第44話「男同士のデートの巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!
本屋で雑誌を立ち読みしている倉橋のもとへ谷口がやって来る。
互いに
「久しぶり」
と声をかけて2人は商店街にある中華屋へと入る。
冷やし中華2つと餃子1人前を注文。
「噂は聞いてるぜ」
と話す倉橋。
谷口がレベルの高い小学館予備校に通っている話で、やっぱり自分とは頭のデキが違うんだろうなという。
倉橋は2浪したくなくて志望校を下げたのだとか。
そんな話をしていると注文した冷やし中華と餃子がやって来て、食べる時は受験の話はやめとこうということに。
「それにしてもひょうひょうとしてるもんだな」
「あの谷原にコールド勝ちしたってのに」
そう話す倉橋に
「いやうれしかったよ」
と答える谷口。
しかし、倉橋から見た谷口は全然満足してない顔に見えた。
中華屋を出た2人は今度は甘味処へと入りかき氷を注文。
ここでようやく話は本題に入る。
田淵に会うために川北まで行って来たと話す倉橋は、谷口が墨谷監督になった経緯から田淵と戦うことに気兼ねしてねーよなと尋ねるが、それはしてないと谷口も答える。
倉橋の話では田淵の意気込みはすごいらしく、
「墨谷なんてブッ潰してやる」
と言っていたらしい。
それに思わずむっとなる谷口。
「そーだよ! その調子で行くんだよ」
と倉橋はそんな谷口の様子に満足気。
そして、川北の練習を見て書いたメモ帳と新聞の切り抜きを差し出す。
このメモも田淵公認でどんどんメモしていいと言われてのものだった。
川北レギュラーの平均身長は178cm。
平均体重は75キロ。
対して墨谷は身長も体重もマイナス10って感じだと谷口は話す。
今年の川北は技よりもパワーらしく、小細工なしの力で押し切ってくる野球をするという。
フリーバッティングでも全選手が遠くに飛ばそうとブリブリ振り回していたとか。
「柔よく剛を制す。こちらは”技の墨谷”で行くか?」
という倉橋だが谷口は、
「違うな」
「少々の技は圧倒的なパワーの前では粉砕される」
「ある程度パワーが互角になってないと”技”は発揮できないと思っている」
「”現実の壁”というものはある。普通にしていたら小さな子は大きな子に勝てないんだ」
「だからウチだって小さいなりに大きくした」
と話し、墨谷はもう倉橋の知らない墨谷になっているという。
「大きい子達には…絶対負けないよ」
そう話す谷口に倉橋は、
(静かだがたぎる闘志。谷口は勝負師の顔ものぞかせる)
と感じるのだった。
食べ終えて見せを出ると倉橋が、
「それにしても谷口。男同士のデートってのは程々にしときたいもんだな」
「ちゃんと女とデートした経験はねーのか?」
と言い出す。
「ないよ。倉橋オマエは?」
「あるわけねーだろ。浪人生なんだからよ」
そんな会話をしながら2人は帰路についた。
川北との試合当日。
駒沢球場前で倉橋と久しぶりに顔を合わせた墨谷ナインは挨拶を済ませて球場へと入って行く。
倉橋のノートが参考になったと礼を言う谷口。
そこへ
「タニグチ~~!」
と声をかけてきたのはリカとサチ子。
応援に来たという2人に驚く谷口だが、さらに驚いた様子なのは倉橋である。
「え。谷口。こちらの方は…」
そう尋ねる倉橋に以前の予備校のクラスメートだと説明していると、
「あ! タニグチ~~!」
今度は小学館予備校の女子2人も応援に来たと駆けて来た。
「え? あちらの方は…」
かろうじて笑顔を保ってる様子で尋ねる倉橋と、
「今の予備校のクラスメート」
となんとも気まずい様子の谷口。
(何がデートしたことないだ。とんだ二枚目じゃねーかよ)
心中穏やかではなさそうな倉橋だった。
谷口もベンチへと入った後、リカとサチ子は観客席へ。
そこに小学館予備校の2人もやって来て隣り同士で座り、なんとも気まずい空気が流れる。
一方の倉橋は同じく応援に来ていた田所に挨拶をしにやって来た。
「久しぶりに会ったら谷口の奴イケ好かん奴になっちゃいましたね」
と言う倉橋。
「何言ってんの? おめぇ」
と答える田所。
こちらはこちらで不思議な空気。
グラウンドでは川北が守備練習を行っている。
しかしどの選手もポロポロとボールをこぼす。
「大柄なチームにありがちな大雑把なカンジ」
だと評する応援に来た生徒たち。
続いて墨谷の守備練習がスタート。
「墨谷……」
「思ったよりも小さいねェ」
「ピッチャーはもっと小さいぞ」
そう話す川北ナインの視線の先では先発のイガラシがピッチング練習をしている。
そんなナインに田淵監督が
「オマエらあの小兵イガラシの実力はよ~くわかってるよな?」
と油断がないことを確認するかのように言うと、
「谷原にコールド勝ちした墨谷に…ウチはパワーで勝つぞ」
と宣言する。
守備練習を終えて試合開始をベンチで待つ墨谷。
「おい。川北のノックの”ポロ”にだまされるなよ」
「素手で捕ってからの送球…」
と谷口が言うと、
「たしかに素速かったですね」
と松川も気付いた様子。
体の大きい人特有の肩の良さもあり、スナップスローしてもピュッとした強いボールが行く。
リカバリーしてからの流れが完璧なのだと谷口は話す。
そして
「あの”ポロ”はこちらを油断させようと思ってやっている。だまされるな」
と再びナインに忠告。
シートノックの段階から両校の戦いはすでに始まっているのだった。
ここで第44話が終了となります。
久しぶりの谷口と倉橋のツーショット。
この2人が揃うとなんとも見ているこっちも気持ちが引き締まる感じです。
当然ながら倉橋は墨谷側の応援席に来ましたが、直前のあの場面に遭遇したせいで内心は穏やかではなさそうです(笑)。
それにしても川北は昨年とはガラリと変わりました。
練習風景を見ただけだと川北ナインの体格は、これまで墨谷視点で見てきた大学生レベルに見える感じです。
パワーで勝つと言い切る田淵監督。
そんな打線を相手に墨谷投手陣でももっとも小柄なイガラシがどんな投球をするのか。
気になるところです。
・第40話「強い体が強い打球を生むの巻」
・第41話「ナチュラルシュートの巻」
・第42話「去年と同じシチュエーションの巻」
・第43話「口の悪いやつらの巻」
・第44話「男同士のデートの巻」
・「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ
・「キャプテン」連載開始50周年記念特集ページ
別の二次創作を見つけました。
こちらの方はご存じでしょうか?
https://geolog.mydns.jp/www.geocities.jp/dokusho_hyaku/sikaban/marui/index.html
こちらの作品は初めて拝見しました!
すでに最終話まで書いておられるみたいですね。
じっくり読んでみます~。
「プレイボール2」の発表前に書かれているので、谷口3年夏からの展開が、まるで違っていますね。
丸井キャプテンの代の話が、メインになっています。ただ、オーダーにちょっと違和感が……。
墨谷二中の時と同じく、丸井とイガラシが3,4番なのはいいとして、加藤が1番というのはちょっと。
丸井が3番なら1番は、俊足の島田ではないでしょうか。
私も足を考えたら島田1番に入れそうですが何かそのあたりは作者さんの意図もあるのかもしれませんね~。
情報提供。
これもご存じかもしれませんが、今なお『高校野球史上最大の奇跡』ではないか、と言われるケースが、1988年(昭和63年)の夏にありました。
予選ですらまったく下馬評に登らなかった、公立の普通高校が、なんと甲子園の準決勝まで行ってしまったのですから。
https://ashita.site/2020/11/20/post-2806/
https://labola.jp/blog/user/71537/2342065002
周囲だけでなく当の選手たちまで、「なにかの間違いだ」と言っていたそうです。
これは初めて知りました!
まさにマンガの世界としか思えないことが現実にあったんですねぇ……。
リンク先の記事の最後で紹介されている阿久悠氏のメッセージがまた色々考えさせられます。
ちょっと気が早いですが甲子園にとなるとイガラシキャプテン時の面々の再登場とかを期待してます。北戸、白新、和合等々。
意外なところで出てきてくれたりしないかなあ…
甲子園に行けばそういった再会もありうるんですよね~。
それもまた楽しみの一つになりそう!
しかし谷口君、相変わらず、恋とか愛とかにはひどく鈍感ですね。
女の子から好意を寄せられていることにも、自分が「もてる男」だと思われていることにも、まるで気が付かない。
朴念仁というより、野球以外のことにはほとんど興味や関心が無く、考えようともしていないのでしょうが。
ある意味で、いささか心配になりますね。
まさに野球以外に関心がないって風に見えます(笑)
彼女作ったりできるのかなと思う一方で、そこまでのめり込めるというのが羨ましくも思ったりしますね~。
周囲の雑音をはねのけるくらい自分の大好きな事に集中できるっていいなぁ。
甲子園出場常連の谷原に圧勝、続いて、川北にも勝利となると、あとは、東実、明善、専修館、聖陵か、優勝、甲子園出場もいよいよ現実のものに、甲子園での墨高旋風(対浪国、対静岡工業、他、神奈川、広島県、兵庫県の代表の新ライバル高との激戦)を期待。 二枚目谷口の女子関係にも少しだけ期待。
谷原に圧勝したのはやはり大きかったですよね~。
顔ぶれを見るとやっぱり東実が甲子園への壁でしょうか。
でも明善はチーム自体が見えてこないし、専修館も今はどんなチームかわかりませんからねぇ。
二枚目谷口の女子関係は倉橋との友情にヒビ入らないといいのですが(笑)
この回が一体何のためにあるのか、正直疑問に思っています。
物語全体の流れからすれば、この回は無くても良く、それどころか、墨谷が川北相手に大勝した場面から始まっても良かった。
そう思えるのですが。
確かにパワーで真っ向勝負してくる川北相手にも墨谷が完勝するという、墨谷の強さを示すだけの試合なら細かく描く必要はないかも?
それともパワー勝負に見せかけての何かを田淵監督はまだ隠しているのでしょうか……。
ちばあきおファンに怒られそうですが、ジャンプ漫画は腐女子のおかずになることが多く、キャプテン・プレイボールもわりとその手のひとは少なくなく、今回は公式がある意味ネタを提供したといえる回ですね(笑)
ちばあきおファンの皆様ごめんなさい、至近距離のノックで許して。
ジャンプはそういった方々にも人気あるんですね~。
キャプテンやプレイボールは野球中心なのでそういうファンはいないかなと思っていたから意外でした。
防具なしの至近距離ノック付き合いますよ(笑)
まさか、谷口と倉橋の男同志のデートとは‥まず題名に笑いました。でも倉橋からすれば谷口は墨谷の監督をやりながら、自分より成績がいいし、しかも不思議とモテて(まあ谷口本人はその気はないのに勝手に盛り上がっている女子4人ですが)いるから田所に愚痴をこぼしたのでしょうね。
でも川北も何か谷原ほどではないですが、かませ犬に近い形で墨谷が圧勝しそうな展開ですね。田淵監督は選手はパワーに自信があるみたいですが、イガラシが変化球を織り交ぜて翻弄しそうな展開ですね。
女子4人に声かけられる場面だけ見た倉橋からすると、自分と同じ野球人間で受験控えてるあの谷口が? って感じでしょうか(笑)。
なんとも複雑な表情が印象的でした。
川北は田淵監督のあの絶対の自信に加えてミスの多さも印象付けようとするあたりに、パワーと心理戦両方仕掛けてくるけどそれでも墨谷が上回るって展開ですかね~。