第81話「究極の指示の巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!


お花茶屋との決勝戦。
11回表。
6対6の同点からイガラシのヒットで半田が生還してついに勝ち越した墨谷だが、半田のスライディングにお花茶屋の杉本監督が声を挙げる。
指示された台保が危険なスライディングだと主審に抗議。
スタンドから見守る田所と倉橋、2塁に到達したイガラシも半田のスライディングが激しかった事は感じていた。
主審が塁審を集める。
協議している間、あらためて田所は小柄で華奢な半田が多少激しいスライディングをしても”危険なもの”に見えないかもしれないとし、ショートへのスライディングがそうであり、キャッチャー台保との体格差はさらに開いている事から、審判に先入観みたいなものが働いたかどうかだと話す。
倉橋は審判も人間であり正確な判定を心掛けていても様々な状況も入ってくるので覆らないと思うと話し、その状況とはショートのトリックプレーだという。
策士のお花茶屋が散々練習してきたであろうあの人を謀ったプレーが、微妙な判定になった時にランナーの味方をしたくなる理由になったりして……と。
やがて審判が散ると主審からセーフの判定がなされる。
「策士策に溺れる……ですよ!」
倉橋が叫ぶ。
正式に7対6と墨谷が勝ち越しに成功した。
この状況に抗議が通らなかった杉本監督は
(まずい!抗議をしておきながら逆の裁定が下ってしまうと……)
と、自軍の士気を心配。
一方、ベンチに戻った半田に谷口監督が
「それはそうと半田…今足を引きずってなかったか?」
と尋ねるが、半田は一時的なものでプレーに影響ないと思うと答える。

1アウト2塁となり、打席には5番松川。
初球。
気落ちしていると感じた絶好球を松川が打ち返すと、打球は左中間への大飛球となった。
(ああ……終わった!)
杉本監督が打球を見上げて心の中で叫ぶ。
「よし左中間オーバー!この回2点めだ!」
イガラシも抜けるのを確信して走る。
が、これをセンター出旗がジャンピングキャッチ。
3塁目の前まで到達していたイガラシが慌てて2塁へと戻るも間に合わずアウト。
結局この回墨谷は1点のみ。

11回裏。
谷口監督が近藤と井口を呼び止め、
「この回はさっきの「サヨナラ負け」のピンチとは違う。冷静に打たして取って行けよ」
と言うと二人は返事するも、
「――と言いたいとこだが…」
「果たしてそんな芸当ができるであろうか?」

と谷口監督がそんな事は無理だと言い、10回裏と同じでいいと言い出す。
「とにかく高めに集中させて空振りだけを狙え!理想は三振みっつ!1球もバットに当てさせずに甲子園行きを決めろ!」
その指示に井口は衝撃を受け、近藤もまた
(谷口さんが初めて”甲子園”という言葉を口にした)
と驚く。
(谷口さん!サイコーの指示です!)
守備に向かう井口は軽く興奮気味。
そんな中、レフトへ向かう半田の足の状態に谷口監督は不安を覚える。
同じくその後ろ姿を見た近藤は、半田の気迫のスライディングのためにも頑張る決意を新たにし、全部三振だからレフトには飛ばさせないと誓う。

打席には1番沙羅。
初球から高めへのストレートを投げ込み簡単に三球三振。
続く2番緩崎に杉本監督が
「近藤は高めにしか投げない。振り切らなくていい!チョコンと当てろ!」
「あの高さだったらそれだけで外野まで飛んでくから」

と指示を出す。
緩崎への初球。
(当てるだけ!)
そう意識する緩崎のバットの上をボールが通過。
(ボールが逃げて行った)
2球目。
「当たれ!」
しかしこれもバットの上。
またしても近藤は簡単に2ストライクへと追い込む。
(当てようと思えば思うほど逃げていく)
そのまま3球目も空振りとなり
二者連続三振。
(当てさせんで!絶対バットには当てさせん!)
半田の気迫が乗り移ったという近藤のボールは、谷口監督の指示通りに全くバットに触れさせないままあと一人までやって来た。

ここで第81話が終了となります。

感想

1点勝ち越して11回裏も2アウトまでやって来ました。
松川の打席。
「気落ちしている」
という蕪木の球を打ち返した時は、ここから一気に大量得点で決着かなと思ったけど、そうはなりませんでしたね。

そして次回予告の
「あとひとり!」のコールにプレッシャーがかかる近藤。『谷口の選択』の巻
を見た感じだと次回での決着もまだないかなぁ。
さすがに墨谷の勝ちは決まりだと思いますが……。

関連リンク

・第77話「土壇場に強い? の巻」
・第78話「最後に来て動く試合の巻」
・第79話「究極の三振狙いの巻」
・第80話「まだ根性は残ってるの巻」
・第81話「究極の指示の巻」
・「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ
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17 Thoughts on “「キャプテン2」第81話感想

  1. キャプテン世代 on 2024年3月11日 at 4:49 PM said:

    嫌な予感しかありません。まさかのサヨナラ負けか?半田の布石。外野に球が飛ぶって事しか考えられません。この後デッドボールでランナーを出して、その後のランナーが近藤の失投を捉えてレフトへ大飛球。それがサヨナラ ランニングホームランとなり試合終了。。あったら最悪です。。現在の作者なら遣りかねません。。

    • 半田の足の描写をわざわざ入れたくらいだし何かしら試合に影響はするんでしょうね。
      私はもうひと山ありながらも墨谷の勝利かなぁと思っているのですが、そう言い切れない怖さはあるかなぁ……。

  2. にしなさとる on 2024年3月9日 at 10:33 PM said:

    ひとつ抜けていませんか?
    「抗議してそれが通らなかった場合、かえって味方を意気消沈させるおそれが有る」ことを、お花茶屋の杉本監督が懸念する場面が有ったはずです。

    そして、実際にその通りになってしまい、蕪木は次の松川に絶好球を投げてしまった。
    このことも、「策士策に溺れる」の内に入っていたように思えるのですが。

    • 確かに杉本監督の
      (まずい!抗議をしておきながら逆の裁定が下ってしまうと……)
      という部分抜けていました。
      そこから松川の
      (このボールは気落ちしている!)
      にも繋がるので、あらためて追記しておきました。

  3. あまじん on 2024年3月9日 at 6:41 PM said:

    いつもありがとうございます。試合はもう、ひと波乱、半田の脚に起因する大ピンチの末に、ようやく、五十嵐と井口の好プレーで墨谷が激戦を制して勝利、優勝旗は墨谷高校丸井主将の元へ、丸井をはじめ、墨谷の面々は笑顔と涙、スタンドの倉橋、田所さん、も大泣き。 お前らも来ていたのか。 太田、山口、中山、横井、部長、校長、近藤の父、新聞記者、応援団長、國學院大のお兄さん、予備校のお姉さん、らも嬉し泣き。 さあ、次はいよいよ甲子園大会だ。  キャプテン2甲子園大会編に続く。 ということでいかがでしょうか。

    • この試合に勝利したあとの展開もどうなるのか気になるとこですよねぇ。
      普通に甲子園編も描かれるのかどうか。

      なんとなく甲子園編は描かれないのかなぁという予感もしているのですが……。

  4. リチャードコジミスしか勝たん on 2024年3月8日 at 3:26 AM said:

    究極の指示=青葉の鬼監督みたいに蕪木をファールで潰せ
    あまりにも人をおちょくったプレーに谷口がブチキレ
    だと思ってましたがエーでした

  5. shadow on 2024年3月7日 at 7:41 PM said:

    いつも読ませて頂いています。初めてコメントします。
    凄く嫌な予感がします。最後の1人が外野まで飛ばして半田の怪我の影響で結局同点になり、以後18回まで延々と1人、また1人と負傷者が出て、18回でやっと墨谷が勝つも、「傷つき、全ての戦力を失い、甲子園大会を棄権せざるを得なかったのである。」近藤「オンオンオン(泣く)」で終わるような気がしてなりません。「何も足さない、何も引かない。」を信じてコミックスも買ってきましたが、もう限界です。悲しすぎる・・・。

    • shadowさん、コメントありがとうございます!

      私はこの後ピンチ迎えるもなんとかしのいで勝利!と思っているのですが、
      shadowさんのコメントにある墨谷の姿も読んでいて浮かんでくるのがまた怖いというか……。

      あるかもなぁと思っちゃいますねぇ……。

  6. 半田の足のケガの影響で、取れる打球を長打にされてしまいピンチを迎えるまでは予想できますね。谷口の選択だから、ピッチャーをイガラシに変えるとかでしょうか?
    でもイガラシは球が軽いとされているので、それはないかもしれません。
    レフトとショートの間の打球を、イガラシがファインプレーで終了ですかね?

    • 半田の足が11回裏のプレーに何かしら影響するのは確かですかねぇ。
      谷口が再び大きな選択決断を迫られるシーンがあるみたいだし次回で決着つくかどうか気になります。

  7. イガラシのラーメン on 2024年3月6日 at 11:38 PM said:

    ホームへのスライディング判定は覆らず墨谷が1点勝ち越しましたけど、予想通り中々試合が終わりません!w 次号でグラジャンは年度末だしさすがに次で決着つける可能性が高いですが、半田の足の具合とかイガラシのオーバーランミスとか近藤が調子良すぎるとか、簡単に勝てそうもない伏線張りまくりでまだまだ不安ですね~ 次号の予告のタイトルが「谷口の選択」ということは、額面通り取るならなんだかんだでピンチになり、満塁策とか外野2人内野5人の変則シフトでも敷くんでしょうかね?なんにしても引っ張り過ぎだと思うので早いとこ試合終わってほしいです。

    • 半田の足の描写が気になるとこですよね~。
      わざわざ描いたって事はこの後確実に影響出そうですし、次回予告見てもこのまますんなりってわけでもなさそうですからねぇ……。

  8. 匿名 on 2024年3月6日 at 9:16 PM said:

    再度、最後の1人まで漕ぎ着けましたね

    半田の足の状態が関係して、ピンチをむかえそうですが、イガラシの走塁ミスを帳消しにするファインプレーで試合終了かなと思います

    気持ちよく3連続三振で試合終了になってほしいかなと思います

    • 半田の足の状態出すくらいだし何か起こるんでしょうねぇ~。
      それでもここまできたら墨谷の勝利は確実だとは思いますが……。

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