第126話「下町の偶然の巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!


御法島高校戦。
1対1のまま7回裏までが終了。
御法島のエース一色は打たせて取るピッチングでテンポ良くアウトを取っていく。
一方墨谷の先発近藤は……。
「おいおい近藤投手はすごいぜ…」
「御法島を7回まで1点に抑えるとは…」

ここまで一色しか見えていなかったスカウト陣が口にする。
「近藤すげぇすげぇ! この回も頼むぞ!」
8回表のマウンドへ向かう近藤に丸井が声をかける。
「いやぁ完全な投手戦になってきましたね~」
「これは予想していませんでした。近藤クンがここまでやるとは…」

解説と実況も近藤のピッチングにあらためて驚きを口にする。
そして井口も、
(おれの考えていた事が徐々に的中してきている)
(近藤はひと皮もふた皮もむけた。これはボールの威力だけじゃないんだ!)
(マウンドさばきが成長したんだよ)

投球練習の球を受けて考える。
(これ…ひょっとしたら……御法島に勝てるんじゃないのか?)
(もし……)
(もし近藤がピンチになったとして……おれが代わってマウンドに行ったとして今日の近藤以上のピッチングができるだろうか?)
(で、できない――!)

そんな思いは井口だけではなく他の選手も感じていた。
(この先どうなるかわからないが……この近藤の成長は認めねばならない)
(あの近藤に……)
(おれ…追い越されたか…?)

と思うイガラシ。
(明らかに……)
(近藤はおれの上を行っている)

と思う松川。
さらに谷口も
(この展開は予想できなかった。近藤……)
と、その成長を感じていた。

8回表。
御法島の攻撃は8番榎木から。
「榎木!」
「出てくれよ」

ネクストバッターズサークルの一色が珍しく焦りの表情を浮かべる。
「おう」
と、一言返事して打席に入る榎木を見つめる一色。
(試合が膠着しちまった…)
(7回ならせめて「3対1」位では来たかった)
(あと2回で点が入らなかったら延長……延長はイヤなんや)
(明日(準決)あさって(決勝)を考えたら…)

そう考えている間にも榎木は2ストライクまで追い込まれる。
「近藤クンは8回になっても球威が衰えませんね~」
と解説が話すように、近藤は榎木を三振に取る。
これでこの試合7個めの三振となった。
そんな近藤のピッチングに解説者が
「恥ずかしながら……私は認識が甘かったかもしれません」
「近藤クンはすごい…。甲子園の真のニュースターと呼んでもいいでしょう…」

と、自分のこれまでの考えを訂正するほど。

打席には9番一色。
(おれがなんとしても出なければ)
そう思う一色だが初球、
(このボール……)
空振りして1ストライク。
だが、一色にとってそのボールは、
(確かにいいボールだが…)
(これ位の球威のピッチャーは今までたくさん見てきた)

と思うボールだった。
一方の投げる近藤はスタンドからの近藤コールに、
(みんな~もっと応援して~~!)
(みんなもっと騒いで~~!)
(もっともっともっと……!)
(ワイは今日明らかに地に足がついてへんけど…)
(この大騒ぎが大好きなんや~~~~!)

と、その応援を力に変えるかのごとくピッチングで一色も三振に取る。
この日8個目の三振。
「浪国の時の近藤クンのピッチングはまぐれではなかった!」
と話す解説者はある予感を口にする。
「これはあの時と同じようなカンジになってきましたよ」
と。
ベンチへ戻る一色は
(浪国の奴らも絶対思ったハズだ。「これ位は見てきた」と)
(でも打てない!)

と、なぜ打てないのか理解できない様子。
この試合をお茶の間で見ている人達も、近藤という新たなスター誕生を感じ始めていた。

だが、そんな状況を知らない人達もいた。
「どこに行っても甲子園がついている」
工具箱持って彷徨う谷口の父ちゃんが行き着いた先はあだち家。
中を覗いてテレビで甲子園をやっていない事を確認すると奥の席へとかける。
(あれ~。あの人……ひょっとして…)
そう感じた近藤父が声をかける。
「谷口さんですか?」
「え」

驚く谷口の父ちゃん。
「やっぱり。TVでインタビュー受けてるとこ見た…」
「私は近藤です。近藤茂一の父親です」

それを聞いた谷口父ちゃんも
「あ。ども……」
と席を立って挨拶する。
「お…同じです。私も甲子園が見ていられなくて…」
そう話す近藤父に、
「恥ずかしいです。こ、こんなとこでお会いするなんて…」
と返す谷口父ちゃん。
「いやいや」
「気持ちはよ~~くわかります」

そんなやりとりをする二人を見つめる市川記者は、
(な、なんという下町の偶然。今甲子園で戦っているピッチャーと監督の父親が…)
(しかしこのふたりがTVを見れずにここに居ることは記事にできないぞ)

と思うのだった。

試合は打順戻って1番田嶋もピッチャーゴロでアウトにし、8回表も近藤が無事0点におさえた。
「私は正直ここまで「5対1」位のスコアを予想していましたがとんでもない…」
「近藤クンは尻上がりに良くなってますよ!」

と、もはや解説者の口からは驚きの言葉しか出てこない。
だが谷口は別の問題に悩んでいた。
(井口の進言が大当たりしたわけだが…! しかし悩ましい……! これはひょっとして延長もありうるぞ! 延長になったらピッチャーをドースル!?)
一方8回裏のマウンドに立つ一色。
そこに7回までのポーカーフェイスはない。
(延長にはさせん!)
(絶対させん!)
(絶対!)

一方、居酒屋で出会った二人の父親は市川記者も加えた三人で酒を飲みながら話す。
「ウチの息子と谷口さんの息子さんはみっつ違いだったためプレーヤーとしていっしょにならなかった」
「谷口タカオ君は憧れの”伝説キャプテン”」
「「監督と選手」としてやっと一緒にやれる日が来た」

「その結果が甲子園ベスト8です。こんな達成感はない。我が息子を甲子園に連れて行って下さって本当にありがとうございました」
そう話す近藤父。
「何を言ってらっしゃる。この結果は茂一クンがもたらしたもの…」
そう返す谷口の父ちゃん。

そして時間が午後6時。
照明が灯る。

時計を確認する市川記者。
(6時……)
(もう試合の決着はついている頃だな)
(ここまで情報を入れなかったからこのふたりも幸せだったろう)
(気をもまなくて…)

談笑する二人の父親を見つめながら思う。
(あとはウチに帰って恐怖の結果を知るだけ…)
だと。
店を出たあとも二人肩を組んで歌いながら歩く父親組の背中を見ながら歩く市川記者だったが、田所電機商会の前に人だかりができているのを発見。
「て、TVの前に人だかり…なぜ?」
「これはまさか……まだやってるの?」
「6時半だよ…」

慌てて駆け寄ると、
「やってる……甲子園まだやってる……」
まだ試合をやっている事を確認した市川記者と、その言葉に黙り込んでしまう父親二人。
「試合開始が4時だから2時間半くらいやってるのか……? という事は今12~13回くらい…?」
「すいません。今何回?」

前でTVを見ている人に尋ねる市川記者。
顔色失う二人の父親。
「え? 12回…」
市川記者の驚きの声。
その場から逃走する父親たち。

ここで第126話が終わります。

感想

誰もが近藤のピッチングに驚く中、ついに一色のポーカーフェイスが崩れて焦りの色が見え始めました。
5回以降の墨谷の攻撃内容がわからないのでなんとも言えないけど、焦り始めた一色につけ入る隙がありそうな気はするのですが……。
絶好調だからこそ近藤がちょっと怖くも感じてしまいました。

次回は、
運命のセカンドゴロが飛んだ!
『極限の挟殺プレーの中で』の巻

丸井でしょうか。
見せ場来て欲しいです!

関連リンク

・第122話「球歴が部長クラスの巻」
・第123話「上流階級のけだるさの巻」
・第124話「イヤホンの巻」
・第125話「準々決勝の合理的試合展開の巻」
・第126話「下町の偶然の巻」
・「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ
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6 Thoughts on “「キャプテン2」第126話感想

  1. キャプテン世代 on 2026年1月21日 at 9:32 PM said:

    こんばんは
    126話読みましたよ
    凄いですね近藤⚾最後のシーンの延長12回って部分⚾近藤がまだまだ生き生きと、逆に一色が疲弊しながら試合が進んで居るシーンが予想できました。。

    元祖キャプテン時代の丸井世代の青葉学院との決勝戦。延長18回。。あの時は9回に近藤が青葉から痛恨の一撃を打たれ、五十嵐が近藤の肩を触った時に、近藤の肩に凄い熱を感じて五十嵐に投手交代と言う流れで、五十嵐が『近藤見てろ!!』と奮起したシーンでした

    今回の近藤は墨谷高の厳しい投げ込みも難なくこなしていた部分と、試合が坦々と進んで居ると言う部分で、それ程球数は嵩んで居ないかもしれませんね
    試合が近藤のミスで終わるとは思えません。。もし勝つ事が有るのならば、裏攻めの墨谷がサヨナラになる訳ですが、、

    何となく延長18回引き分け再試合って部分も何となく有るのでは?と言う部分も想像出来ました

    再試合は井口、五十嵐、松川で投げきり、対する ミノリシマ は一色にしか頼れず、、再試合で墨谷の投手王国を世間に知らしめる再試合に成っても嬉しく思います

    準決勝、決勝の事は今の所、、
    想像がつきません
    再試合なら想像がつきますが

    どうなる事でしょう

    • キャプテン世代さん、こんばんは!

      甲子園の声援を受けてさらに気分良く投げる近藤と、徐々に焦りの色が見え始めた一色で差が出てくるかなぁという感じですが、それでもあのまま12回まで同点のまま行ったというあたり、もしまだ両先発が続投しているなら一色の強さも感じたような気がします……。
      私は逆にここまで近藤が調子いいと思わぬミスしそうでちょっと怖くなってきましたw

      いよいよみなさんおっしゃってた延長18回見えてきましたが、そこまで行くとなんとなく墨谷勝つのかなと思っていたけど再試合は想像もしてみませんでした。
      その可能性もあるのかな?

  2. にしなさとる on 2026年1月21日 at 6:28 PM said:

    このまま、あの箕島対星稜、延長18回のオマージュになるのでしょうか。
    しかし一つ、はっきり違うことが有ります。
    あの試合の箕島高校は後攻だったが、こちらの御法島高校は先攻だということ。

    • おっしゃっている先攻後攻の違いはあるみたいだけど、今回で延長18回の可能性が高くなった感じですね~。

  3. にしなさとる on 2026年1月21日 at 8:39 AM said:

    これは……近藤のお調子者的性格が、良い方向に作用したと見るべきでしょうね。
    お調子者は、調子に乗ると、時として実力以上の力を発揮する。
    この場合がそれか、それに近いでしょう。

    一方の御法島、ここまで来るとさすがに目の色が変わる。
    藤尾監督も、一色以外の選手も、焦るなと言う方が無理難題に近い。
    先にミスをするか、投手のスタミナが尽きた方が負けという展開で、はたして……。

    • やはり心配されていた悪い方ではなく良い方向に出た感じですかね~。
      このタイプはそうなると相手からは手の付けようがない状態になるのかな?

      御法島は一色に焦りが見え始めた上に、気のせいかもしれないけどなんとなく打撃陣にも元気がなく映りました。

      こうなると近藤の方に余裕感じるけど、それだけに思わぬミスが出そうな気もしてちょっと怖いです……。

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