『Eマンガ先生』第7話です。
以下、BパートとCパートお気に入りな台詞を書き連ねていきました。
(ネタバレ注意)


正宗:わたしのものになれって・・

え!おま・・!何言って・・!?

ムラマサ:ち・・違う!今のはわたし専属の小説家になれという意味だ!
正宗:わたし専属の小説家・・?
ムラマサ:文字通りわたしのために小説を書くんだ。その代わりわたしは君に十分な報酬を支払おう。

どう・・かな?

正宗:どうも何も・・あんた俺の夢を潰すって言ってただろ。それと今の提案がどうやったら繋がるんだ?
ムラマサ:それは・・。

エルフ:ストーップ!マサムネ!それを聞くのはやめておきなさい!あんたはおひとよしのバカなんだから!敵の事情を知ったら勝率下がるわよ!

ムラマサ:山下先生。

エルフ:山田よ!山田!

ムラマサ:あなたがどうしてマサムネ君の家にいるんだ?

正宗:な・・な!
エルフ:同棲してるからよ!
正宗:お隣に住んでいる事を同棲って表現するのはやめろ!

ムラマサ:マサムネ君、君はわたしの話を聞くべきだ。君の夢を押し潰すわたしの夢を思い知るべきだ。今の生活を続けたいのなら・・。

エルフ:って思わせぶりな事言って上がり込んできたくせに、こいつは何してるわけ?
正宗:小説・・書いてるみたいだな。
エルフ:どういう事よ?
正宗:わかんねえよ。話してる途中に急に書き始めたんだから。

エルフ:ちょっとあんた、さっきから何書いて・・。

ムラマサ:邪魔したら殺す。
エルフ:ぐ・・。
ムラマサ:今いいところなんだ。すぐ終わるから待っていろ。
エルフ:ぐぬぬ・・。
正宗:これ、ラノベ天下一武闘会に出すやつ書いてるのか。
エルフ:まさか。締め切り明後日よ。
正宗:じゃあ、もしかしてずっと刊行止まってた「幻刀」の続き!?

紗霧:ねえ兄さん、この人完全に集中しきってて何やっても気付かなさそう!
正宗:そうだな。

紗霧:ちょっと・・スカートめくってみて!

正宗:お前ってやつは・・お前ってやつは・・筋金入りだな!
ムラマサ:何の話をしている?

その・・何だ・・わたしの下着に興味があるのか・・?

正宗:あ!いや・・その・・そ・・そもそもあんたが急に「幻刀」の続き書き始めたりするからこんな事態に・・。

ムラマサ:「幻刀」・・何だそれは?
正宗:え?

エルフ:ちょっとあんた、天然ボケもいい加減にしなさいよ!「幻想妖刀伝」知ってるわよね!?

ムラマサ:かすかに聞き覚えがあるような・・ああ!担当編集が書け書け言ってくるあれの事か!

エルフ:ってあんた、自分の本のタイトルも覚えてないの?
ムラマサ:小説というのは自分で読むために書くものだろう。面白い本文さえあれば名前なんてどうでもいい。わたしは小説を書くだけだ。あとは知らない。

正宗:先輩あんた、なんで小説家になったんだ?
ムラマサ:デビューしたのはなりゆきでしかない。

一日中小説を書いていても家族にうるさく言われなくなるよ、と説得されたのがキッカケだったかな。

正宗:じゃあ小説を書き始めたのはどうして?面白い小説が読みたいだけなら本屋で買って読めばいいじゃねえか!

ムラマサ:本屋にわたしが心の底から面白いと思える小説なんてないからだよ。だから仕方なく自分で書いているんだ。

正宗:嘘だ!本を読んで面白かったって思い出がなきゃ自分で小説を書こうなんて発想はしない!

ムラマサ:もちろんひとつだけあった!でも・・
正宗:ん。
ムラマサ:もう・・その続きは二度と読めない・・。

後輩、君は自分の書いた小説に100点満点で何点つける?

正宗:100点だ。

ムラマサ:わたしも同じだ。自著の自己採点は常に100点に決まっている。だがわたしが初めて読んだファンレターにはこう書かれていたよ、100点満点中、

100万点くらい面白かったです!と。

びっくりした。わたしの書いた100点満点の小説に100万点をつける奴がいる。小説家になって改めてわかった。作者は必死で100点の小説を作るのに読者は平気で100万点をつける。人によっては何冊も何冊も100万点の本を手に入れるんだ。

全く平等じゃない・・。

わたしのための本はほとんど見つからなくてちっとも読み足りなくて・・わたしは・・ずっとずっと・・

お腹が空きっぱなしなのに・・。

だからこそ、わたしの夢は自己採点100万点の小説を書く事だ!わたしが心の底から面白いって思える小説をお腹いっぱいになるまで、

何冊だってわたしのために書いてやるんだ!

正宗:あんた、そんな顔で笑うんだな。

ムラマサ:夢を語る時は笑うものだからな。
紗霧:あ・・。

正宗:先輩の夢はわかった。けどなんで俺たちの夢を潰そうとするんだ?あんたの邪魔した覚えはねえぞ。

ムラマサ:している。君がつまらないラブコメ企画を始めたせいで、わたしはバトル小説が書けなくなった。
正宗:な・・何だそ・・!
エルフ:はい、そこまで。だから言ったじゃない。下手に事情を聞かない方がいいって。

ほら、帰るわよ!
ムラマサ:山本先生!

エルフ:山田よ!

あんたもわかんない奴ね!あれじゃあマサムネには一番肝心な部分がちっとも伝わってないわ!

こいつにわからせたかったら、あんたの真意をバシっとぶつけてやんなさい!

ムラマサ:わたしにとっての世界で一番面白い本というのは・・君の作品なんだ!

正宗:え!

ムラマサ:だから君が書くジャンルを変えてしまうのが許せない!わたしは君の書くバトル小説が好きなんだ!もう読めないなんてイヤだ!絶対にイヤだ!

わたしは君が書いた小説は全て読んでいる!君がデビュー前に書いたWeb小説から愛読していた!

正宗:え!
ムラマサ:わたしの小説は君の影響をずっと受け続けている。君がわたしの心を震わす小説を書いてくれるから、

わたしは書き続けられるんだ!君の「転生の銀狼」が終わってしまった時、すごく落ち込んだ。

わたしの大好きだった彼らはあの後どうなったんだろう・・どうしたら幸せな結末にたどり着く事が出来たんだろうって・・そんな事ばかり考えていたよ。作者でもないのにな。悲しさを紛らわせるために書いて書いて書きまくった。どうして和泉先生は新作を発表しないんだろうって歯がゆく思っていた。

だから君がラブコメ企画を立てたと聞いてそれを叩き潰せばまたバトル小説を書いてくれると思った。発奮させるためにわざと怒らせもした。

でもその後で神楽坂さんに叱られてしまってな。そこまで深刻な状況だとは知らなかった。今の仕事を続けるには作家としての成果と収入がいるのだろう?マサムネ君!つまらない夢は諦めてわたしのために小説を書きなさい!

そうしてくれるなら、わたしが今までに得た印税を全て君にあげよう!君がわたしのものになってくれるなら君たち兄弟はわたしが一生守ってやる!

返事を聞かせてくれるか?
正宗:先輩・・俺・・。

紗霧:あげない!絶対あげない!

正宗:紗霧!



紗霧:わたしの方が先だもん!わたしの方がずっとずっと好きだもん!

最初っからわたしのだもん!

わたしたちの夢はつまんなくなんかない!一緒に作ったんだから・・

お前なんかに負けるもんか!絶対・・絶対・・

負けるもんかー!!!

正宗:ごめん、先輩。気持ちはすっげえうれしいんだけど、お代が足りねえわ。

今ちっとも負ける気しねえ。ちゃんと戦ってケリつけようぜ。先輩、俺のファンなんだろ?食わず嫌いしないでさ、読まなきゃもったいないよ!だって今度の新作は和泉マサムネの・・

最高傑作になるんだから!


ムラマサ:つまらなかったら殺す!

あやめ:やっと来た。
編集:もしかして和泉先生の原稿っすか?
あやめ:そう。ビリッケツのすべり込みセーフね。

編集:ラノベ天下一武闘会、盛り上がるといいっすねえ。
あやめ:盛り上がると思うわよ。今んとこ、力作揃いだし。

ま、ひとり力作すぎる人もいるんだけどね。


エルフ:結果発表まであと3分ね。

正宗:ドキドキするな。

エルフ:女の子の目の前で自分へのラブレターを読まされた時と同じくらいドキドキしてる?
正宗:う・・。

エルフ:わざわざラノベ天下一武闘会の出場作品が載った雑誌持って押し掛けてくるなんてよっぽどあんたに読ませたかったのね。

正宗:あの・・せ・・先輩。
ムラマサ:は!な・・何かな・・?マサムネ君・・。

正宗:この小説に書いてあるのって・・お・・俺たちの事だよな?

ムラマサ:な・・なんでわかったの・・?
正宗:その・・読めばわかるよ・・。
ムラマサ:えーと・・あの・・マサムネ君・・。
正宗:な・・何だ!?

ムラマサ:わたしは君の事が好きだ!君の作品も君自身も・・愛している!返事を聞かせてくれないか?

正宗:先輩・・俺、好きな人がいるんだ・・だから先輩の気持ちに応える事はできない・・。


ムラマサ:わかった・・。

エルフ:ああ、発表の時間よ。
正宗:あ・・。

紗霧ー!

エルフ:しかしムラマサにも呆れたもんね。


得票数は一位でも規定枚数の倍書いて失格。そんで、繰り上げで二位のあいつが、いいえ、あいつたちが優勝か。

正宗:勝ったぞ!俺たちふたりで勝ち取ったんだ!

紗霧:うん!兄さん、なんであのタイトルに決めたの?

正宗:ひらめいたからだよ。お前が啖呵切っているところを見て、ひらめいたんだ。
紗霧:そっか。



正宗:これって・・。

お・・。

ムラマサ:100点満点中100万点くらいおもしろかったです。

なんかよくわからないけど泣いてしまいました・・感動!
ムラマサちゃんが二度?正宗君に告白してましたね・・なんか悲しい!
以上、B&Cパートでした。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

Post Navigation