第7話「神学論争をぶっ飛ばせ! の巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!


近藤パパのバスで全国大会へ向かう墨二ナイン。
初戦の相手は長野県代表の野沢菜中らしく、地区予選をオールコールド勝ち進んだ強豪のようで、ディフェンディングチャンピオンの墨谷の足許をすくってやろうと闘志まんまんだとか。

高野台球場に到着するとそこには丸井の姿。
驚く近藤パパが
「墨高の方今日はいいの?」
と聞くが、
「今日はかわいい後輩達のために、練習の合間を縫って応援に来ました」
との言葉に近藤は思わずギクっとなる。
しかも一緒にスタンドへ行きまひょかと言うパパに、自分は応援団席の方にまわると言い、ここで近藤パパとはお別れ。
前年度優勝校という事で周囲の人達から歓声を浴びながら球場内へと向かう墨谷と、その先頭を歩く丸井。
「地区予選はまあまあ快調に勝ち上がったそうだな」
「けっこうけっこう」
なんとも言えない笑みを浮かべながら話しかける丸井に、はいとしかとしか答えられない近藤。
続けて丸井から
「文武両道!」
と言われてドキ。
「勉強の片手間で野球をやってたら優勝しちまったのか~~」
「すげえなあ~」

と続けられて何も返せなかった。

球場内更衣室では対戦相手の野沢菜中選手たちが着換えを行っている。
自分達は初出場であり、去年優勝した墨谷二中と比べたら格ははるかに下。
それだけに墨谷も見下してくるだろうと話している。
だが、自分達は地区予選5試合の総得点が45。
実力は墨谷にも絶対引けを取らないハズだとし、ひと泡ふかせてやろうと気負うのだった。

更衣室へ向かう途中の墨二ナインの前に、いつもの新聞記者三原たちがお出迎え。
ひと事いいかなと近寄る三原たちに丸いが厳しい視線を投げかける。
「今はカンベンして下さい。ご覧の通りピリピリしていましてね」
とあしらう丸井だが、近藤は別にピリピリしちゃいないけどと心の中だけで思う。
それでも墨二がこの春以降に練習時間を短縮して”ここまでの結果”を出したことについてひと言欲しいと求められると、
「ひつこいですねー。コイツらは中学生です! 今はそっとしておいてもらえませんかね!」
と丸井が怒鳴りつけてその場をあとにする。

すると今度は近藤パパの知人である市原記者が現れる。
「このオッサンも記者か」
さっきの怒りが収まらない様子の丸井が市原を見る。
構わず墨二の文武両道路線が記者の間でも話題になっていると話す市原に、
「あのですね! ちょっと皆さんひつこいって言ってるんですよ!」
と、ここでも怒鳴り散らす丸井に、市川はパパの選手時代を知ってくれとる記者だからいいんだと慌てて止める近藤。
手間は取らせないからひと言だけと頼む市原。
「文武両道という考え方はわかるんだ」
「勉強をおろそかにしないことがスポーツの技術も上げる」

墨二の文武両道に理解を示す市原だが、丸井はおもしろくないのか心の中で舌打ち。
だが、市原の取材によると対戦相手の野沢菜中は1日の練習時間が墨谷の2倍。
下手をしたら3倍もある
「練習の虫」
「努力のチーム」

らしく、それで破壊的な勢いで地区予選を勝ち抜いてきたのだという。
思わず言葉を失う近藤と丸井。
それでも
「りょ……”量より質”でっから…」
と口にする近藤に、それを目指してもなかなか達成できるものではなく、しかし墨谷は達成したと褒める市原。
しかし同時に
「これは皮肉な言い方になってしまうが……野沢菜中と戦うってことは過去の墨二と戦うってことになりはしないかい?」
と問われる。
一瞬声をあげて驚く近藤だったが、
「野球というものは…そんな単純なものやおまへんがな」
と返す。

ようやく更衣室へと到着した墨二ナインに、野沢菜中キャプテンの滝川が挨拶をする。
当然ここでも先頭を歩いて対応するのは丸井。
(お、OB? OBが更衣室にまで入ってきちゃっていいの?)
と、これには滝川も空いた口がふさがらない様子。
着換えを始める近藤たちを見ながら
(全国優勝ったって…コイツらの先輩がもたらしたもの)
(コイツらがけっして強いわけじゃない)

と闘志をみなぎらせる野沢菜中。
そしてこちらも横で扇子をあおぎながら着替えを見つめていた丸井が近藤に声をかける。
「オマエの前任者は誰だ? 名前を言ってみろ」
と問われてイガラシさんだと答えると、丸井はイガラシは墨二を全国優勝に導いた名将だと言い、
「じゃあそのまた前任者は誰だよ? 名前を言ってみろ!」
と問われて丸井さんだと答える近藤。
すると丸井は自分の時は地区予選を制しながらボロボロになってしまい全国大会を辞退せざるをえなかったものの、イガラシ時代へと続く礎を確実に作ったと思っていると話し、
「オマエらの”今回の結果”はけっして小手先の文武両道がもたらしたもんじゃねえ!」
「先輩達が築き上げてきた伝統の上に乗っかってるから達成できたものなんだ!」
「それを周りからチヤホヤされていい気になりやがって!」

と扇子で近藤の頭をペシっと一発。
「あ、扇子でたたいた」
と、これには野沢菜中もびっくり。
「こ、小手先って…ワイらはちゃんと効率的にやってきたつもりでっせ」
と反論する近藤だが、
「効率だと~!」
「近藤! いつからそんなスマートな単語を覚えた!?」
「墨二の伝統にある言葉は「練習! 練習! また練習」それだけなんだよ!」
「オマエらの小手先の文武両道で全国大会を勝ち上がれると思ってるのか!」
「近藤! オマエは勝利に対する執念が甘いんだよ!」
「オマエの前任者はとことん負けず嫌いだった!」
「勝利至上主義と言っても良かった!」
「だから冷酷なまでに勝負に徹した! 鬼になった!」

と、丸井から怒涛の言葉と扇子しばきを食らわされ、
「で、でも…野球はある程度楽しんでやらんと続かんもんやおまへんかねー!?」
と、必死の反論をする近藤だったが、
「た、た、楽しくだと~~!」
「楽しみや悦びなんてもんは”勝ってこそ”なんでえ~!」

と、さらに怒る丸井にしばかれながら追いかけ回されてしまう。

その様子を見ていた野沢菜中ナインは、
「し、試合前なのに容赦なくペシペシ叩かれとる」
「と、と、東京こえええええ」
「やっぱおれ達田舎者とは違う…」

と、先ほどまでの闘志もしぼむのだった。

色々ありつつようやくベンチ入りした墨二ナイン。
応援団の校歌にとうとう始まるなと話す近藤だが、応援団席からベンチを覗き込み、
「近藤! まだ話は終わっちゃねえんだよ!」
と怒る丸井に思わずぞ~っとする。

一方、スタンドで試合開始を待つ近藤パパの元へ市川が現れる。
「さっき息子さんに会ったんで神学論争をふっかけてみましてな…」
と、先ほどの近藤との会話を伝える市川。
「野球はそんな単純なもんじゃありません」
という台詞、そしてその後に続けて言った言葉が憎いのだという。
「僕達が文武両道できたのは先輩達のお陰でもあるんです」
「僕達には先輩達から貰った”根性”という遺伝子があります」
「文武両道はしょせんは”根性”…」
なのだと。
これには隣りで聞いていた丸井も思わず
(え……)
だったようだが、照れくさいのか顔を赤らめて
「近藤!」
「おめえの”先輩の立て方”ってのはインギンブレイっちゅーか…心がこもってねえんだよ!」

とすぐにまた怒鳴り散らしたらしい。
それはともかく近藤のその台詞を聞いた市川は、
「茂一クンはどっこい”精神論”を忘れちゃいない」
と近藤パパに話すのだった。

そんな話がスタンドでされている中、
「おい見ろ!」
野沢菜中ベンチがざわつく。
その視線の先、墨二ベンチでは丸井にしばかれる近藤の姿が。
「あのOBの人ベンチに入ってまだなんか叩いてるぞ!」
「こ、怖い…」
「東京の野球部怖い…」
「おれらはしょせん田舎者…」

と、丸井の迫力にビビってしまった野沢菜中は実力の半分も出せずに初戦で散った。

ここで第7話が終わりとなります。

感想

最初から最後まで丸井が目立った回でしたw
ず~~っと怒ってましたね。
地区予選をコールドで勝ち進んだ自信からやる気十分だった野沢菜中も、丸井の気迫には勝てなかったというところでしょうか。
まさかの1コマ、しかも文章だけで散ってしまうとは思いませんでしたが……。
まともな実力を出せた場合の野沢菜中との試合も見てみたかったな。

次回は順調に勝ち上がる墨二が
「とうとうあのチームと当たる」
と当たるそうです。
続けて
「近藤が好き過ぎる丸井くん」
とありますが、全試合応援に駆け付けたのかな。
まぁ丸井なら来るかw

関連リンク

・第3話「丁寧か?雑か?の巻」
・第4話「親父と息子の巻」
・第5話「強打者・近藤!の巻」
・第6話「ある結果の巻」
・第7話「神学論争をぶっ飛ばせ!の巻」
・「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ

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8 Thoughts on “「キャプテン2」第7話感想

  1. ベレーナ on 2021年2月4日 at 10:21 PM said:

    近藤の路線は丸井が心酔してやまない谷口のスタンスを言葉を選ばずいえば全否定するように丸井には見えて歯がゆかったんでしょうね。劣等生から愚直なまでの努力と熱意でのし上がってきましたし

    とはいえ相手チームを威圧して戦意を削いだのは丸井なりの気遣いで、倉橋やイガラシとは違う形での「憎まれ役」と言っていいのかもしれませんね

    それにしても近藤に然り井口に然り、実力あるけど性格が残念な後輩の育成がうまいですね

    • 丸井が継承させたい谷口らしい野球とは違った方向性だけど、ちゃんと近藤の方針も認めてはいるんですよね。
      色々と騒動を起こしがちだけど丸井はほんとに墨谷二中が大好きなんだなと思います。

      でもほんと近藤といい井口といい、不思議と性格に難のある後輩が集まってきますねw

  2. りう on 2020年5月5日 at 6:40 PM said:

    今のところ、丸井はただのウザイキャラになっていて残念です(´;ω;`)
    それにしても近藤の成長っぷりは凄いですね。
    墨谷高校に進学して中学同様に谷口→丸井→イガラシ→近藤とまた続いていくんでしょうか。
    あと、谷口と近藤は親との絡みがあって名前もありますが、丸井はほとんどキャプテンに登場してるのに名前はおろか全く家族の話も無くて謎ですね。

    • 今回の丸井は確かにそんな感じでしたw
      近藤はほんとに成長した気がしますね~。
      相木との出会いが大きかったのかな?

      あれだけ登場しているのに一番プライベートが謎なのが丸井ですよねぇw
      自宅も家族も全くの謎という……。
      この先プレイボール2が世代交代していくと普段の丸井を知るチャンスありそうなので期待したいです!

  3. 匿名 on 2020年4月28日 at 9:43 PM said:

    ここまで、試合のシーンがゼロ

  4. けん on 2020年4月22日 at 9:22 AM said:

    え?終わっちゃったんですか?この勝利は丸井のお陰かなぁ(笑)これは完全にプレイボール2の進行に合わせてますね。そのほうが面白いですけどね。そろそろ丸井と相木、今野の遭遇もあるかも知れませんね。谷口を尊敬し近藤を可愛がる丸井と、谷口、近藤に大きな影響を与えた相木と今野。このあたりちょっと興味あります。
    次の対戦相手は普通に考えると富戸中ですよね。近藤と乱闘したカンシャク持ちの太ったピッチャー名前忘れましたけど、どれだけ成長してるか楽しみです。もしかして選抜の優勝校だったりするのかな?次の発売までまた長いですね〜。

    • 前半は野沢菜中の闘志漲る姿と市川記者の
      「過去の墨二と戦うことにならないかい」
      という台詞からどんな試合になるかと思いましたが、後半はひたすら丸井の姿に怯える姿で終わっちゃいましたw
      でも、毎試合応援に来るなら丸井と相木たちとの遭遇はありそうですね~。

      富戸中の杉本でしたっけ?
      彼のあの性格が成長していればおもしろいことになりそうですけど、あのままでいて欲しい気もしますw
      まだまだ先ですけど「キャプテン」読み返しながら妄想してみます!

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