第8話「オトナチックの巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!


墨谷二中は夏の全国大会を順調に勝ち上がり、春のセンバツと同じくベスト8まで進む。
そしてベスト4をかけた試合。
相手は因縁の相手である富戸中学。

控室に入ると円になって瞑想する富戸中ナインの姿が目に入る。
墨二ナインに気付いた富戸中の選手たちが立ち上がり、
「春のセンバツの時は本当にすまなかった」
「ずっと心残りだったんだ」
「今日は正々堂々とやろう」

と、去年も捕手で出場していた選手(名前不明)が右手を差し出す。
近藤もそれに応えるが、去年との変わりように動揺する。

富戸中の守備練習をベンチで見つめ、センバツの時よりも格段にうまくなっていないかと話す松尾。
近藤は
「オトナの守備になったね」
と言う。
中学生は春から夏にかけて見違えるように成長するが、自分たちだって成長したのだと話し、この試合はやっとマトモな試合になるとも。

プレーボールがかかって試合開始。
実況席でもセンバツでの両チームのひどさを話題にしつつ、今大会は両チームとも”オトナな試合”を展開してきたと解説。
この試合はレベルの高い好試合が期待できるという。

1回表。
富戸中の先発はエースの杉本。
センバツで暴れに暴れた短気な投手だったものの、今大会では落ち着いたピッチングで3勝しており、また揉め事も全く起こしていないらしい。
「しかしあの肉だんごがエースになってるのには驚いたね」
牧野の言葉に近藤がちょっと試してみるかと言い出す。
「いよッ。肉だんごちゃん。ナイスボールよ」
と小声で呟く近藤に慌てる曽根と佐藤だったが、杉本はまるで反応を示さず、彼が本当にオトナになったのだと確認。
近藤はウチを出る時から燃えてきたそうだが、意外な富戸中選手たちの態度に肩透かしを食らった気分だった。

打席に1番イガラシ慎二が入る。
杉本の初球は内角ストレート。
ボールとみた慎二は見逃そうとするも思った以上に近く腕をかするデッドボールとなった。
「スンマセン」
すぐに帽子を取って謝る杉本に、墨二ベンチも彼の変わりようを再確認。
そしてセンバツの時よりも杉本の球が速くなっている事も確認する。
続く2番松尾は最初から送りバントの構えだが、これまた杉本のボールが内角へと向かってきたため、避けようとしたところボールがグリップに当たってフライとなり杉本が捕球。
「最初から近いとこばかりくるな」
「あぶねえとこばかりじゃねえかよ」

2球続けての厳しいインコースに愚痴を漏らす近藤と続く3番牧野。
ここはランナーは動かさずに見ていこうと指示。
(マジメになったんだよね?)
(まさかしょっぱなからケンカ売ってきたわけでもあるめえし……)

この2球で疑念を抱き始めた牧野。
対する杉本もどこか落ち着かない様子で牧野への初球を投じるが、今度はのけぞる牧野に当たる完全なデッドボール。
「3人続けて……! 狙ってるのか!?」
叫ぶ近藤だが、
「ス、スイマセン!」
すぐに帽子を取って謝る杉本に、
「う……」
「あの態度…」

と、墨二ナインもそれ以上は何も言えなくなる。

ここでマウンド上に富戸中の内野陣が集まる。
「どうした杉本」
「試合前に心を落ち着かせたハズだろ。平常心だ」

声をかけられる杉本だが、
「おれはオトナになったんだ」
「でもあの墨谷が相手と思うと…」
「それに……1番バッターの時に向こうのベンチから肉だんごちゃんて聞こえてきて…」

このやり取りが聴こえたのか近藤は、
(う~む…ワイのせいじゃないよね?)
と冷や汗を垂らすのだった。

ここで第8話が終了となります。

感想

センバツでみっともないほどにモメた富戸中との試合。
最初の瞑想シーンや挨拶から、あの時とは変わったように見える富戸中選手たちですが実際のところはどうなんでしょう。
杉本や他の選手の様子からも変わろうとはしているのはわかるけど、最後のコマの杉本は何やら不穏な空気を漂わせていました。

まぁさすがに紳士に接してる相手に、試すためとは言え、
「肉だんごちゃん」
はないなぁ……。
しっかり聞こえていたようですし。

ともあれ、墨二にとっては1アウト1・2塁のチャンス。
杉本が落ち着かない今のうちに叩いておきたいところです。

関連リンク

・第4話「親父と息子の巻」
・第5話「強打者・近藤!の巻」
・第6話「ある結果の巻」
・第7話「神学論争をぶっ飛ばせ!の巻」
・第8話「オトナチックの巻」
・「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ

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4 Thoughts on “「キャプテン2」第8話感想

  1. ベレーナ on 2020年7月16日 at 7:42 PM said:

    お久しぶりです。

    コロナの影響等やプレイボール2の連載を考慮すれば程よいペースで中だるみなくキャプテン2は読めますね

    富戸中はなんらかの不祥事だったり前年の騒ぎが問題になって「次に部に泥を塗ることをしたら廃部にする」など言われてあのように変わったのもあるとみてます

    前の話でも丸井にすれば尊敬する谷口の時代から続く方針を180度転換されたのが面白くないのもあるとは思いますがよく言えば部員が過信しないよう戒め役を買って出ているのもあると思いますがいかがですかね(アニメではOBが出すぎるのは違うって窘められましたけど)

    • ベレーナさん、お久しぶりですー。

      確かに試合中に対戦相手と乱闘騒ぎを起こしたわけですから学校側から厳しく注意はされていそう。
      他の選手は変わろうとしているけど、杉本にしてみれば元々の性格と直接野次られた事で水に流せない怒りがあるのかも……。

      キャプテン2の丸井を見ていると近藤のこれまでの墨二とは違うやり方や、それで結果が出ていることが面白くないんだろうなと思いますが、プレイボール2での井口のサポートなどを見ると、ベレーナさんがおっしゃるような意図もあるのかなぁと思っちゃいますね~。

  2. けん on 2020年6月24日 at 7:21 AM said:

    春の選抜ってベスト8まで行ってたんですね。2回戦敗退でベスト8すら行ってないと思ってました。後で読み返してみようかな。前作のプレイボールもキャプテンも後半はちばあきお先生の絵じゃなかったですよね。当時は不思議に思いながら読んでました。
    この試合も丸井が現れるのかなぁ?丸井のことだからうまく杉本を自滅に導くような気がしますけどw。いずれにしても杉本がカンシャクを起こすのも時間の問題のような感じですかね〜。

    • キャプテン、プレイボール共に後半は絵が違う時があって、私も子供の頃は不思議に思いながら読んでいましたw

      次回以降は近藤が杉本を挑発するかなと思っていましたけど、丸井の方が可能性ありそうですね~。
      近藤が直接やるとまた問題になるし、センバツでも丸井の挑発効いてたしなぁ。
      今回読んだ感じだと杉本の我慢は最後までは持ちそうにないですねw

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