Xbox360専用ソフトの「アランウェイク」。サイコホラーである本作をレビューしていきます。
俺の名はアランウェイク。作家だ。
この語りのとおり、主人公アランウェイクは人気作家である。現在悪夢に悩まされており、それが理由かはわからないが現在スランプにも陥っており、妻のアリスと共にブライトフォールズへと療養を名目にやって来た。別荘へと到着したアランは部屋にワープロが置いてある事にため息をつく。アリスの仕業だった。感情的になったアランは別荘を飛び出すが、近くの橋まで来たところで冷静さを取り戻す。
「何をやってるんだ……」
その時だった。アリスの悲鳴を聞いたアランは急いで別荘へと駆け戻る。しかし、部屋に到着したアランが目にしたものは、アリスが湖へと引きずり込まれていく姿だった。アランも湖へと飛び込み後を追う。次に気がついた時、事故で動かなくなった車のそばにいた。
この物語の敵は悪夢の中に出てくる闇を纏った何者かである。彼らは暗闇で襲ってくる。ただし、光のある場所では襲って来ない上に、彼らは光を当て続けると銃での攻撃が効くようになる。そこで登場するのが懐中電灯である。アランは懐中電灯を左手に進んで行く。懐中電灯の光は銃の照準の意味もあるが、彼らは光をあてると動きが鈍り、さらに当て続けると銃が効くようになる。つまり光がなければアランに彼らを倒す術はないという事だ。本作において「光」はもっとも重要な要素なのである。合間合間に昼間のシーンも入るものの、メインとなる部分は夜の行動。昼間はストーリーの繋ぎの部分だと思えば良い。ただしこの昼間があるからこそ夜の恐怖が活きるわけであるが。
ゲーム中、歩いていてもアランの語りが入る。本作は何かあるごとに操作が中断されるような事は極力少なくされており、小説を意識した語りは本作の世界観を非常に上手く表現している。これがまた違った形だとここまでの世界観は完成されなかっただろう。また、各章が終わるごとに歌による演出が入り、新しい章を開始した時には「ここまでのアランウェイク」として、文字通りここまでのあらすじが語られる。海外のテレビドラマを意識した作りも本作の世界にマッチしている。
光を奪われた状況での恐怖がとんでもなく表現されている。
逆に光のもとにいる時の安心感は、思わずため息が出てしまうほど。基本的に一本道を進み続ける内容ではあるが、そのおかげでこれだけの世界観を表現できたのであれば良いのではないだろうか。私は現行機のソフトの中でもかなり好きなソフトだ。
最後にアランの良き理解者であるバリーの存在も見逃せない。アランだけでは暗い雰囲気を彼の存在が和らげてくれている。姿といい声といい、もう彼がヒロインでも良いのではないか?
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