第37話「ハートに火が点いた大学生の巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!


コクガクインとの練習試合は5対5で日没コールドゲームとなった。
「今日は本当にありがとうございました。ものすごくいい練習になりました」
と頭を下げる谷口に、コクガクインの選手達はハートに火が点いたと話し再戦を約束。
河川敷を使える曜日と時間帯を考えて次回も7回までとなるものの、木曜日に再戦が決定した。
そしてコクガクインの選手達は早速家まで走って帰ろうと元気に帰って行く。
残った墨谷の選手達が整地をする様子と見つめる谷口。
コクガクインの選手から墨谷の選手は
「打球の勢いが強くて落ちない」
と言われた事を思い出し、筋トレの成果が出てきたのか、選手達がちょっとたくましくなってきたように感じていた。

木曜日。
河川敷にやって来たコクガクインにひときわでかい体格の特別助っ人が加わっている。
彼はアジア大学の野球部だったらしく、高校時代はレギュラーになった1年間で通算29本塁打だという。
大体3試合に1本くらいだと紹介するコクガクイン投手に助っ人は、
「ただね。言っとくがおれの通算は”29”じゃないぞ」
と話す。
彼は甲子園でもラッキーゾーンへホームランを打ったらしく、この助っ人とコクガクイン投手は同じチームで甲子園1勝したのだという。
後ろで聞いていた丸井とイガラシが
「なんかすげぇつながりですげぇ人がくるぞ」
「こりゃいいですね」

と驚く。

そして試合開始。
先攻はコクガクイン。
守る墨谷は近藤と井口のバッテリー。
近藤の投球練習を見たコクガクインベンチが驚きの声をあげる。
この人1年生だから」
という今野の言葉に二度びっくり。
そう話した今野も
(いや~茂一クン……高校生になってたくましくなったじゃないか~~)
と近藤の成長を感じ取っていた。

コクガクインの1番は助っ人。
近藤が大学生相手にどこまで通用するか見守る谷口。
初球。
外角へのボール球となるカーブを要求する井口。
助っとはバットを振りかけるもギリギリで止めてボール。
「いや~いいカーブだね~」
「1年生のカーブとは思えん。キレもコントロールもいいじゃない」

と助っ人に褒められて嬉しそうな近藤。
2球目は同じところへのストレートだが今度はギリギリストライクとなるコース。
助っ人は低いと見て見送るが判定はストライク。
3球目は内角低めのストレート。
これも見送ってストライク。
ここまでの3球全ていいところに決まったらしく、助っ人だけではなく、受ける井口やサードの松川、そしてベンチから見守る谷口も近藤の成長を感じる。
近藤本人もゴムヒモ練習のお陰か、狙った通りの隅に投げ込めていると感じていた。
2ストライクと追い込み、最後は外角低めのストレートを要求する井口と自信を持って投げる近藤。
ところがちょっと抜けたボールがミットよりも高めに入ってくるが、外角高めギリギリのこれはこれでいいコースと球威。
助っ人がバットを振りに出るが
(空振る!)
と確信する井口。
ところがバットに当てられた打球はレフトフェンスを越えて川へと落ちるホームラン。
先頭打者ホームランに盛り上がるコクガクインベンチの中で、近藤に肩入れしていた今野だけが思わず
「あら~~」
と声を挙げてしまう。
「え~~」
とマウンド上で膝をつく近藤。
ダイヤモンドを1周して戻ってきた助っ人に井口が
「す、すごいです…」
と声をかけると、
「今の……空振ると思ったでしょ?」
と助っ人が答える。
続けて
「低めを狙ったが高めに浮いてきちゃったボール…そーゆーのはバッターは案外打っちゃうもんだ」
「同じ高めでもね…狙ってそこに強く投げたボールは打たれない!」
「野球ってのは不思議なもんでね……」

「そーゆーとこあるでしょ? 空振りを取りたかったらちゃんと狙って高めを投げる練習をした方がいいよ」

と話す助っ人に近藤は
(言ってること……なんとなくわかる…。べ、勉強になるなぁ~~)
と思うのだった。

ここで第37話が終了となります。

感想

大学生の体力切れという形で終わってからのすぐの再戦。
ただでさえ墨谷とは体格差のあるコクガクイン選手たちの中で、文字通りひときわでかい助っ人が加わりました。
しかも高校通算30本塁打という実績の持ち主。
その実績どおりのバッティングをいきなり初回から見せつけられた感じです。

一方の近藤も打たれはしたものの、ゴムヒモ練習や走り込みの成果が出てきたのか、前回投げた時よりもコントロールがかなり安定してきたようです。
強力な助っ人との対戦がさらに近藤を成長させてくれそうな予感ですね。

今回は助っ人との対戦のみでしたが、
「最初から7回とわかって全力で向かってくる」
他のコクガクイン選手との対戦もどうなるか気になるところです。

関連リンク

・第33話「たどり着いたらいつも雨降りの巻」
・第34話「予期せぬ提案の巻」
・第35話「腐っても鯛の巻」
・第36話「衰えないスイングスピードの巻」
・第37話「ハートに火が点いた大学生の巻」
・「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ
・「キャプテン」連載開始50周年記念特集ページ

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4 Thoughts on “「キャプテン2」第37話感想

  1. けん on 2022年5月10日 at 9:26 PM said:

    近藤って伸びしろが凄いですよね。谷口やイガラシは完成された感があるけど、近藤はまだまだ成長しそう。練習嫌いな近藤が鍛えられたらとんでもないピッチャーになりますよね。歴代の墨ニのキャプテンが揃ってレギュラー、監督が谷口。エース級ピッチャーが井口を含めて4人。
    甲子園行けるんじゃないんですかね?

    • けんさん、おひさしぶりです~!

      ほんと近藤は底がまだまだ見えないと言いますか、妥協が一切許されない環境の中、井口や松川といった先輩たちにしごかれてどこまで伸びるのだろうという期待は持たされてしまいますよねぇ。

      近藤がこの勢いで成長していけば投手陣は今までで一番層が厚くなると思います。
      あとは打撃陣がどうなるかなぁ。

  2. ゅんゅん on 2022年5月2日 at 12:51 PM said:

     ファンなら近藤の球質は重いことは十分ご承知だとは思いますが、ホームランを打たれたのは青葉との試合以来なかったと思います。
     助っ人の強さを示すために、調子の良い近藤の球をホームランにするという話にしたのかなと思いました。

    • いわれてみると確かに近藤がホームラン打たれたのってほとんど記憶にないですね……。
      ここまではコントロールも球威も申し分ない状態の近藤相手に、抜けた球を確実にとらえた助っ人の凄さが際立った回だったと思います。
      この試合の中で色々吸収できそうですね~。

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