える。

4回にも浪国に点を取られ、5回マウンドに上がったイガラシに谷口は変化球主体でかわすよう指示。
これまで同様に竹バットを折るようスイングする浪国打者だが、手元で伸びるイガラシのキレのある球に空振り。
ベンチでスコアブックをつけていた浪国選手がイガラシについて、
「中学の軟式野球部で日本一になったピッチャー」
だと監督に報告。
だが、それを聞いても浪国監督は驚いた様子もなく、不敵な笑みと言葉を絶やさない。
2イニングスくらい全力で行けば0で抑えると奮闘するイガラシだが、やはり気力だけで埋まる実力差ではなく、5回を終えた時点でスコアは6対0。
全力で投げても打ち込まれた事を心の中で悔しがるイガラシ。
一方の浪国監督は、イガラシに代わってから竹バットが2本折れたことにその実力を評価する。

そして、谷口は6回に備えて井口相手に投球練習を行おうとするも、浪国監督から墨谷が貸した竹バット3本全部折れたと報告されて言葉を失う。
9本持ってきた竹バットのうち5本折れてしまった事になる。
残り4イニングス、まだ竹バットでやるかと聞かれる谷口。
これ以上竹バットを無くしたら、今後練習ができなくなってしまう。
この回から金属に切り替えてやってみないかという、思惑通りに事が運んだ浪国監督の誘いにとうとう谷口も了承。
これまでわがまま言ったと謝罪して金属バットを貸して下さいとお願いする。

浪国から3本の金属バットを借りた墨谷。
この回は1番丸井から。
バッターボックスへ入る前に初めて持つ金属バットの感触とスイングを確かめる。
ようやく金属バットでの試合となった事に浪国監督も納得の様子。
「大人気ないが……『練習にならん』と言うよりも“意地”でここまで持ってきた」
「子供達の“失礼な態度”は許せなかった」

と口にする。
金属バットに変えての1球目を、丸井のスイングが真芯にとらえてセンターライナー。
が、その場にいたみんなが思っていた以上に打球が伸びて、センターの頭上を越えていった。

ここで第12話が終了となります。

感想

さすがは強豪校と言われる浪国だけに、谷口、松川、イガラシのリレーでも抑えられない。
むしろよくこの点差で抑えているとさえ感じられる展開です。
谷口の深刻な表情が多い回ですが、以前に谷原との練習試合でボロ負けした事なんかも頭をよぎってそうですね。

そして、持って来た竹バットを半分以上失った事で、ついに谷口も折れて金属バットでの試合となりました。
それまでイガラシの実績を聞いてもあの不敵な笑みを崩さなかった浪国監督が、金属バットに変えてからの丸井の打球に思わず
「え?」
と言葉を漏らしたのは予想外だったんでしょうか。

またいいところで終わってしまったなぁという感じですが、その分次回の墨谷の攻撃を楽しみに待ちたいですね。
あと、所々で出て来る井口の無言の表情も、何か彼にとって思うところがあるのか気になるところです。

関連リンク

・第8話「スイートスポットの違いの巻」
・第9話「差し入れの巻」
・第10話「芯で捉えろ!の巻」
・第11話「バットの目の巻」
・第12話「許せない子供達の巻」
「プレイボール2」「キャプテン2」感想ページ

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2 Thoughts on “「プレイボール2」第12話感想

  1. 更新ありがとうございます。
    このタイトルにドキっとしました。子供のころから読んでいるプレイボール、すっかり大人になった今でも、読むときはもちろん、子供に戻って読んでいるので、ついつい、墨谷がんばれ!って応援してしまいますが・・・確かにはるばる練習試合に来てるのに、竹バットなんか使われたら腹が立ちますよね・・。わたしも波国の監督だったら、竹バットをバンバン折るように子供たちを仕向けるかもしれません・・・。

    まあ、こういう融通のきかないところが、谷口キャプテンのいいところでもあるんですけどね・・・。子供のころは気にならなかったことが、「おいおい」って思うようになったところに、歳を感じました・・・。

    • こちらこそいつもコメントありがとうございます!

      私も全く同じ感想でして、これまでは墨谷目線で読んでいたものですから、浪国監督の指示にはいやらしいなぁなんて思いながら読んでいたのですが、今回の監督のセリフで
      「そりゃそうも思うよな」
      なんて考えてしまいました。
      浪国からすれば、わざわざ遠征してきた挙句に当初対戦するはずだった東実とは試合ができず、その上代わりの対戦校に自分達よりも不利な条件で試合をするなんて言われたら腹も立ちますし練習にもなりませんからねぇ……。

      見慣れていたはずの谷口の頑固さ・融通の利かなさを今回はちょっと考えさせられた回でもありました。

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